マッチョな料理人が送る、異世界のんびり生活。 強面、筋骨隆々、非常に強い。でもとっても優しい男が異世界でほのぼの暮らすお話

かむら

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#345 チーズ運び大会未成人の部、優勝は……

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「さぁ、2個目の障害物は橋渡りだー!」


 シュージと神獣達が1個目の障害物を越えた頃、戦闘を走るリックとカインは2個目の障害物に到達していた。

 そこには細めの平均台のようなものが置かれていて、シンプルにチーズを運びながらその平均台を渡るというものだ。

 ただ、平均台は足の幅より少し細いくらいとかなり細く、平均台から落ちたらまた最初からというルールになっている。

 もちろん、安全を考慮して、3本ある平均台の両サイドには厚いマットが敷かれているし、平均台も角が少し丸くなっているので、万が一落下した時にぶつけたとしてもそこまで大きな怪我にはならないだろう。


「っとと、結構細いなっ」

「チーズがより重く感じるよ……!」


 早速そんな平均台に乗ったリックとカインだったが、やってみるとこれが結構難しく、何も持っていない状態で渡るならまだしも、かなり重いチーズを持ちながらバランスを取るというのは結構大変だった。

 ただ、やはりしっかり足腰やバランス感覚も鍛えているリックとカインなので、ペースはゆっくりだったものの、一回も平均台から落ちずにそのまま渡り切った。


「はぁっ…… やっと2個目ですか……」


 そうしてリックとカインが渡り切ってから少し後に、メイとヘルも平均台まで辿り着いた。


「これ、ペアの場合どうすればいいのー?」

「1人平均台に乗って、もう1人は下からチーズを支えればいいですよ! 半分ずつやっても構いません!」


 ヘルの質問には係員の人がすぐに答えをくれた。

 とりあえず、ペアの場合は手段は問わず、協力してチーズを運びながら平均台を渡り切れればOKのようだ。
 

「だって! 半分ずつやろっか!」

「へ、ヘル様からお願いしていいですか……? 私、下で最初は支えるので……」

「おっけー!」


 まだまだ元気そうなヘルに対して、メイはここまでの道のりでもうかなり消耗していた。

 もちろんメイも同年代の女子に比べれば体は強いのだが、言っても後衛職なので、リックやカインのような体力やパワーは無いのだ。


「ほっ、よっ、あ~~っ」

「あっ、ヘル様っ」

「これ、結構難しいよー」


 それからヘル達は、何回か平均台から落っこちたりしながら障害物を越えようと奮闘していった。


「お、2つ目の障害物だな」


 そうこうしていると、シュージと神獣達も2つ目の障害物に辿り着いていた。


「どうやって運ぼうか?」

「わふー」

「コンコンっ」

「クー?」


 障害物である平均台を見て、神獣達はどうやって運ぼうかの相談を始めた。

 ちなみに観客達の半数近くがもう神獣達に夢中になっており、そんな相談風景ですら可愛い可愛いと持て囃されていた。


「わふ!」

「お、決まったか?」


 すると、相談を終えた神獣達が、シュージにこうして欲しいと動きで伝えてきた。

 なので、シュージはその通りにチーズを動かしてあげた。

 その結果、


「わふ!」

「コンっ!」

「クー」


 まず平均台の上にコロとマフがお尻を合わせるように乗って、その背中にチーズを乗せた。

 更に、そのチーズの上にムウが乗っかり、チーズが滑り落ちないように左右のバランスを取る役割を担うようだ。

 かなり無茶な体勢のように見えるが、そこはやはり神獣スペックと言ったところか、絶妙なバランスを保ってチーズを落とさないようにしていた。


「わふ、わふ」

「コン、コン」


 そうして形を整えたところで、まずはマフとコロがなるべくチーズを揺らさないように、息を合わせてゆっくりと進み始めた。


「クー……」


 それでも多少は揺れてしまうのだが、そこはチーズの上に乗っているムウが左右に体重を移動させて何とかバランスをキープする。


「頑張れー!」

「あと半分だよー!」


 中々に難しい事をしている神獣達に、観客達は次々と応援の声をかけてくれた。


「お、もうちょっとだぞー」

「わふ……」

「コン……」

「クー……」


 そんな応援を受けつつ、神獣達は集中した様子で平均台を進んでいった。

 その結果、他の参加者達はもう全員先に行ってしまったが、何とか神獣達も平均台を渡り切る事ができた。


「わふー!」

「コンっ!」

「ク~」

「よくやったな、3人とも」


 渡り切った神獣達には周りの観客達から惜しみない歓声と拍手が送られ、神獣達はそれに嬉しそうな表情を浮かべつつ、再び玉乗り形式でコースを進んでいった。

 一方その頃。


「「うおおおおおっ!!」」

「おおっ! 凄いデットヒートだー!」


 このレースのコースの最後の直線に当たる部分で、リックとカインがデッドヒートを繰り広げていた。

 2人は現在、持っていたチーズを地面に置き、それを手押しする形で直線を進んでいる。

 これがこのコース最後の障害、チーズ押しで、普段しない四足歩行のような体勢、しかも重いチーズをその体勢で押さなければいけないという中々きつい動きを強いられるのだが、2人は一切止まらずにそのままゴールまで駆け抜けようとしていた。


「さぁ、ゴールまであと少し! どっちだ、どっちだー!?」

「「「わぁぁぁぁっ!」」」


 司会と観客達もそのデッドヒートに盛り上がる中、リックとカインはパッと見では分からないくらいの僅差でゴールラインを駆け抜けていった。


「ゴーーールっ!! 優勝はどっちだー!?」

「「はぁっ…… はぁっ……」」


 流石のリックとカインと言えど、ここまで休憩なしで進んだ事でかなり息を切らしながら地面に座り込んだ。

 そんな2人のゴールの瞬間を一番近くで見ていた審判は、2人に近づくと、カインの方の腕を取って上に上げた。


「優勝はそちらの少年だー! おめでとうーー!!」

「「「おぉぉぉっ!!」」」


 今回のチーズ運び大会未成人の部は、カインの優勝で決着し、観客達から大きな歓声が上がるのであった。
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