282 / 438
連載
#287-2 マフとコロと街探検②
しおりを挟む
市場での買い物を終えたシュージ達は、街の公園を訪れていた。
「今日はいい天気だなぁ」
「わふー」
「コンー」
シュージは現在、公園にあるベンチに座り、市場を歩き回った事で少し疲労が溜まった足を休めていた。
マフとコロもそんなシュージの足に体を引っ掛けるようにして、温かい日差しを堪能していた。
「そういえば、今度ソフィアさんが遊びに来るらしいぞ」
「わふ!」
「コン?」
「わふわふ」
「コンっ!?」
シュージがそう言うと、マフは「誰だっけ?」みたいな顔を浮かべたが、コロがソフィアについて教えると、思い出したようだ。
やはりマフも、今回こうして姿を現した前の記憶は無くなっているらしいが、ソフィアの事は記憶の片隅にはあったらしい。
「コロとマフにとってはお母さんみたいな存在だもんな」
「わふわふ!」
「コンコン!」
「それに、もう少し神獣について教えてもらいたいしな」
前回コロと一緒にソフィアに会いに行った時に色々と教えてもらったが、まだ神獣については分からないことだらけだ。
とりあえず、まだ他にもいるのかどうかは聞こうとシュージは思っている。
「ぇーん……」
「わふ?」
「コン?」
「うん?どうした2人とも」
そんな事を話しながらのんびりしていると、パッとコロとマフが体を起こし、耳をピンッと立てた。
「わふわふ」
「コンコン」
「ついてこいって?分かった」
どうやら気になることがあったようで、シュージは立ち上がって2匹の案内に従って歩き始めた。
「うぇーん……!」
「おや」
すると、公園の近くの通りの隅っこで、泣いている6歳くらいの少女がいた。
「わふぅ」
「ぐすっ…… え、ワンちゃん……?」
「君、大丈夫かい?」
「ひゃっ……!」
と、そんな少女にシュージが目線を合わせるようにしゃがみ込みながら声をかけたのだが、それでもちょっとシュージの風貌は怖かったようで、驚いた声を少女はあげた。
「コンコンっ!」
「わっ、きつねさんもいる……!」
だが、そんなシュージの首に巻き付くようにコロが来てくれたおかげで、怖さがかなり薄れたようだった。
「泣いていたようだったけど、どうしたんだい?」
「ママとはぐれちゃったの……」
「そうか。お母さんと最後に一緒にいたのはどこかな?」
「市場…… 待っててって言われて、でも、こっちの道に行ったことなくて、でも、どこか分かんなくなっちゃって……」
子供らしい辿々しい言葉から推測するに、どうやら知らない道に入ったら帰り道が分からなくなってしまったようだ。
「分かった。とりあえず、市場にまで一緒に行こうか」
「うん……」
「わふっ!」
「わっ……!えっと……?」
「はは、抱っこして欲しいって」
「わ、わかったっ。……こう?」
「わふー♪」
「わぁ…… もふもふ……♪」
コロは小さくて軽く、少女の腕でも余裕で抱っこできていた。
そんなコロのおかげで少女の不安も紛れたようなので、シュージは少女を連れて市場まで戻っていった。
「あっ、ママ!」
「ああっ!よかった……!全く、どこ行ってたんだい!?」
「あう……ご、ごめんなさいぃ……」
すると、丁度市場に差し掛かった辺りに焦った様子の少女の母親がおり、少女が駆け寄っていくと、安心した表情を浮かべた後、その少女の事を叱っていった。
「わ、わふぅ……」
その剣幕は少女の腕に抱えられたコロもビビってしまう程で、コロは何にも悪い事をしていないのだが、耳はへにょりと折り畳まれ、尻尾はくるんと内側に巻き込まれてしまう。
「まぁでも、私も目を離しちまったからね……ごめんよ」
「ママ…… ごめんなさい……」
「いいんだよ。無事でよかった。……って、アンタそれ、なに持ってるんだい?」
「わふっ」
「あ、どうもこんにちは」
それからシュージも合流し、迷子になっていた少女をここに連れて来たと説明したら、母親にはめちゃくちゃ感謝をされた。
そして、お別れする事になったのだが……
「コロちゃん…… マフちゃん……」
少女はコロとマフと別れたくないらしく、ちょっと涙目になってしまった。
「わふわふ!」
「コンコン!」
「多分、結構な頻度でまたこの辺りに来ますから、きっと会えますよ」
「……そっか!」
シュージがそう言うと、少女はちょっと名残惜しそうにはしてたものの、最後には聞き分けてくれ、マフとコロを存分になでなでしてから母親と共にこの場を去っていった。
「僕達も帰ろうか」
「わふっ!」
「コンっ!」
そんな親子を見送ったシュージ達も、蒼天の風へと帰るために歩き出すのであった。
「今日はいい天気だなぁ」
「わふー」
「コンー」
シュージは現在、公園にあるベンチに座り、市場を歩き回った事で少し疲労が溜まった足を休めていた。
マフとコロもそんなシュージの足に体を引っ掛けるようにして、温かい日差しを堪能していた。
「そういえば、今度ソフィアさんが遊びに来るらしいぞ」
「わふ!」
「コン?」
「わふわふ」
「コンっ!?」
シュージがそう言うと、マフは「誰だっけ?」みたいな顔を浮かべたが、コロがソフィアについて教えると、思い出したようだ。
やはりマフも、今回こうして姿を現した前の記憶は無くなっているらしいが、ソフィアの事は記憶の片隅にはあったらしい。
「コロとマフにとってはお母さんみたいな存在だもんな」
「わふわふ!」
「コンコン!」
「それに、もう少し神獣について教えてもらいたいしな」
前回コロと一緒にソフィアに会いに行った時に色々と教えてもらったが、まだ神獣については分からないことだらけだ。
とりあえず、まだ他にもいるのかどうかは聞こうとシュージは思っている。
「ぇーん……」
「わふ?」
「コン?」
「うん?どうした2人とも」
そんな事を話しながらのんびりしていると、パッとコロとマフが体を起こし、耳をピンッと立てた。
「わふわふ」
「コンコン」
「ついてこいって?分かった」
どうやら気になることがあったようで、シュージは立ち上がって2匹の案内に従って歩き始めた。
「うぇーん……!」
「おや」
すると、公園の近くの通りの隅っこで、泣いている6歳くらいの少女がいた。
「わふぅ」
「ぐすっ…… え、ワンちゃん……?」
「君、大丈夫かい?」
「ひゃっ……!」
と、そんな少女にシュージが目線を合わせるようにしゃがみ込みながら声をかけたのだが、それでもちょっとシュージの風貌は怖かったようで、驚いた声を少女はあげた。
「コンコンっ!」
「わっ、きつねさんもいる……!」
だが、そんなシュージの首に巻き付くようにコロが来てくれたおかげで、怖さがかなり薄れたようだった。
「泣いていたようだったけど、どうしたんだい?」
「ママとはぐれちゃったの……」
「そうか。お母さんと最後に一緒にいたのはどこかな?」
「市場…… 待っててって言われて、でも、こっちの道に行ったことなくて、でも、どこか分かんなくなっちゃって……」
子供らしい辿々しい言葉から推測するに、どうやら知らない道に入ったら帰り道が分からなくなってしまったようだ。
「分かった。とりあえず、市場にまで一緒に行こうか」
「うん……」
「わふっ!」
「わっ……!えっと……?」
「はは、抱っこして欲しいって」
「わ、わかったっ。……こう?」
「わふー♪」
「わぁ…… もふもふ……♪」
コロは小さくて軽く、少女の腕でも余裕で抱っこできていた。
そんなコロのおかげで少女の不安も紛れたようなので、シュージは少女を連れて市場まで戻っていった。
「あっ、ママ!」
「ああっ!よかった……!全く、どこ行ってたんだい!?」
「あう……ご、ごめんなさいぃ……」
すると、丁度市場に差し掛かった辺りに焦った様子の少女の母親がおり、少女が駆け寄っていくと、安心した表情を浮かべた後、その少女の事を叱っていった。
「わ、わふぅ……」
その剣幕は少女の腕に抱えられたコロもビビってしまう程で、コロは何にも悪い事をしていないのだが、耳はへにょりと折り畳まれ、尻尾はくるんと内側に巻き込まれてしまう。
「まぁでも、私も目を離しちまったからね……ごめんよ」
「ママ…… ごめんなさい……」
「いいんだよ。無事でよかった。……って、アンタそれ、なに持ってるんだい?」
「わふっ」
「あ、どうもこんにちは」
それからシュージも合流し、迷子になっていた少女をここに連れて来たと説明したら、母親にはめちゃくちゃ感謝をされた。
そして、お別れする事になったのだが……
「コロちゃん…… マフちゃん……」
少女はコロとマフと別れたくないらしく、ちょっと涙目になってしまった。
「わふわふ!」
「コンコン!」
「多分、結構な頻度でまたこの辺りに来ますから、きっと会えますよ」
「……そっか!」
シュージがそう言うと、少女はちょっと名残惜しそうにはしてたものの、最後には聞き分けてくれ、マフとコロを存分になでなでしてから母親と共にこの場を去っていった。
「僕達も帰ろうか」
「わふっ!」
「コンっ!」
そんな親子を見送ったシュージ達も、蒼天の風へと帰るために歩き出すのであった。
993
あなたにおすすめの小説
隠れ居酒屋・越境庵~異世界転移した頑固料理人の物語~
呑兵衛和尚
ファンタジー
調理師・宇堂優也。
彼は、交通事故に巻き込まれて異世界へと旅立った。
彼が異世界に向かった理由、それは『運命の女神の干渉外で起きた事故』に巻き込まれたから。
神々でも判らない事故に巻き込まれ、死亡したという事で、優也は『異世界で第二の人生』を送ることが許された。
そして、仕事にまつわるいくつかのチート能力を得た優也は、異世界でも天職である料理に身をやつすことになるのだが。
始めてみる食材、初めて味わう異世界の味。
そこは、優也にとっては、まさに天国ともいえる世界であった。
そして様々な食材や人々と出会い、この異世界でのライフスタイルを謳歌し始めるのであった。
※【隠れ居酒屋・越境庵】は隔週更新です。
異世界に召喚されたけど、戦えないので牧場経営します~勝手に集まってくる動物達が、みんな普通じゃないんだけど!?~
黒蓬
ファンタジー
白石悠真は、ある日突然異世界へ召喚される。しかし、特別なスキルとして授かったのは「牧場経営」。戦えない彼は、与えられた土地で牧場を経営し、食料面での貢献を望まれる。ところが、彼の牧場には不思議な動物たちが次々と集まってきて――!? 異世界でのんびり牧場ライフ、始まります!
異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました
雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。
気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。
剣も魔法も使えないユウにできるのは、
子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。
……のはずが、なぜか料理や家事といった
日常のことだけが、やたらとうまくいく。
無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。
個性豊かな子供たちに囲まれて、
ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。
やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、
孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。
戦わない、争わない。
ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。
ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、
やさしい異世界孤児院ファンタジー。
異世界召喚された俺の料理が美味すぎて魔王軍が侵略やめた件
さかーん
ファンタジー
魔王様、世界征服より晩ご飯ですよ!
食品メーカー勤務の平凡な社会人・橘陽人(たちばな はると)は、ある日突然異世界に召喚されてしまった。剣も魔法もない陽人が頼れるのは唯一の特技――料理の腕だけ。
侵略の真っ最中だった魔王ゼファーとその部下たちに、試しに料理を振る舞ったところ、まさかの大絶賛。
「なにこれ美味い!」「もう戦争どころじゃない!」
気づけば魔王軍は侵略作戦を完全放棄。陽人の料理に夢中になり、次々と餌付けされてしまった。
いつの間にか『魔王専属料理人』として雇われてしまった陽人は、料理の腕一本で人間世界と魔族の架け橋となってしまう――。
料理と異世界が織りなす、ほのぼのグルメ・ファンタジー開幕!
惣菜パン無双 〜固いパンしかない異世界で美味しいパンを作りたい〜
甲殻類パエリア
ファンタジー
どこにでもいる普通のサラリーマンだった深海玲司は仕事帰りに雷に打たれて命を落とし、異世界に転生してしまう。
秀でた能力もなく前世と同じ平凡な男、「レイ」としてのんびり生きるつもりが、彼には一つだけ我慢ならないことがあった。
——パンである。
異世界のパンは固くて味気のない、スープに浸さなければ食べられないものばかりで、それを主食として食べなければならない生活にうんざりしていた。
というのも、レイの前世は平凡ながら無類のパン好きだったのである。パン好きと言っても高級なパンを買って食べるわけではなく、さまざまな「菓子パン」や「惣菜パン」を自ら作り上げ、一人ひっそりとそれを食べることが至上の喜びだったのである。
そんな前世を持つレイが固くて味気ないパンしかない世界に耐えられるはずもなく、美味しいパンを求めて生まれ育った村から旅立つことに——。
『異世界ごはん、はじめました!』 ~料理研究家は転生先でも胃袋から世界を救う~
チャチャ
ファンタジー
味のない異世界に転生したのは、料理研究家の 私!?
魔法効果つきの“ごはん”で人を癒やし、王子を 虜に、ついには王宮キッチンまで!
心と身体を温める“スキル付き料理が、世界を 変えていく--
美味しい笑顔があふれる、異世界グルメファン タジー!
五十一歳、森の中で家族を作る ~異世界で始める職人ライフ~
よっしぃ
ファンタジー
【ホットランキング1位達成!皆さまのおかげです】
多くの応援、本当にありがとうございます!
職人一筋、五十一歳――現場に出て働き続けた工務店の親方・昭雄(アキオ)は、作業中の地震に巻き込まれ、目覚めたらそこは見知らぬ森の中だった。
持ち物は、現場仕事で鍛えた知恵と経験、そして人や自然を不思議と「調和」させる力だけ。
偶然助けたのは、戦火に追われた五人の子供たち。
「この子たちを見捨てられるか」――そうして始まった、ゼロからの異世界スローライフ。
草木で屋根を組み、石でかまどを作り、土器を焼く。やがて薬師のエルフや、獣人の少女、訳ありの元王女たちも仲間に加わり、アキオの暮らしは「町」と呼べるほどに広がっていく。
頼れる父であり、愛される夫であり、誰かのために動ける男――
年齢なんて関係ない。
五十路の職人が“家族”と共に未来を切り拓く、愛と癒しの異世界共同体ファンタジー!
ネグレクトされていた四歳の末娘は、前世の経理知識で実家の横領を見抜き追放されました。これからはもふもふ聖獣と美食巡りの旅に出ます。
旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
アークライト子爵家の四歳の末娘リリアは、家族から存在しないものとして扱われていた。食事は厨房の残飯、衣服は兄姉のお下がりを更に継ぎ接ぎしたもの。冷たい床で眠る日々の中、彼女は高熱を出したことをきっかけに前世の記憶を取り戻す。
前世の彼女は、ブラック企業で過労死した経理担当のOLだった。
ある日、父の書斎に忍び込んだリリアは、ずさんな管理の家計簿を発見する。前世の知識でそれを読み解くと、父による悪質な横領と、家の財産がすでに破綻寸前であることが判明した。
「この家は、もうすぐ潰れます」
家族会議の場で、リリアはたった四歳とは思えぬ明瞭な口調で破産の事実を突きつける。激昂した父に「疫病神め!」と罵られ家を追い出されたリリアだったが、それは彼女の望むところだった。
手切れ金代わりの銅貨数枚を握りしめ、自由を手に入れたリリア。これからは誰にも縛られず、前世で夢見た美味しいものをたくさん食べる生活を目指す。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。