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連載
#349 家族として
グレースの実家に訪れたシュージは、こういう時のためにあらかじめ作って収納袋にしまっておいたお菓子を取り出し、それを周りにいたメイドや執事の人達にお皿に並べてもらった。
「まぁ、可愛らしいですわね」
そのお皿に載ったお菓子を見て、アーネスがまずそう声を漏らした。
「それに、もう既に砂糖とバターが焼けた良い匂いがしますわ。 シュージ様、こちらは?」
匂いや見た目から焼き菓子という事は分かるが、見たことのないお菓子に興味津々なアーネスがそうシュージに聞いてきた。
「こちらはマドレーヌというお菓子になります」
「マドレーヌ…… 初めて見聞きしましたわ。 早速食べてみても?」
「もちろんです」
どうやらアーネスも女性らしく甘いものには目がないようで、早速用意されたマドレーヌを上品に口に運んでいった。
それを見ていた隣に座るヒノスクも、同じようにマドレーヌを口に運ぶ。
「まぁっ……! これは、なんと美味しい……♡!」
「ほう! 正直私は甘味はそこまで好きでは無かったが、これはとても美味しいと感じるよ」
すると、アーネスもヒノスクも、マドレーヌのしっとりとした食感と、口に広がるバターの香りと上品な甘さに驚くと同時に、その美味しさに感嘆の声を漏らした。
「お父様、お母様、シュージさんはとっても凄い料理人なのですよ。 お名前を小耳に挟んだ事、ありませんか?」
「シュージ…… ああ、そういえば、チティを改良したピザや、近頃出回っている美味な料理のレシピを広めている料理人が、シュージという名前だった気がするが、もしかして本人なのか?」
「はい、そのシュージさんご本人です」
「おお、それはそれは! 不勉強で気付かず、申し訳ない」
「いえいえ。 僕はただのギルドの用務員で、料理が好きな一般人ですから」
「そう言うには色んなところに影響及ぼしすぎやけどね~」
カグラの言う通り、シュージの存在はもう、この世界に無くてはならないものになっている。
ただ、当の本人は特段頑張っているつもりも無ければ、自分が凄い人物だという実感もないので、この世界に来た時から変わらず気取らないスタンスを保っているのだ。
「この国では、ピザは馴染みやすくて浸透が早かったようですが、まだこういった少し手の込んだお菓子などは出回っていないそうですね」
「そうだな。 私達も初めて口にしたくらいだからね」
やはり馴染みがないものというのは、浸透するのにもそれなりに時間を要するもので、教国ではまだ気軽に甘いものが食べれたりはしない。
ただ、他でもないこの国のトップであるティナがシュージの料理の美味しさを知っているので、マドレーヌのような美味しい甘味が食べられるようになるのも、そう遠くない未来ではあるだろう。
「それと、こちらのお菓子には、ちょっとした意味があったりするんです」
「意味?」
「形が二枚貝のようなものに見えるところから、縁結びや円満な関係、もしくは関係の修復を願って贈るものという側面もあるんです」
「……! そう、なんだな……」
「シュージさん、それって……」
シュージのそんな言葉に、心当たりがありすぎるのか、ヒノスクとアーネスは少し気まずそうな表情を浮かべた。
「シュージ様は、私達の関係をご存知で……?」
「はい。 グレースさんに軽くお聞きしました。 とは言っても、僕から言える事はあまりありません。 家族の問題は家族で解決する方がやはり一番だと思いますし。 ただ……」
シュージはそこで一度言葉を区切り、ヒノスクとアーネス、そしてグレースに優しげな笑みを向け、言葉を続けていく。
「世の中何が起きるか分かりませんから、伝えたい事がもしあるならば、しっかりと伝えておくべきかと思います。 結局人間、言葉にしないと分からないことがほとんどですから」
「……シュージさん、ありがとうございます。 ……お父様、お母様」
そんなシュージの言葉に背中を押されたグレースは、改めてヒノスクとアーネスの方へ体を向けていった。
「私は、お父様とお母様の事を心から尊敬していますし、大切な家族だと思っています」
「そ、そうか……! 嬉しいよ、グレース」
「……ですが、私の婚約破棄があってからは、その気持ちに少し疑問を持ってしまったりもしました」
「……っ。 そう、よね…… 私達が勝手に婚約なんて結ぶから……」
アーネスはそう悲痛そうな面持ちで呟いた。
「そこじゃないのです、お母様」
「えっ……?」
だが、グレースはそんなアーネスの言葉を真っ直ぐ否定した。
「確かに、婚約破棄になった時はショックだったし、悲しみも覚えました。 ですが、私はその事についてお父様とお母様の事は欠片も恨んだりはしておりません」
「そ、そんなっ…… 私達は、貴女の華々しい青春の時代をほとんど全て奪ってしまったのにっ……」
「そうだっ。 あんな事になるくらいなら、私達はグレースをもっと自由にさせて、聖女、そして貴族令嬢としての幸せな生活をして欲しかったっ」
ヒノスクもアーネス同様、後悔を滲ませる表情でそう声を上げた。
「私は、幸せでしたよ?」
「「えっ……?」」
「婚約が決まり、婚約者の方を愛していこうとお茶会などをして言葉を交わした事も、お父様に嫁入りした後に行う領地経営のイロハを教わった事も、お母様と花嫁修行をした事も、大変な事もありましたが、とても充実した日々でした」
「グレースっ…… 貴女っ……」
「結果は残念な事になりましたが、幸い私の婚約者の方は家の汚職には無関係で、それについての心の底からの謝罪を受けましたから、わだかまりもありませんし、お父様やお母様に教わった事は、今の私を形作っている…… そして、今の私はとっても幸せな日々を送っています。 だから、お父様とお母様には感謝こそあれど、恨みなどは微塵も抱いておりませんから、私に負い目などは感じないでくださいな」
「グレース…… そうか…… そうかっ……! そんな風に、言ってくれるのだな……!」
ヒノスクは目に涙を溜めながら、まさに感無量といった感じでそう呟いた。
その横のアーネスは、もう隠しきれない程の涙を目から溢していた。
「伝えるのが遅くなってしまい、申し訳ありませんでした」
「ぐす…… いいのよっ…… 私達こそ、ごめんなさいねっ…… それと、ありがとうっ……! 愛してるわ、グレースっ……!」
「グレース、お前は私達の自慢の娘だっ……! 随分と時間はかかってしまったが、改めてまた家族としての思い出を作っていこうっ……!」
「はいっ……!」
そう涙を溢しながら言葉を紡ぎ、グレースの手を握ったヒノスクとアーネスに、グレースも嬉し涙をこぼしながら、誰もが見惚れてしまうような微笑みを浮かべて、両親の手を握り返すのであった。
※※※
こちらの方では伝え忘れていましたが、何か目標を立てなきゃいかんとふと思いつき、とりあえず毎日投稿を頑張ろうとなり、現在僕のもう一つの連載作品である「お人好し鍛冶師~」の方と1日交代で投稿をしております!
なので「お人好し鍛冶師~」の方もまだ読んだ事ない方は是非読んでみてください^ ^
「まぁ、可愛らしいですわね」
そのお皿に載ったお菓子を見て、アーネスがまずそう声を漏らした。
「それに、もう既に砂糖とバターが焼けた良い匂いがしますわ。 シュージ様、こちらは?」
匂いや見た目から焼き菓子という事は分かるが、見たことのないお菓子に興味津々なアーネスがそうシュージに聞いてきた。
「こちらはマドレーヌというお菓子になります」
「マドレーヌ…… 初めて見聞きしましたわ。 早速食べてみても?」
「もちろんです」
どうやらアーネスも女性らしく甘いものには目がないようで、早速用意されたマドレーヌを上品に口に運んでいった。
それを見ていた隣に座るヒノスクも、同じようにマドレーヌを口に運ぶ。
「まぁっ……! これは、なんと美味しい……♡!」
「ほう! 正直私は甘味はそこまで好きでは無かったが、これはとても美味しいと感じるよ」
すると、アーネスもヒノスクも、マドレーヌのしっとりとした食感と、口に広がるバターの香りと上品な甘さに驚くと同時に、その美味しさに感嘆の声を漏らした。
「お父様、お母様、シュージさんはとっても凄い料理人なのですよ。 お名前を小耳に挟んだ事、ありませんか?」
「シュージ…… ああ、そういえば、チティを改良したピザや、近頃出回っている美味な料理のレシピを広めている料理人が、シュージという名前だった気がするが、もしかして本人なのか?」
「はい、そのシュージさんご本人です」
「おお、それはそれは! 不勉強で気付かず、申し訳ない」
「いえいえ。 僕はただのギルドの用務員で、料理が好きな一般人ですから」
「そう言うには色んなところに影響及ぼしすぎやけどね~」
カグラの言う通り、シュージの存在はもう、この世界に無くてはならないものになっている。
ただ、当の本人は特段頑張っているつもりも無ければ、自分が凄い人物だという実感もないので、この世界に来た時から変わらず気取らないスタンスを保っているのだ。
「この国では、ピザは馴染みやすくて浸透が早かったようですが、まだこういった少し手の込んだお菓子などは出回っていないそうですね」
「そうだな。 私達も初めて口にしたくらいだからね」
やはり馴染みがないものというのは、浸透するのにもそれなりに時間を要するもので、教国ではまだ気軽に甘いものが食べれたりはしない。
ただ、他でもないこの国のトップであるティナがシュージの料理の美味しさを知っているので、マドレーヌのような美味しい甘味が食べられるようになるのも、そう遠くない未来ではあるだろう。
「それと、こちらのお菓子には、ちょっとした意味があったりするんです」
「意味?」
「形が二枚貝のようなものに見えるところから、縁結びや円満な関係、もしくは関係の修復を願って贈るものという側面もあるんです」
「……! そう、なんだな……」
「シュージさん、それって……」
シュージのそんな言葉に、心当たりがありすぎるのか、ヒノスクとアーネスは少し気まずそうな表情を浮かべた。
「シュージ様は、私達の関係をご存知で……?」
「はい。 グレースさんに軽くお聞きしました。 とは言っても、僕から言える事はあまりありません。 家族の問題は家族で解決する方がやはり一番だと思いますし。 ただ……」
シュージはそこで一度言葉を区切り、ヒノスクとアーネス、そしてグレースに優しげな笑みを向け、言葉を続けていく。
「世の中何が起きるか分かりませんから、伝えたい事がもしあるならば、しっかりと伝えておくべきかと思います。 結局人間、言葉にしないと分からないことがほとんどですから」
「……シュージさん、ありがとうございます。 ……お父様、お母様」
そんなシュージの言葉に背中を押されたグレースは、改めてヒノスクとアーネスの方へ体を向けていった。
「私は、お父様とお母様の事を心から尊敬していますし、大切な家族だと思っています」
「そ、そうか……! 嬉しいよ、グレース」
「……ですが、私の婚約破棄があってからは、その気持ちに少し疑問を持ってしまったりもしました」
「……っ。 そう、よね…… 私達が勝手に婚約なんて結ぶから……」
アーネスはそう悲痛そうな面持ちで呟いた。
「そこじゃないのです、お母様」
「えっ……?」
だが、グレースはそんなアーネスの言葉を真っ直ぐ否定した。
「確かに、婚約破棄になった時はショックだったし、悲しみも覚えました。 ですが、私はその事についてお父様とお母様の事は欠片も恨んだりはしておりません」
「そ、そんなっ…… 私達は、貴女の華々しい青春の時代をほとんど全て奪ってしまったのにっ……」
「そうだっ。 あんな事になるくらいなら、私達はグレースをもっと自由にさせて、聖女、そして貴族令嬢としての幸せな生活をして欲しかったっ」
ヒノスクもアーネス同様、後悔を滲ませる表情でそう声を上げた。
「私は、幸せでしたよ?」
「「えっ……?」」
「婚約が決まり、婚約者の方を愛していこうとお茶会などをして言葉を交わした事も、お父様に嫁入りした後に行う領地経営のイロハを教わった事も、お母様と花嫁修行をした事も、大変な事もありましたが、とても充実した日々でした」
「グレースっ…… 貴女っ……」
「結果は残念な事になりましたが、幸い私の婚約者の方は家の汚職には無関係で、それについての心の底からの謝罪を受けましたから、わだかまりもありませんし、お父様やお母様に教わった事は、今の私を形作っている…… そして、今の私はとっても幸せな日々を送っています。 だから、お父様とお母様には感謝こそあれど、恨みなどは微塵も抱いておりませんから、私に負い目などは感じないでくださいな」
「グレース…… そうか…… そうかっ……! そんな風に、言ってくれるのだな……!」
ヒノスクは目に涙を溜めながら、まさに感無量といった感じでそう呟いた。
その横のアーネスは、もう隠しきれない程の涙を目から溢していた。
「伝えるのが遅くなってしまい、申し訳ありませんでした」
「ぐす…… いいのよっ…… 私達こそ、ごめんなさいねっ…… それと、ありがとうっ……! 愛してるわ、グレースっ……!」
「グレース、お前は私達の自慢の娘だっ……! 随分と時間はかかってしまったが、改めてまた家族としての思い出を作っていこうっ……!」
「はいっ……!」
そう涙を溢しながら言葉を紡ぎ、グレースの手を握ったヒノスクとアーネスに、グレースも嬉し涙をこぼしながら、誰もが見惚れてしまうような微笑みを浮かべて、両親の手を握り返すのであった。
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