マッチョな料理人が送る、異世界のんびり生活。 強面、筋骨隆々、非常に強い。でもとっても優しい男が異世界でほのぼの暮らすお話

かむら

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#303-4 またまた沿海州へ④

「……ということがあってな。到着が遅れた」

「まぁ、そうだったのですね」


 沿海州への馬車の旅も終わりを迎え、蒼天の風のメンバーは沿海州にある冒険者ギルド、潮騒の花に辿り着いた。

 今はジルバートが潮騒の花のギルドマスターであるパナセアに、到着が遅れた理由を説明していた。


「シュージさん、どうもっす!」

「お疲れ様です」

「お、セリアさん、ミドリさん。どうもです」


 そして、シュージのところには、潮騒の花の料理番をしているセリアとミドリが声をかけにきた。


「こっちに来るのは久々っすね!」

「そうですね」


 蒼天の風として沿海州に来たのは、以前のクラーケン騒動の時以来だが、シュージはその後にも2回くらい個人的に沿海州に海鮮を買いに来ていた。

 だが、それでも前回の訪問からは結構空いたので、今回もまた大量の海鮮を仕入れるつもりだ。


「今回はシュージさんが来るって分かってたので、お父さんに伝えたら、組合全体で良いもの市場に並べとくって気合い入れてたっすよ!」

「おや、良いんですかそんなにしてもらって」

「沿海州の人からしたら、シュージさんは色んな意味で大恩人ですから、本音を言えば皆んなシュージさんにはタダで色々あげたいくらいだと思いますよ」


 ミドリのその言葉は誇張でもなんでもなく、シュージは沿海州の食事情を大きく改善してくれ、そのおかげで海鮮料理と言えばここの沿海州と、食通の間で話題になり、観光客が以前に比べると倍近くになったそう。

 しかも、そんな沿海州が壊滅の危機に晒されたクラーケンが出現した際も、シュージが紡いできた人の縁のおかげで大きな被害なく収束させられたのだ。

 なので、冗談抜きで沿海州にとっては英雄のような存在だろう。


「タダではちょっともらえませんねぇ」

「そう言うと皆んな知ってるから、せめて良いもの買って欲しいんすよ!」

「はは、そうですか。敵いませんねぇ」


 そんなやり取りも挟みつつ、馬車旅の疲れもあったので、蒼天の風のメンバーは今日のところは潮騒の花で比較的ゆっくり過ごす事になった。

 シュージも、現在時刻は10時くらいと、海鮮市場のピークの時間帯はちょっと過ぎてしまったので、市場は明日行く事にした。

 ガルやリックなどの元気なメンバーは、潮騒の花の若くて血気盛んな者達と手合わせをしたりするようだが。


「わふわふ!」

「コンコン!」

「うわぁ……!可愛いっすねー!」

「ふふ、本当にね」

 
 そして、今回初めて潮騒の花にやって来たコロとマフは、セリアやパナセアを始めとした潮騒の花の女性メンバーに可愛がられており、コロとマフも構ってくれる人達が沢山いて、嬉しそうに抱っこされたりなでなでされにいっていた。

 そんな様子を見て、今回の滞在も賑やかで楽しそうな時間になりそうだと内心思うシュージなのであった。
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