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連載
#353 獣人国の王都へ
「あっちぃな~……」
「確かに暑いですねぇ」
本日、シュージ、そして蒼天の風のメンバー達は、獣人国の王都を訪れていた。
メンバーとしては、ガル、シャロ、ピュイ、ネルの今回の訪問のきっかけとなった4人はもちろん、見習い組の3人にリリス、クリス、ライリー一家と、先日の教国訪問に行かなかった者達が全員来たので、なかなかの大所帯となっている。
そんなメンバー達と共に転移門を使って来た訳だが、教国とは打って変わって、かなり暑い。
湿度はそこまででないのが救いだが、それでも立っているだけで汗ばんでしまうくらいの気温をしていた。
「はぁ~、アンの体冷たーい!」
「本当ね」
「ち、ちょっと貴女達、流石に暑苦しいわよっ」
当然その暑さでは、ガル、シャロ、ピュイの獣人組はかなりバテてしまっており、シャロとピュイに関しては、氷魔法の冷たい魔力を体に纏わせているアンネリーゼに抱きついて暑さを凌いだりしていた。
「お、来たか」
すると、シュージ達のいる場所に何者かが近づいてきた。
「よっ、シュージ。 お、ジルバートにディアナもいるのか」
「アクセルさん、ご無沙汰してます」
その人物は、獣人国の王であるグディノスの弟で、Sランク冒険者のアクセルだった。
「わざわざお前が出迎えか」
「シュージはこの国からしても恩人だし、ジルバートにディアナだけでも俺レベルが出迎えたりするのは違和感ないだろ?」
同じSランク冒険者であるジルバートとアクセルはそれなりに付き合いがあるので、そのやり取りは気安いものだった。
「お! アクセル、今回こそは戦ろうよ!」
「残念だが無理だなー」
「えー、なんでよ?」
「お前達に依頼してる事で割と手一杯でな。 珍しく俺も忙しいし、戦いたいならその時嫌になる程戦わせてやるよ」
「強い相手と戦うのが楽しいんだけどなー。 ま、いっか」
同じくディアナともそんな風に気安いやり取りをしているのだが、今二人の話に出たように、今回の訪問はある依頼の解決も兼ねたものになっている。
「確か、魔物が大量発生するんでしたっけ?」
「そうそう。 まぁ、大量発生というか、縄張り争いだな。 この時期は王都周辺の草原に作物がよく育つんだが、それを目当てにバッファローとリノセロスが縄張り争いをするんだ」
シュージの質問に対して、アクセルがそう答えてくれた。
「で、その規模が過去類を見ない程になりそうだから、俺達にも依頼が来たんだな」
「丁度旅行しに来るってグディノスにシュージが連絡したから、渡りに船だったぜ」
そう、今回の訪問に当たって、この国の王であるグディノスに一報入れたのだが、今回の魔物の縄張り争いがかなりの規模…… それこそスタンピードレベルの規模になりそうだという事で、蒼天の風に対処に協力して欲しいという依頼がグディノス直々に送られてきたのだ。
「全部倒せばいいの!?」
「んー、ディアナとジルバートがいてくれるならできなくは無さそうだが、基本は王都方面に縄張り争いの余波が及ばないよう防衛って感じだな」
「スタンピードとは違い、野生の魔物だから、狩り尽くすのも良くないだろう」
「そうなんだよ。 バッファローもリノセロスもこの国の食糧ラインを支える魔物達だから、あんまり狩りまくってこの辺に近付いて来なくなるのも都合が悪いから、その辺は様子見つつだな」
どうやら今回の戦いは少し特殊な戦いになるようなので、蒼天の風のメンバーは前線に出つつ、どう戦うのかは現場の指揮官に任せる感じになる予定だ。
「ま、お前達がいてくれりゃ、万が一もないだろ。 頼りにしてるぜ。 縄張り争いは明日の昼頃から起こりそうだから、今日のところはゆっくり体休めたり、元気があったら観光してくれていいぜ」
との事で、アクセルの案内の下、蒼天の風の面々は今回泊まる宿に案内された。
そうして辿り着いたのは、高ランクの冒険者が使うような綺麗で立派な宿で、代金は全て王城の方で払うし、貸し切りとの事だ。
「涼しー! 教国に引き続き宿一つ貸し切りなんて、贅沢だねー!」
「シュージのおかげね」
「はは、ありがたいですねぇ」
「んじゃ、ゆっくりしてくれ」
ここまで案内してくれたアクセルは明日の戦いに向けての準備があるそうで、面倒そうにしつつこの場を後にした。
普段は自由に振る舞っているそうだが、なんだかんだでこの国のトラブルにはキチンと対応する辺り、アクセルもこの国の王族として国を想っているんだなと、内心シュージは感心していた。
「そうしたら、少し街を見て回りますか」
「はい! 私が案内します! 獣人組代表として、アンと一緒に!」
「えっ、なんで私?」
この国出身であるピュイが案内をすると名乗り出たが、何故かアンネリーゼの事も巻き込んでいった。
「冷え冷え魔法かけてー!」
「えぇ…… まぁ、私ともう一人くらいならかけられるけど」
「かけてくれないと体力使っちゃうからね! そうなると、明日にも響くし!」
「はいはい、分かったわよ」
という事で、シュージはピュイとアンネリーゼと一緒に王都を軽く見て回る事にした。
「確かに暑いですねぇ」
本日、シュージ、そして蒼天の風のメンバー達は、獣人国の王都を訪れていた。
メンバーとしては、ガル、シャロ、ピュイ、ネルの今回の訪問のきっかけとなった4人はもちろん、見習い組の3人にリリス、クリス、ライリー一家と、先日の教国訪問に行かなかった者達が全員来たので、なかなかの大所帯となっている。
そんなメンバー達と共に転移門を使って来た訳だが、教国とは打って変わって、かなり暑い。
湿度はそこまででないのが救いだが、それでも立っているだけで汗ばんでしまうくらいの気温をしていた。
「はぁ~、アンの体冷たーい!」
「本当ね」
「ち、ちょっと貴女達、流石に暑苦しいわよっ」
当然その暑さでは、ガル、シャロ、ピュイの獣人組はかなりバテてしまっており、シャロとピュイに関しては、氷魔法の冷たい魔力を体に纏わせているアンネリーゼに抱きついて暑さを凌いだりしていた。
「お、来たか」
すると、シュージ達のいる場所に何者かが近づいてきた。
「よっ、シュージ。 お、ジルバートにディアナもいるのか」
「アクセルさん、ご無沙汰してます」
その人物は、獣人国の王であるグディノスの弟で、Sランク冒険者のアクセルだった。
「わざわざお前が出迎えか」
「シュージはこの国からしても恩人だし、ジルバートにディアナだけでも俺レベルが出迎えたりするのは違和感ないだろ?」
同じSランク冒険者であるジルバートとアクセルはそれなりに付き合いがあるので、そのやり取りは気安いものだった。
「お! アクセル、今回こそは戦ろうよ!」
「残念だが無理だなー」
「えー、なんでよ?」
「お前達に依頼してる事で割と手一杯でな。 珍しく俺も忙しいし、戦いたいならその時嫌になる程戦わせてやるよ」
「強い相手と戦うのが楽しいんだけどなー。 ま、いっか」
同じくディアナともそんな風に気安いやり取りをしているのだが、今二人の話に出たように、今回の訪問はある依頼の解決も兼ねたものになっている。
「確か、魔物が大量発生するんでしたっけ?」
「そうそう。 まぁ、大量発生というか、縄張り争いだな。 この時期は王都周辺の草原に作物がよく育つんだが、それを目当てにバッファローとリノセロスが縄張り争いをするんだ」
シュージの質問に対して、アクセルがそう答えてくれた。
「で、その規模が過去類を見ない程になりそうだから、俺達にも依頼が来たんだな」
「丁度旅行しに来るってグディノスにシュージが連絡したから、渡りに船だったぜ」
そう、今回の訪問に当たって、この国の王であるグディノスに一報入れたのだが、今回の魔物の縄張り争いがかなりの規模…… それこそスタンピードレベルの規模になりそうだという事で、蒼天の風に対処に協力して欲しいという依頼がグディノス直々に送られてきたのだ。
「全部倒せばいいの!?」
「んー、ディアナとジルバートがいてくれるならできなくは無さそうだが、基本は王都方面に縄張り争いの余波が及ばないよう防衛って感じだな」
「スタンピードとは違い、野生の魔物だから、狩り尽くすのも良くないだろう」
「そうなんだよ。 バッファローもリノセロスもこの国の食糧ラインを支える魔物達だから、あんまり狩りまくってこの辺に近付いて来なくなるのも都合が悪いから、その辺は様子見つつだな」
どうやら今回の戦いは少し特殊な戦いになるようなので、蒼天の風のメンバーは前線に出つつ、どう戦うのかは現場の指揮官に任せる感じになる予定だ。
「ま、お前達がいてくれりゃ、万が一もないだろ。 頼りにしてるぜ。 縄張り争いは明日の昼頃から起こりそうだから、今日のところはゆっくり体休めたり、元気があったら観光してくれていいぜ」
との事で、アクセルの案内の下、蒼天の風の面々は今回泊まる宿に案内された。
そうして辿り着いたのは、高ランクの冒険者が使うような綺麗で立派な宿で、代金は全て王城の方で払うし、貸し切りとの事だ。
「涼しー! 教国に引き続き宿一つ貸し切りなんて、贅沢だねー!」
「シュージのおかげね」
「はは、ありがたいですねぇ」
「んじゃ、ゆっくりしてくれ」
ここまで案内してくれたアクセルは明日の戦いに向けての準備があるそうで、面倒そうにしつつこの場を後にした。
普段は自由に振る舞っているそうだが、なんだかんだでこの国のトラブルにはキチンと対応する辺り、アクセルもこの国の王族として国を想っているんだなと、内心シュージは感心していた。
「そうしたら、少し街を見て回りますか」
「はい! 私が案内します! 獣人組代表として、アンと一緒に!」
「えっ、なんで私?」
この国出身であるピュイが案内をすると名乗り出たが、何故かアンネリーゼの事も巻き込んでいった。
「冷え冷え魔法かけてー!」
「えぇ…… まぁ、私ともう一人くらいならかけられるけど」
「かけてくれないと体力使っちゃうからね! そうなると、明日にも響くし!」
「はいはい、分かったわよ」
という事で、シュージはピュイとアンネリーゼと一緒に王都を軽く見て回る事にした。
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