マッチョな料理人が送る、異世界のんびり生活。 強面、筋骨隆々、非常に強い。でもとっても優しい男が異世界でほのぼの暮らすお話

かむら

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#266 皇家の面々をもてなす

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 ある日の昼下がり。

 シュージは今日も今日とて昼食作りをしており、今は大きな中華鍋を振ってチャーハンを呷っていた。

 そんなチャーハンが宙を舞う様はは一種のショーのようで、見ている者を感心させていた。


「見事だな」

「本当ですねー」

「はは、恐縮です」


 そんな風にまず賞賛の声をかけてきたのは、ヤタサの街があるシルムーン王国の隣国であるミルサント帝国皇帝のアレキサンドルと、その妃であるソーナだった。


「シュージさん凄いです!」

「大変そうです……」


 そして、その横には第二皇子のシリウスと第一皇女のネレリアもいた。

 というのも今日は、割とお馴染みになってきた、シュージの知り合いが食事を楽しみにやってくる日で、皇家の皆さんがお忍びでやってきているのだ。

 普通はこんな風に市井の場、しかも他国に訪れたりは中々できない立場だが、シルムーン王国の王であるグラハムがここ、ヤタサの街にシュージの料理を食べに来る場合は、面倒な手続きなどはしなくて良いという事にしてくれたので、こうして当たり前のように遊びに来てくれている。

 どこの国の王家も、中々こういう感じで羽を伸ばせる場所は無いので、こうしてシュージやグラハムが場所を提供してくれているのには非常に感謝をしていた。

 もちろん、万が一があってはいけないので、市民に紛れた騎士や隠密に長けた者達が街を見張っているので、安全面は何の問題もない。

 それと余談だが、そうして警護をしてくれている騎士の人達にも、シュージは毎度差し入れをしていたりする。

 手軽に摘めるクッキーや、大きな箱におにぎりやサンドイッチを詰めたりと形態は様々だが、そんな風に美味しい差し入れがもらえるので、護衛の人達も嬉々としてこの仕事をやってくれている。

 ただ、一応市井に紛れているはずなのに、何故かシュージにはバレてしまう事に騎士達はちょっと自信を無くしかけてしまっているのはご愛嬌だろう。

 まぁ、シュージはかなりの手練れなので、同じように鍛えている人が分かるというだけの話なのだが、騎士達の間ではシュージにバレないように市井に紛れようという謎のミニゲームも行われているとかいないとか。

 ちなみに大体護衛に来てくれている騎士は同じメンツなので、今度蒼天の風に招いて食事を振る舞おうかなとシュージは密かに計画中だ。


「それにしても、この街は良い街だな。 活気に溢れている」

「出店なども沢山出ていましたねー」

「最近は移住者も増えてきているそうですよ」

「シュージ殿のおかげだろうな。 この街に来るにあたって少しこの街について調べたが、何よりまず食事が美味しいと聞く」

「出店などでも、帝国では見たことのない食べ物が売られていたりしていましたねー」

「ありがたい事に、僕のレシピを取り入れてくれてるみたいです。 それに、人によってはアレンジなども加えていたりして、僕も新たな発見をさせてもらっています」

「シュージさんは寛容ですね? レシピを勝手に変えられちゃってもいいんですか?」

「もちろんです。 僕も思い付かないようなアレンジを加えて、新たな料理を作って貰えたら、むしろ嬉しいですね」


 確かにシュージはかなりの料理の知識を持ってはいるが、それでもまだまだ知らない美味しさはこの世界に沢山あるのだ。

 そういう新たな美味しさを追い求めたりしてくれる人が増えれば、この世界の食文化はどんどん発達していくだろう。


「よし、出来ました。 こちらがチャーハンセットになります」


 そんな風に皇家の者達と話していたら、今日の昼食が完成したので、場所をテーブルに移して出来上がった料理を並べていった。


「チャーハンというのは、このライスの事か?」

「そうです。 その横がもちもちした皮でお肉と野菜で作った肉だねを包んだ餃子と、コッコのお肉で作った唐揚げに千切りキャベツ、あとは卵スープですね。 お好きなものからどうぞ」


 今日用意した昼食は、チャーハンをメインに据え、その横に小さめの餃子3個と唐揚げ2つをセットとして加えたものとなっている。

 全部合わせるとかなりのボリュームなので、チャーハンの量をそれぞれの食事量に合わせて調節させてもらった。


「では、早速いただこう」


 アレキサンドルのその言葉で、皇家の面々は思い思いの料理に手をつけていった。


「まぁ、このチャーハン、とっても美味しいですー。 一粒一粒がしっかりしていますねー」

「んー! 唐揚げ美味しいです! 凄いジューシーで!」

「スープ美味しい…… ほっとする味がします……」

「ふむ、この餃子というもの、中々に美味だな。 ……少し酒が欲しくなる」


 結果、どの皿も皇家の面々の舌に合ったようで、かなりの勢いで食べ進めていってくれていた。


「シュージ殿の料理はやはり凄いな。 おかげさまで我が城の料理人達もかなり腕は上げたが、やはりどこか違う」

「僕は長年こういう料理を作ってきましたからね。 きっとお城の料理人の方々も腕は確かですから、そう遠くないうちに僕と変わらないものを作れると思いますよ」

「楽しみですねー」


 そんな帝国の未来についての話もしながら、とても美味しいシュージの料理を最後まで堪能する皇家の面々なのであった。
 
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