322 / 438
連載
#302-1 アンネリーゼの誕生日①
しおりを挟む
本日の蒼天の風では、あるメンバーの誕生日を祝うため、食堂の飾り付けや豪勢な料理の準備が行われていた。
「何だか彩り豊かですね」
「そうですねぇ」
いつものように料理の手伝いをしてくれているハンスが言う通り、今日用意されている料理は、メインが洋食な事もあってかなり華やかな料理が多かった。
「お酒も用意しませんとね」
「そっか、今回20歳になるんでしたっけ」
そう、本日の主役は、今日でめでたく20歳を迎えたアンネリーゼだった。
随分と大人びている印象を与えてくるアンネリーゼだが、実のところ昨日までは10代で、まだまだ少女と言っていい年齢ではある。
ただ、元貴族なだけあって立ち振る舞いはもう大人のそれだし、実力も魔法に関しては蒼天の風に所属している者の中では間違いなく一番と言って良いぐらいなので、あんまり少女という印象は抱かせてはくれない。
まぁ、シュージや他のメンバーに褒められると、もにょもにょと顔を緩ませて嬉しそうにしてくれるなんて事もちょくちょくあり、その時に皆、アンネリーゼはまだまだ可愛らしい少女だなと再認識させられたりする。
「よし、大体できましたから、盛り付けていきましょう」
そんなアンネリーゼがリクエストした料理は、パスタ。
彼女はシュージが作ってくれる色んなパスタに魅入られているらしく、シュージが今回の誕生日会を開くに当たって、アンネリーゼに食べたいものがないか聞いた時には、即答でパスタと答えてくれた。
なので、今日はかなりの量と種類のパスタがメインとして用意されていた。
カルボナーラにナポリタン、たらこスパゲッティなど、パスタだけで10種類ぐらいはあるので、盛り付けにもちょっとした工夫をして、他の一品料理も手軽に取り分けられるように大皿に盛り付けていく。
そうして盛り付けられた料理が食堂のテーブルに並べ終わる頃に、外にキリカと一緒に遊びに行っていたアンネリーゼが戻ってきた。
「まぁ、とっても豪華ね」
そんな自分のために用意された料理を見て、アンネリーゼは嬉しそうな笑顔を見せると、いつもの主役が被るとんがり帽子を被せられ、飲みやすいマスカットがアンネリーゼのグラスに注がれていった。
「アンネリーゼ、20歳の誕生日おめでとう。お前はまだ若いのにギルドの中でもかなり活躍をしてくれて助かっている。ただ、無理はせず、今後も自分のペースで頑張ってくれればいい」
「ありがとう、ギルマス。そうしたら、これからは程々に頑張るわ」
アンネリーゼはシュージが来る前はどこか余裕がなく、かなりハイペースで仕事をこなしている時期もあったそうで、頑張り過ぎだと周りから止められる事もあったとか。
ただ、最近は少し心に余裕ができたのか、前ほど仕事をこなし続けることはしなくなったし、物腰もどこか柔らかくなった。
シュージ本人は否定するだろうが、これはシュージの食事や日々のサポートあっての事だと、メンバー達、そしてアンネリーゼ本人も気付いていた。
「それでは、乾杯!」
そんなアンネリーゼを祝う誕生日会がジルバートの音頭で始まり、皆んな隣の人とグラスを突き合わせていった。
「何だか彩り豊かですね」
「そうですねぇ」
いつものように料理の手伝いをしてくれているハンスが言う通り、今日用意されている料理は、メインが洋食な事もあってかなり華やかな料理が多かった。
「お酒も用意しませんとね」
「そっか、今回20歳になるんでしたっけ」
そう、本日の主役は、今日でめでたく20歳を迎えたアンネリーゼだった。
随分と大人びている印象を与えてくるアンネリーゼだが、実のところ昨日までは10代で、まだまだ少女と言っていい年齢ではある。
ただ、元貴族なだけあって立ち振る舞いはもう大人のそれだし、実力も魔法に関しては蒼天の風に所属している者の中では間違いなく一番と言って良いぐらいなので、あんまり少女という印象は抱かせてはくれない。
まぁ、シュージや他のメンバーに褒められると、もにょもにょと顔を緩ませて嬉しそうにしてくれるなんて事もちょくちょくあり、その時に皆、アンネリーゼはまだまだ可愛らしい少女だなと再認識させられたりする。
「よし、大体できましたから、盛り付けていきましょう」
そんなアンネリーゼがリクエストした料理は、パスタ。
彼女はシュージが作ってくれる色んなパスタに魅入られているらしく、シュージが今回の誕生日会を開くに当たって、アンネリーゼに食べたいものがないか聞いた時には、即答でパスタと答えてくれた。
なので、今日はかなりの量と種類のパスタがメインとして用意されていた。
カルボナーラにナポリタン、たらこスパゲッティなど、パスタだけで10種類ぐらいはあるので、盛り付けにもちょっとした工夫をして、他の一品料理も手軽に取り分けられるように大皿に盛り付けていく。
そうして盛り付けられた料理が食堂のテーブルに並べ終わる頃に、外にキリカと一緒に遊びに行っていたアンネリーゼが戻ってきた。
「まぁ、とっても豪華ね」
そんな自分のために用意された料理を見て、アンネリーゼは嬉しそうな笑顔を見せると、いつもの主役が被るとんがり帽子を被せられ、飲みやすいマスカットがアンネリーゼのグラスに注がれていった。
「アンネリーゼ、20歳の誕生日おめでとう。お前はまだ若いのにギルドの中でもかなり活躍をしてくれて助かっている。ただ、無理はせず、今後も自分のペースで頑張ってくれればいい」
「ありがとう、ギルマス。そうしたら、これからは程々に頑張るわ」
アンネリーゼはシュージが来る前はどこか余裕がなく、かなりハイペースで仕事をこなしている時期もあったそうで、頑張り過ぎだと周りから止められる事もあったとか。
ただ、最近は少し心に余裕ができたのか、前ほど仕事をこなし続けることはしなくなったし、物腰もどこか柔らかくなった。
シュージ本人は否定するだろうが、これはシュージの食事や日々のサポートあっての事だと、メンバー達、そしてアンネリーゼ本人も気付いていた。
「それでは、乾杯!」
そんなアンネリーゼを祝う誕生日会がジルバートの音頭で始まり、皆んな隣の人とグラスを突き合わせていった。
851
あなたにおすすめの小説
隠れ居酒屋・越境庵~異世界転移した頑固料理人の物語~
呑兵衛和尚
ファンタジー
調理師・宇堂優也。
彼は、交通事故に巻き込まれて異世界へと旅立った。
彼が異世界に向かった理由、それは『運命の女神の干渉外で起きた事故』に巻き込まれたから。
神々でも判らない事故に巻き込まれ、死亡したという事で、優也は『異世界で第二の人生』を送ることが許された。
そして、仕事にまつわるいくつかのチート能力を得た優也は、異世界でも天職である料理に身をやつすことになるのだが。
始めてみる食材、初めて味わう異世界の味。
そこは、優也にとっては、まさに天国ともいえる世界であった。
そして様々な食材や人々と出会い、この異世界でのライフスタイルを謳歌し始めるのであった。
※【隠れ居酒屋・越境庵】は隔週更新です。
『異世界ごはん、はじめました!』 ~料理研究家は転生先でも胃袋から世界を救う~
チャチャ
ファンタジー
味のない異世界に転生したのは、料理研究家の 私!?
魔法効果つきの“ごはん”で人を癒やし、王子を 虜に、ついには王宮キッチンまで!
心と身体を温める“スキル付き料理が、世界を 変えていく--
美味しい笑顔があふれる、異世界グルメファン タジー!
底辺から始まった俺の異世界冒険物語!
ちかっぱ雪比呂
ファンタジー
40歳の真島光流(ましまみつる)は、ある日突然、他数人とともに異世界に召喚された。
しかし、彼自身は勇者召喚に巻き込まれた一般人にすぎず、ステータスも低かったため、利用価値がないと判断され、追放されてしまう。
おまけに、道を歩いているとチンピラに身ぐるみを剥がされる始末。いきなり異世界で路頭に迷う彼だったが、路上生活をしているらしき男、シオンと出会ったことで、少しだけ道が開けた。
漁れる残飯、眠れる舗道、そして裏ギルドで受けられる雑用仕事など――生きていく方法を、教えてくれたのだ。
この世界では『ミーツ』と名乗ることにし、安い賃金ながらも洗濯などの雑用をこなしていくうちに、金が貯まり余裕も生まれてきた。その頃、ミーツは気付く。自分の使っている魔法が、非常識なほどチートなことに――
異世界召喚された俺の料理が美味すぎて魔王軍が侵略やめた件
さかーん
ファンタジー
魔王様、世界征服より晩ご飯ですよ!
食品メーカー勤務の平凡な社会人・橘陽人(たちばな はると)は、ある日突然異世界に召喚されてしまった。剣も魔法もない陽人が頼れるのは唯一の特技――料理の腕だけ。
侵略の真っ最中だった魔王ゼファーとその部下たちに、試しに料理を振る舞ったところ、まさかの大絶賛。
「なにこれ美味い!」「もう戦争どころじゃない!」
気づけば魔王軍は侵略作戦を完全放棄。陽人の料理に夢中になり、次々と餌付けされてしまった。
いつの間にか『魔王専属料理人』として雇われてしまった陽人は、料理の腕一本で人間世界と魔族の架け橋となってしまう――。
料理と異世界が織りなす、ほのぼのグルメ・ファンタジー開幕!
異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました
雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。
気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。
剣も魔法も使えないユウにできるのは、
子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。
……のはずが、なぜか料理や家事といった
日常のことだけが、やたらとうまくいく。
無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。
個性豊かな子供たちに囲まれて、
ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。
やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、
孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。
戦わない、争わない。
ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。
ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、
やさしい異世界孤児院ファンタジー。
異世界に召喚されたけど、戦えないので牧場経営します~勝手に集まってくる動物達が、みんな普通じゃないんだけど!?~
黒蓬
ファンタジー
白石悠真は、ある日突然異世界へ召喚される。しかし、特別なスキルとして授かったのは「牧場経営」。戦えない彼は、与えられた土地で牧場を経営し、食料面での貢献を望まれる。ところが、彼の牧場には不思議な動物たちが次々と集まってきて――!? 異世界でのんびり牧場ライフ、始まります!
異世界で大往生した私、現代日本に帰還して中学生からやり直す。~最強の補助魔法で、冴えないおっさんと最強美女を操って大金持ちになります~
タカノ
ファンタジー
異世界へ転移し、聖女として崇められ、愛する家族に囲まれて88歳で大往生した……はずだった。 目が覚めると、そこは現代日本。 孤児の中学2年生、小金沢ヒナ(14)に戻っていた。
時間は1秒も進んでおらず、待っていたのは明日のご飯にも困る極貧生活。 けれど、ヒナの中身は酸いも甘いも噛み分けたおばあちゃん(88歳)のまま!
「もう一度、あの豊かで安らかな老後(スローライフ)を手に入れてみせる!」
ヒナは決意する。異世界で極めた国宝級の【補助魔法】と【回復魔法】をフル活用して、現代社会で大金を稼ぐことを。 ただし、魔法は自分自身には使えないし、中学生が目立つと色々面倒くさい。 そこでヒナがビジネスパートナー(手駒)に選んだのは――
公園で絶望していた「リストラされた冴えないおっさん」と、 借金取りに追われる「ワケあり最強美女」!?
おっさんを裏から魔法で強化して『カリスマ社長』に仕立て上げ、 美女をフルバフで『人間兵器』に変えてトラブルを物理的に粉砕。 表向きはニコニコ笑う美少女中学生、裏では彼らを操るフィクサー。
「さあ善さん、リオちゃん。稼ぎますよ。すべては私の平穏な老後のために!」
精神年齢おばあちゃんの少女が、金と魔法と年の功で無双する、痛快マネー・コメディ開幕!
スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。