につき

松 茉莉花

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Episode.1

どこか

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いつものあさ

目覚める

今日もすぐには起き上がることは出来ない
背中が軋む

いつものあさ

蓄積された重みを解さずには
立ち上がることさえ出来ない

いつものあさ

まずは
回復魔法を使って和らげる


もちろん出来ない。
だって自分の今いる世界には
そんなものは存在しないのだから。


起き上がるまでに30分は肩や背中を解すことから始まる。
昨日、なにがあった訳じゃない、普通に生活する、生きているだけで蓄積される疲労、しがらみ、
自分はまだこれのほぐしかたを知らない。


目覚まし時計のちょうど5分前に目覚めるようになったのは
いつからだったか。

いつから、いつものあさが
こうなったのか。
もう覚えていない。

そして枕に顔をうずめながら、
こう呟く

「かえりたい」

どこに?


この時点で、思考はどこかに向かっている。

そして身体は必然として思考に引き寄せられて行くのだ。

今日も自分の思考をからだにとり戻すために向かう。

早くかえろうね。

おかえり
ただいま

そしてまた繰り返す。

どこかにいった思考を取り戻しても
また思考は
どこかに向かうのだ。





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