マッチョな料理人が送る、異世界のんびり生活。 強面、筋骨隆々、非常に強い。でもとっても優しい男が異世界でほのぼの暮らすお話

かむら

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#303-2 またまた沿海州へ②

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「ん?」

「どうした、ガル?」

「ギルマス、馬車止めてくれ」


 沿海州までの道のりを3分の2くらい消化し、今日の夜には着こうかというタイミングで、先頭の馬車に乗っていたガルがそうジルバートに言ってきた。


「魔物か?」

「多分。それも結構数いるぜ」


 どうやら、獣人の鋭敏な聴覚や嗅覚で、辺りの魔物の気配を感じ取ったようだ。

 それを受けたジルバートは、馬車の窓から後続の馬車に、馬車を止める事と、敵が現れた事を示すハンドサインを送った。

 それを受けた後ろの馬車も止まり、戦闘員達は武装してすぐに馬車から降りていった。


「俺達も!」

「あまり前に出ちゃダメですよ」

「分かってる!」


 そんな中、3台ある内の真ん中の馬車に乗っていたシュージ達も馬車から降りた。

 もちろん、こういう魔物などが出た場合の打ち合わせもしているので、見習い組の3人とリリスは、自分が乗っていた馬車を守る位置に4人で固まって立つ事になっている。

 ちなみに、シュージはそんな4人のカバーにすぐ入れる位置だ。

 そんな風にあっという間に馬車に乗っていたメンバーが戦闘準備を整え終えた頃、木々の隙間から身長140センチくらいの二足歩行の狼のような風貌をしている魔物、コボルトがかなりの数現れた。


「戦闘開始!馬車に近づけさせるな!」

「「「おーー!!」」」


 そんなジルバートの号令と共に、戦闘員達がコボルト達が仕掛けてくる前に突撃していった。


「おらっ!」

「やあっ!」

「えーい!」

「「「グギャァァァ!?」」」


 まず、1番槍はガル、シャロ、ピュイの若手3人組で、馬車の左翼に位置するコボルト達を、どんどん殲滅していった。

 コボルトはそこまで強くない魔物なので、鍛錬も兼ねて大体は若手組に任せ、ジンバやゾラなどのベテラン組がその討ち漏らしをカバーしていく。


「「ギャギャ!」」

「うわ、こっち来ましたよルナさん……!」

「なんで出てきたの、シド……」

「ま、まぁ、一応アイテムで支援はできますから…… 馬車で1人待ってるのも申し訳ないですし……」

「シドが倒してくれたら楽なのに……」

「そ、それはちょっと……」

「ふあ…… しょうがない…… 『血染メノ鎌ブラッディサイズ』」


 馬車の後方の守りを担当していたルナがそう唱えると、ルナが使う収納魔法である『血ノ棺ブラッドボックス』が虚空に出現し、そこからルナの身長以上あろうかという赤黒い色をした大鎌が浮かび上がるように出てきた。

 ルナはそれを血ノ棺から引き抜いて手に持つと、ふわりと浮き上がって空中でくるんと一回転した。


「「ギャ……??」」


 すると、ルナの周りにいたコボルト5匹の体がズルリとずれ、気付いた頃には真っ二つの状態で地面に倒れ伏していた。


「んっ……」


 そんな圧倒的な力を見せたルナは、ふよふよと近付いてきたいつもの移動式ベッドに着地して、後は任せたと言わんばかりに寝転んでいった。


 そんなルナを始め、他の蒼天の風のメンバーもコボルト如きでは相手にもならず、20匹近くいた群れはあっという間に殲滅されていった。


「おお……!皆んなすげー!」

「ギャギャ……」

(おっと……)


 そんな他のメンバーの活躍を見ていた見習い組の4人の所へ、コボルトが1匹忍び寄っていた。

 実はこの1匹は、近くにいたジルバートが見習い組の対応を見るためにわざと抜けさせた1匹で、一応シュージはそういうことするかもとは聞かされていた。

 なので、見習い組が危なそうだったらすぐに介入できる位置にはいておく。


(大丈夫ですかねぇ……)


 今もちょっとずつ見習い組に忍び寄るコボルトを、シュージはハラハラしながら見守るのであった。

 
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