五子会

春野 鈴花

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三才

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「ねえ、ねえママ、これなんて読むの?」
「五子会って読むのよ。」
「五子会って何?」
「昔はね、この島に子供は二、三人
 しかいなかったのよ。」
「今は六人いるのに?」
「ある年の六月四日に四人目の子供が
 生まれてその日を四子の日にして、
 『この子が四才になったら四子会を
 開こう!』といい解散したが、
 後日亡くなってしまったため
 四子会は中止になった
 が... 青空島にはもう一人子供がいた。
 子供は、自身に気づいてくれない事に、
 怒り自殺してしまったの。
 その後残りの三人も何かしらの理由で
 亡くなってしまった事を
『あの子の呪いだ』と言い四子会の漢字を
 五子会にしたのよ。
 『五には、もうあの子を忘れることの
 ないよう。あの子がもう一度怒ることの
 ないように。』という意味が
 こめられているのよ。」
「へぇ~そうなんだー。
 ねえ、五子会って僕も出られるの?」
「ダメよ僕はまだ小さいでしょ?」
「と言っても来年じゃろが。」
「じ~じ~」
「そうね、もしかしたら五子に
 会えるかもね。」
「五子って?」
「私が、あの子あの子って言っていた
 子よ。本名は分かっていないけど、
 五子って言われているのよ。」
「五子って女の子?男の子?」
「女の子よ。」
「女の子かぁ~かわいいかな?」
「さあ、どうだろね。」
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