マッチョな料理人が送る、異世界のんびり生活。 強面、筋骨隆々、非常に強い。でもとっても優しい男が異世界でほのぼの暮らすお話

かむら

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連載

#102 会食の予定と街散策

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※#11で登場した商業ギルド長の名前をハンスからラヌンに変更致しました。


 ※※※


「ご無沙汰してます、シュージさん」

「こちらこそです、ラヌンさん」


 本日、シュージは商業ギルドを訪れていて、そこには商業ギルド長のラヌンと、ケットシー商会のマルゥとメルゥが既に揃っていた。

 とりあえず手紙で会って話がしたいと伝えられたので来たのだが、まだ要件は聞いていなかった。


「本日はシュージさんに少し頼み事をしたくてお呼びしました」

「ふむ、何でしょうか?」

「実は、2週間程先に各国の商業ギルド長や有名な商会が集まる場がありまして、そこでシュージさんに料理を振る舞って欲しいんです」

「シュージ君考案のレシピや商品は既に近くの国でも販売され始めてはいるんですけど、あんまり広まってないんですよー」

「そもそもレシピとか商品とかは宣伝しないと売れなくて、この国では製作者がシュージ君だともうネームバリューがあって売れるんですけど、他国にはそれが無くて埋もれちゃってるんですー」

「あー、商売の難しい所ですよね」

「我々としては非常に口惜しいのですが、他国の商業ギルドの方針に口を出したりふるのも難しいので、なら実際に食べて良さを知って貰えば良いんじゃないかと思いまして」

「なるほど。 僕としては構いませんよ。 作るものはそこまで気を衒ったりしなくても良さそうですし」

「そうですねー! シュージ君のレシピはどれも売れてますけど、その中でも売上がいいのはやっぱり誰でも作れて美味しいものなので、その時出すのもそういうので大丈夫ですー!」

「他の商人達にこれは売れると思わせるのが大事なのでー!」

「分かりました。 準備をしておきますね」

「ありがとうございますー!」


 それからシュージは当日どんな感じで食事を出すかや、調理や配膳の人員についての打ち合わせを行い、その場を後にした。


「ん、終わった?」

「ああ、ネルさん。 お待たせしました」


 そして、商業ギルドの入口まで戻ると、そこにはネルが待っていてくれていた。

 そもそも今回の話し合いをする前に、今日はネルに街を案内しようという約束をしていたのだ。

 話し合い自体はそこまでかからないと聞いていたので、シュージが話している間、ネルには商業ギルド内を散策してもらっていた。


「教国では見た事ないもの多くて面白かった。 ほとんどシュージが関わってるもの?」

「そうですね。 食材とかも僕が使い道をお教えしたものが結構あります」

「やっぱりシュージはすごい」

「はは、ありがとうございます」


 それから2人は商業ギルドを後にし、街をのんびりと歩き回っていく。


「何だか楽しそうですね、ネルさん」

「ん、教国にいた頃はあんまり外で遊ぶとかなかったから、新鮮。 巡業で外に出ることはあったけど、それも教会に立ち寄るくらいだし」

「そうなんですね?」

「一緒に行きたいような友達もいなかったし。 別に、他の聖女と仲が悪いとかいう訳じゃなかったけど、孤児上がりの筆頭聖女だったから、皆んなどう接していいか分からなくて、付かず離れずみたいな距離感だった」

「難しいですねぇ」

「でも、蒼天の風の人達はグイグイ来るから驚いた」

「皆んな良い人たちですよね。 僕もまだ入って間もないですが、あっという間に仲良くなれました」

「ん、とっても良い人。 少し不安もあったけど、杞憂だった」

「良かったですね。 ……あ、ここは服屋ですね」

「ちょっと見てもいい? 冒険者する時のインナーとか買いたい」

「もちろんですよ」


 シュージも利用している中々大きな服屋に立ち寄ると、店員達が快く出迎えてくれた。

 そんな店員に案内してもらい、2人は普段使いできそうな服のエリアにやってきた。


「んー、悩む」

「時間はいくらでもありますから、じっくり選んで大丈夫ですよ」

「ありがと」

「そういえば、武器とか防具はジンバさんやミノリさんが作ってくれるそうですね?」

「ん、そう」

「ネルさんは武器って何を使うんですか?」

「私は片手杖を両手に持って戦う」

「おお、かっこいいですね。 やっぱり魔法って杖があった方がいいんですか?」

「んー、無くても使えはするけど、杖があった方が安定するし、指向性とかを持たせやすいから、基本皆んな持つ事が多い」

「やっぱり魔法にも憧れますけど、大変そうですよねぇ」

「私も冒険者としての闘い方は勉強中。 巡業の時に魔物討伐はしたことあるけど、それとはまた別だろうから」

「頑張ってくださいね」

「ん、頑張る。 体術の勉強もしたいから、シュージにも色々教わりたい」

「もちろん良いですよ。 定期的に皆さんと手合わせしていますから」

「蒼天の風には先生がいっぱいいるから助かる。 魔法使いとしての戦闘はグレースやアン、カグラが教えてくれるし、キリカやシャロに女の子についての知識とかも教えてもらえるし」

「そう思うと、とてもいい環境ですよね」

「それに、同年代の同性と話す機会とかなかったから新鮮。 ……私はあんまり女らしくないから、付いていけない事も多いけど」

「そんなことありませんよ。 ネルさんだって可愛らしい女性だと僕は思います」

「そう?」

「はい。 そんな卑下する事ないかと」

「ん、嬉しい」

「お、こちらの商品は冒険者向きみたいですよ」

「確かに動きやすくて良さそう。 シュージはどれくらいの着るの?」

「僕のはこれぐらい大きくないとですねぇ」

「おー、私が3人くらい入れそう」


 それからシュージとネルは、のんびりと服屋で時間を過ごし、その後もヤタサの街をのんびりと歩き回るのであった。
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