マッチョな料理人が送る、異世界のんびり生活。 強面、筋骨隆々、非常に強い。でもとっても優しい男が異世界でほのぼの暮らすお話

かむら

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#174 もふもふ達の1日

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「ガァ」

「にゃ~」

「わふ?」


 その日、蒼天の風のギルドハウスの一角で、3匹のもふもふした者達が集まっていた。

 まず1匹は、このギルドの戦闘員であるゾラの従魔で、ジャイアントクロウのナイル。

 立場的にはこの中だと一番先輩にあたる。

 今も窓の縁に座って2匹の後輩達を見下ろすような形になっていた。

 そんな見下ろされている内の1匹であり、ナイルと同じくゾラの従魔で、ヒプノスキャットのミニャは、何で集まってるのか分からなそうな顔で、のびーっと体を伸ばしていた。

 彼女は先程まで陽のよく当たる場所で日向ぼっこをしながら昼寝をしていたのだが、ナイルに呼ばれてここに来ていた。

 そして、この中だと1番後輩に当たる神獣のコロは、何だか嬉しそうにしながらミニャとナイルのことを見ていた。

 というのも、コロにとってこの2匹はギルドメンバーとしてもそうだし、人と暮らす人じゃない生物として紛れもなく先輩にあたるので、とても尊敬しているのだ。


「ガァ」


 そんなコロに対し、ナイルは付いてこいと言わんばかりに背を向け、ゆっくり飛び始めた。

 コロとミニャはそんなナイルのすぐ後ろを歩いて付いていく。

 それから数分かけてナイルが飛んでいったのは、蒼天の風にある空き部屋の一つ。

 その扉をナイルは器用にドアノブに乗って開け、その部屋に置いてあるベッドの下を示した。


「ガァ」

「わふ?」


 見てみろと言われたコロは、ぺたんと地面に伏せてベッドの下を覗き込んだ。

 するとそこには、シュージの故郷である地球にもいた、名前すら呼びたくない人がいるくらいの害虫である、Gさんがいた。


「ガァ」

「にゃー」


 そして、見てろと言わんばかりにナイルはミニャに視線を飛ばすと、心得ているミニャは得意の催眠魔法を使ってGさんをベッドの下から誘い出した。


「ガァッ」
 

 そして、そのGさんをナイルは風魔法を使って浮かせると、空中で風の刃を使った小さなミキサーのようなものを発生させ、Gさんを粉々にしていった。


「にゃっ」


 そして仕上げに、その風のミキサーにミニャが火魔法で一瞬ボッと火をつけ、Gさんは跡形もなくこの世から消滅した。

 実はナイルとミニャはゾラに命じられて、定期的にこうしてギルド内にいるGさんなどの害虫を駆除しているのだ。

 それはゾラが虫…… 特にGさんが嫌いという理由もありつつ、他のギルドメンバーからしてもできれば自分では退治したく無いので、非常に助かっており、正しく一石二鳥なのだ。

 という事で今回、新たに後輩としてやってきたコロにもその仕事を手伝ってもらうべく、こうして害虫駆除の様子を見せてあげている。


「ガァ」

「わふわふ!」


 そしてナイルは、「この部屋にもう1匹いるから探してみろ」とコロに言ってきた。

 そんな先輩からの初任務を受けたコロは、張り切った様子でGさんを探し始めた。

 ベッドの下にはもういなさそうだったので、カーテンの裏やタンスの裏を覗き込んでみたが、いない。


「……! わふっ!」


 だが、先程微かに嗅いだGさんの匂いがクローゼットの方からして、コロはクローゼットの裏側を覗き込んだ。

 そこには、黒光りするGさんが潜んでいた。


「わふわふ!」

「ガァ」

「にゃ~」


 それをナイルに伝えると、ナイルとミニャは先程と同じ手順でGさんを退治した。


「わふぅ!」

「ガァ」


 ちゃんと見つけたよ! と嬉しそうな表情をするコロに、ナイルは羽でよしよしして労い、「自分達よりお前の方が鼻がきいて見つけるのが得意そうだから、今後も頼むぞ」と伝えた。

 そんな大先輩からのお褒めと信頼の言葉を受け、コロは嬉しそうに跳び回ると、それから1時間くらいかけてギルド内のGさんを全て殲滅していった。


「わふわふ!」

「ガァ」

「にゃ~」

「わふぅ~」


 そんなコロの活躍に、ナイルとミニャはよくやったとか、偉いね~と手放しでお褒めの言葉をかけてあげた。


「ガァ」

「わふ?」


 それから、再びナイルに付いてこいと言われ、コロ達がそれに付いていくと、蒼天の風の建物の最奥に位置する、基本誰も来ない物置に案内された。

 そこでナイルは真っ直ぐ天井の方に飛んでいき、そこにある板を頭で押してパカっと外した。

 そして、見た目は小さいが膂力は大きい時と変わらないので、コロの首根っこを足で掴んで持ち上げ、屋根裏に運んであげた。


「ガァ」

「わふ……!」


 そんな屋根裏部屋には、小さな毛布が敷かれた寝心地良さそうなベッドと、ほぼ暗闇だが関係なくキラキラと輝く、色んな色の綺麗な宝石が入れ物に入れられて飾られていた。


「ガァ」

「わふ!」


 実はこのナイルの秘密基地は、少し前までベッドと宝石が無造作に並べられているだけだったのだが、このギルドの用務員であるシュージが掃除中に偶然この場所を見つけて、折角ならと雑貨屋で宝石の入れ物を買ってきてくれたのだ。

 なので今はその入れ物を使って、綺麗に宝石が飾られている状態になっている。

 だからとても感謝してるとナイルはコロに伝えたところ、コロは大好きなシュージが尊敬する大先輩のナイルに感謝されているのが自分の事のように嬉しくて、その後もしばしナイル自慢の宝石達を眺めるのであった。


「にゃ~」

「わふ?」


 そんなナイルの秘密基地の紹介に引き続き、今度はミニャがコロの事を自分のお気に入りスポットに案内した。

 そこはギルドの3階にある、大きな天窓が付いているメンバー達の共有スペースで、「朝から昼過ぎにかけてここにはいい陽が入るんだよー」とコロに教えてあげていた。

 ちなみにここもシュージの手によって、ふかふかのタオルケットが絨毯のように敷かれていたりする。

 そして、今もいい感じに陽が入ってきており、試しにコロもそこに寝転がってみると、本当に丁度いい暖かさで、害虫駆除で沢山動き回ったことで疲れていたのか、たちまち眠くなってしまう。


「わふ……」

「にゃ~」

「ガァ」


 そんなコロを包み込むようにミニャも寝転がり、ナイルもミニャの体の上に乗って、3匹は揃ってお昼寝タイムに突入するのであった。

 なお、庭で遊ぼうと思ってミニャやナイルを探していたゾラがその3匹の姿を見つけ、慌てて異世界版のカメラである、風景保存の魔道具を持ってきて、3匹のことを撮りまくりながらその可愛さに悶える姿があったとか。

 
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