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#254 ピーマンの肉詰めと試作デザート
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「ふあ…… 久しぶりにこんなに他人と話した……」
「お疲れ様です、ルナさん」
クリスの診断もひと段落つき、今はルナにギルドの中を案内しているところだった。
ちなみに、ギルドの中の移動もルナは地に足は付けておらず、先程から乗っているもこもこベッドが、小さめのバランスボールくらいのサイズに変形し、その上に器用に寝転がりながら移動している。
「ルナさんは本当に寝るのが好きなんですねぇ」
「ん…… 睡眠は至高……」
「気持ちは分かります。 あ、そういえば、ルナさんってヴァンパイアだそうですが、昼間にも普通に活動できるんですね?」
シュージの中の常識だと、ヴァンパイアは太陽の光が弱点だった気がするが、ルナは普通に太陽の下で寝ていたりしている。
「私は特別…… 他のヴァンパイアは太陽の光浴びると体調悪くなるけど、私は先祖返りで始祖の血が濃いおかげで、その辺の弱点とか特にない……」
「凄いですね? 嫌いな食べ物とかも無いですか?」
「食べられないものは無いけど、野菜は嫌い……」
「おや、そうなんですね」
「煮込まれてたり、原型が無くなってたりすればまぁ食べれるけど、生野菜は無理……」
「ドレッシングとか使った事ないですか?」
「なにそれ……?」
「おや、ご存知ありませんでしたか。 最近、色々と発売されてる、サラダにかけるドレッシングという調味料がありまして。 これまで野菜が食べられなかった人も食べられるようになってるとよく聞きますよ」
「ふーん…… まぁ、挑戦してやってもいい……」
「はは、分かりました。 まぁ、好き嫌いは誰にでもあるので、挑戦して駄目そうなら無理に食べなくても良いと思いますよ」
食わず嫌いは勿体無いが、食べてみて嫌いだなと思ったものは別に食べなくてもいいと思っているシュージだ。
食事は美味しく楽しく食べるのが一番大事なことであり、無理して嫌いな食べ物を食べようとすると、満足度が著しく下がってしまうだろう。
「あ、それで、約束してた甘いものなんですけど、沢山用意するのはまた後日でいいですか? 折角なら豪勢にしたいですし、他の甘いもの好きな方も招きたいので」
「ん、いいよ……」
「ありがとうございます。 ただ、丁度試作している新作がありますので、この後のお昼ご飯のデザートとして一品お出ししますね」
「おー、楽しみ……」
その後、あらかたギルドの中の案内を終えたシュージは、昼食を作るべく厨房に向かった。
そんなシュージに、特に今はやる事もないルナも付いてきて、料理風景を見学する事にしたようだ。
「なに作るの……?」
「今日はこちらの合挽き肉とピーマンを使ってピーマンの肉詰めを作ろうかと」
「ピーマン…… 天敵……」
「おや、苦手ですか?」
「美味しくなくない……? 苦いだけ……」
「その苦味も個人的には好きですけどねぇ。 では、とりあえず作ってみるので、ちょっと食べてみてダメそうならルナさんの分はハンバーグ作りますね」
とりあえずチャレンジはしてみようということで、まずは中々に立派なサイズをしたピーマンを半分に切り、わたを掃除していく。
それから、袋にピーマンと小麦粉を入れ、よく振ってピーマンに小麦粉がしっかりとまとわり付くようにする。
それが済んだら、朝のうちに仕込んでおいた、玉ねぎ、合挽き肉、卵、パン粉、牛乳を合わせた肉だねを、隙間ができないようにピーマンにこんもりと盛り上がるくらい詰める。
しっかりとぎゅうぎゅうに詰め終えたら、油をひいたフライパンに肉の方を下にして入れ、オイスターソース、みりん、酒、水を加えて蓋をして蒸し焼きにしていく。
「匂いは美味しそう……」
「結構美味しいと思いますよ」
「でも、ピーマンでしょ……?」
「まぁ、そうなんですけどね」
匂いだけじゃ騙されないぞ、といった感じで焼けていくピーマンの肉詰めをじーっと見ているルナを横目に、シュージは付け合わせの味噌汁とキャベツの千切りも手早く用意していく。
「よし、いい感じですかね」
そうこうしていたら、いい感じにピーマンの肉詰めが焼き上がったので、シュージはそれを一口サイズに切り、小皿に載せてルナに渡した。
「どうぞ、ルナさん」
「ん…… あむ。 んん……? んー、普通に美味しいかも……」
「それは良かったです」
「ピーマンの風味もあるけど、別に嫌じゃない…… なんで……?」
「嫌いな食べ物って、その時食べた方法が悪かったっていうのが結構あるんですよね。 ピーマンはピーマンでも、あまり調理をせずに食べるのと、今回みたいにしっかり焼いて、美味しいタレを絡めてお肉と一緒に食べるのとでは食感も味も全然変わりますから」
「へー……」
「まぁ、もし僕の料理でこの味付けはあんま好きじゃないなとかあれば全然言ってもらって大丈夫ですよ」
「ん、分かった…… とりあえず、これは食べれそう……」
どうやらピーマンの肉詰めはちゃんと美味しく食べられるようで、その後に出された食事もルナはしっかり一人前完食していった。
「シュージって、結構凄い料理人……? こんなに美味しい食事、初めて……」
「ありがたい事に、僕の料理を喜んで食べてくれる人が多いですね」
「ん、こんなに美味しい食事が食べられると、よく眠れそう……」
「それは良かったです。 あ、それで、さっき言っていたデザートがこちらですね」
シュージはそう言うと、食事を終えたルナの前に、紅茶と新作のスイーツを並べていった。
「これなに……?」
「こちらはカヌレというスイーツですね。 試作したものなので、感想を聞かせてくれると嬉しいです」
「分かった…… あむ…… ん……! これ、凄く美味しい……! 外はパリッとしてるけど、中はもっちりしてて、不思議な食感…… 甘さもしっかりしてて、それになんだか、香りも良い……」
「香りに関してはバターとラム酒の香りですね」
「お酒をスイーツ作りに使うんだ……?」
「結構そういうものもあるんですよ。 ウイスキーとかラム酒は香りもいいですからね。 丁度先日、良いお酒が手に入ったので、作ってみました」
「凄く気に入った…… シュージが他に作る甘いものも、全部これくらい美味しいの……?」
「ルナさんがどれを気に入るかは分かりませんが、どれもカヌレに負けない出来だとは思いますよ」
「美味しいご飯も甘いものも、薬作りできる施設もある…… ここは天国……?」
「はは、自分が所属しているギルドをそうやって褒めてもらえると、嬉しいですねぇ」
「ん、久しぶりにやる気出てきた…… とりあえず、この満足感に浸りながらちょっと昼寝して、薬作りしてくる……」
「お、頑張ってください」
どうやらシュージの美味しい食事とデザートによって、気分屋なルナのやる気を引き出す事に成功したようで、この調子で頑張ってもらうべく、甘いもの作りに取り掛かっていくシュージなのであった。
「お疲れ様です、ルナさん」
クリスの診断もひと段落つき、今はルナにギルドの中を案内しているところだった。
ちなみに、ギルドの中の移動もルナは地に足は付けておらず、先程から乗っているもこもこベッドが、小さめのバランスボールくらいのサイズに変形し、その上に器用に寝転がりながら移動している。
「ルナさんは本当に寝るのが好きなんですねぇ」
「ん…… 睡眠は至高……」
「気持ちは分かります。 あ、そういえば、ルナさんってヴァンパイアだそうですが、昼間にも普通に活動できるんですね?」
シュージの中の常識だと、ヴァンパイアは太陽の光が弱点だった気がするが、ルナは普通に太陽の下で寝ていたりしている。
「私は特別…… 他のヴァンパイアは太陽の光浴びると体調悪くなるけど、私は先祖返りで始祖の血が濃いおかげで、その辺の弱点とか特にない……」
「凄いですね? 嫌いな食べ物とかも無いですか?」
「食べられないものは無いけど、野菜は嫌い……」
「おや、そうなんですね」
「煮込まれてたり、原型が無くなってたりすればまぁ食べれるけど、生野菜は無理……」
「ドレッシングとか使った事ないですか?」
「なにそれ……?」
「おや、ご存知ありませんでしたか。 最近、色々と発売されてる、サラダにかけるドレッシングという調味料がありまして。 これまで野菜が食べられなかった人も食べられるようになってるとよく聞きますよ」
「ふーん…… まぁ、挑戦してやってもいい……」
「はは、分かりました。 まぁ、好き嫌いは誰にでもあるので、挑戦して駄目そうなら無理に食べなくても良いと思いますよ」
食わず嫌いは勿体無いが、食べてみて嫌いだなと思ったものは別に食べなくてもいいと思っているシュージだ。
食事は美味しく楽しく食べるのが一番大事なことであり、無理して嫌いな食べ物を食べようとすると、満足度が著しく下がってしまうだろう。
「あ、それで、約束してた甘いものなんですけど、沢山用意するのはまた後日でいいですか? 折角なら豪勢にしたいですし、他の甘いもの好きな方も招きたいので」
「ん、いいよ……」
「ありがとうございます。 ただ、丁度試作している新作がありますので、この後のお昼ご飯のデザートとして一品お出ししますね」
「おー、楽しみ……」
その後、あらかたギルドの中の案内を終えたシュージは、昼食を作るべく厨房に向かった。
そんなシュージに、特に今はやる事もないルナも付いてきて、料理風景を見学する事にしたようだ。
「なに作るの……?」
「今日はこちらの合挽き肉とピーマンを使ってピーマンの肉詰めを作ろうかと」
「ピーマン…… 天敵……」
「おや、苦手ですか?」
「美味しくなくない……? 苦いだけ……」
「その苦味も個人的には好きですけどねぇ。 では、とりあえず作ってみるので、ちょっと食べてみてダメそうならルナさんの分はハンバーグ作りますね」
とりあえずチャレンジはしてみようということで、まずは中々に立派なサイズをしたピーマンを半分に切り、わたを掃除していく。
それから、袋にピーマンと小麦粉を入れ、よく振ってピーマンに小麦粉がしっかりとまとわり付くようにする。
それが済んだら、朝のうちに仕込んでおいた、玉ねぎ、合挽き肉、卵、パン粉、牛乳を合わせた肉だねを、隙間ができないようにピーマンにこんもりと盛り上がるくらい詰める。
しっかりとぎゅうぎゅうに詰め終えたら、油をひいたフライパンに肉の方を下にして入れ、オイスターソース、みりん、酒、水を加えて蓋をして蒸し焼きにしていく。
「匂いは美味しそう……」
「結構美味しいと思いますよ」
「でも、ピーマンでしょ……?」
「まぁ、そうなんですけどね」
匂いだけじゃ騙されないぞ、といった感じで焼けていくピーマンの肉詰めをじーっと見ているルナを横目に、シュージは付け合わせの味噌汁とキャベツの千切りも手早く用意していく。
「よし、いい感じですかね」
そうこうしていたら、いい感じにピーマンの肉詰めが焼き上がったので、シュージはそれを一口サイズに切り、小皿に載せてルナに渡した。
「どうぞ、ルナさん」
「ん…… あむ。 んん……? んー、普通に美味しいかも……」
「それは良かったです」
「ピーマンの風味もあるけど、別に嫌じゃない…… なんで……?」
「嫌いな食べ物って、その時食べた方法が悪かったっていうのが結構あるんですよね。 ピーマンはピーマンでも、あまり調理をせずに食べるのと、今回みたいにしっかり焼いて、美味しいタレを絡めてお肉と一緒に食べるのとでは食感も味も全然変わりますから」
「へー……」
「まぁ、もし僕の料理でこの味付けはあんま好きじゃないなとかあれば全然言ってもらって大丈夫ですよ」
「ん、分かった…… とりあえず、これは食べれそう……」
どうやらピーマンの肉詰めはちゃんと美味しく食べられるようで、その後に出された食事もルナはしっかり一人前完食していった。
「シュージって、結構凄い料理人……? こんなに美味しい食事、初めて……」
「ありがたい事に、僕の料理を喜んで食べてくれる人が多いですね」
「ん、こんなに美味しい食事が食べられると、よく眠れそう……」
「それは良かったです。 あ、それで、さっき言っていたデザートがこちらですね」
シュージはそう言うと、食事を終えたルナの前に、紅茶と新作のスイーツを並べていった。
「これなに……?」
「こちらはカヌレというスイーツですね。 試作したものなので、感想を聞かせてくれると嬉しいです」
「分かった…… あむ…… ん……! これ、凄く美味しい……! 外はパリッとしてるけど、中はもっちりしてて、不思議な食感…… 甘さもしっかりしてて、それになんだか、香りも良い……」
「香りに関してはバターとラム酒の香りですね」
「お酒をスイーツ作りに使うんだ……?」
「結構そういうものもあるんですよ。 ウイスキーとかラム酒は香りもいいですからね。 丁度先日、良いお酒が手に入ったので、作ってみました」
「凄く気に入った…… シュージが他に作る甘いものも、全部これくらい美味しいの……?」
「ルナさんがどれを気に入るかは分かりませんが、どれもカヌレに負けない出来だとは思いますよ」
「美味しいご飯も甘いものも、薬作りできる施設もある…… ここは天国……?」
「はは、自分が所属しているギルドをそうやって褒めてもらえると、嬉しいですねぇ」
「ん、久しぶりにやる気出てきた…… とりあえず、この満足感に浸りながらちょっと昼寝して、薬作りしてくる……」
「お、頑張ってください」
どうやらシュージの美味しい食事とデザートによって、気分屋なルナのやる気を引き出す事に成功したようで、この調子で頑張ってもらうべく、甘いもの作りに取り掛かっていくシュージなのであった。
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