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#312-3 海の底で出会ったのは③
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海底神殿での一幕から少し経ち、シュージ達は元の砂浜へと戻ってきていた。
かれこれ海に潜り始めてから2時間ほど経っており、砂浜で遊んでいた蒼天の風のメンバーもほとんど遊び疲れて帰っていったようだ。
「あ、皆んなおかえり!」
「お、帰ってきたかー」
「わふー」
「コンっ」
その中でも、リリスとコロとマフ、あとガルがシュージ達の帰りを待っていたようで、海から出てきたシュージ達に駆け寄ってきた。
「わふ!?」
「コン!?」
すると、いち早くコロとマフはシュージの肩に乗っかっている亀の神獣に気付いたようで、目にも留まらぬ速さでシュージの体をよじ登り、コロは頭の上に乗ってきて、マフは首に巻き付いてきた。
「クー」
そんなコロとマフを見た亀の神獣は「久しぶり~」みたいな感じで首をもたげ、嬉しそうに目を細めていた。
「お? そいつ、コロとマフの仲間か?」
「そうみたいですね」
「可愛い亀さんだ!」
そんな亀の神獣にガルとリリスも興味深そうな目線を向けると、注目されている事に気付いた亀の神獣は、シュージの肩からふよふよと浮かび上がった。
「わ! 飛んでる!」
「クー」
「よろしくね! 僕はリリスだよ!」
そして、挨拶をしてくれたリリスの元へ飛んでいき、体を寄せて頭や甲羅を撫でてもらいにいった。
「わふわふ!」
「コンコン!」
「嬉しそうですねぇ」
そんなリリスと亀の神獣の周りを、コロとマフがぐるぐる駆け回って、同族と会えた事の嬉しさを表現していた。
「海の底にいる神獣かー。 よく出会えたよな」
「これもシュージの運命力なんだろうねぇ」
「まぁ、こういう良い出会いを生んでくれる運命力ならありがたいですね」
世の中には、行く先々で不幸に恵まれてしまうような運のない人もいるが、シュージの運は良い方向に働いているようなので、今後も続くといいなと思ったり思わなかったり。
「こやつはどうするんじゃ? こやつ自身はもう付いて行く気満々のようじゃが」
「とりあえず、明日リンドさんに聞いてみて、問題なさそうなら受け入れるつもりです」
「まぁ、文献にすら残ってないくらいだから、今の沿海州でこの子を知ってる者はいないだろうがねぇ」
という事で、今日のところはもう日も落ちてきたので、亀の神獣と一緒に潮騒の花へと帰る事にした。
*
「……zzz」
「可愛いっすねー」
「ねっ!」
現在、夕食を準備し始めるくらいの時間帯。
先程まで亀の神獣は色んな人に可愛がってもらい、今はすやすやとカウンター席でお腹を見せながら眠っていた。
そんな亀の神獣を、セリアとリリスが微笑ましそうに見守っている。
「そういえば、この子の名前どうするの?」
「そうですねぇ、何にしましょうか」
コロとマフ同様、シュージが連れてきたこの亀の神獣も、自然な流れでシュージが名付け親になる事になっている。
なので、亀の神獣の様子を観察して、似合いそうな名前を頭の中で思い浮かべていった。
「んー、ムウ、なんてどうでしょう?」
「ムウ…… なんか、この子に合ってるね!」
「可愛らしくて良いと思うっす! シュージさん、センスあるっすね」
「はは、もう3人目ですからねぇ」
ちなみに名前の由来は、お腹を見せて眠るこの亀の神獣が、あまりにも無防備だなぁと思いつつ、それがまた可愛らしいポイントだとも思うので、無防備という言葉をもじって付けさせてもらった。
そんな亀の神獣、あらためムウは、その後も夕食ができるまでスヤスヤと無防備に眠り続けるのであった。
かれこれ海に潜り始めてから2時間ほど経っており、砂浜で遊んでいた蒼天の風のメンバーもほとんど遊び疲れて帰っていったようだ。
「あ、皆んなおかえり!」
「お、帰ってきたかー」
「わふー」
「コンっ」
その中でも、リリスとコロとマフ、あとガルがシュージ達の帰りを待っていたようで、海から出てきたシュージ達に駆け寄ってきた。
「わふ!?」
「コン!?」
すると、いち早くコロとマフはシュージの肩に乗っかっている亀の神獣に気付いたようで、目にも留まらぬ速さでシュージの体をよじ登り、コロは頭の上に乗ってきて、マフは首に巻き付いてきた。
「クー」
そんなコロとマフを見た亀の神獣は「久しぶり~」みたいな感じで首をもたげ、嬉しそうに目を細めていた。
「お? そいつ、コロとマフの仲間か?」
「そうみたいですね」
「可愛い亀さんだ!」
そんな亀の神獣にガルとリリスも興味深そうな目線を向けると、注目されている事に気付いた亀の神獣は、シュージの肩からふよふよと浮かび上がった。
「わ! 飛んでる!」
「クー」
「よろしくね! 僕はリリスだよ!」
そして、挨拶をしてくれたリリスの元へ飛んでいき、体を寄せて頭や甲羅を撫でてもらいにいった。
「わふわふ!」
「コンコン!」
「嬉しそうですねぇ」
そんなリリスと亀の神獣の周りを、コロとマフがぐるぐる駆け回って、同族と会えた事の嬉しさを表現していた。
「海の底にいる神獣かー。 よく出会えたよな」
「これもシュージの運命力なんだろうねぇ」
「まぁ、こういう良い出会いを生んでくれる運命力ならありがたいですね」
世の中には、行く先々で不幸に恵まれてしまうような運のない人もいるが、シュージの運は良い方向に働いているようなので、今後も続くといいなと思ったり思わなかったり。
「こやつはどうするんじゃ? こやつ自身はもう付いて行く気満々のようじゃが」
「とりあえず、明日リンドさんに聞いてみて、問題なさそうなら受け入れるつもりです」
「まぁ、文献にすら残ってないくらいだから、今の沿海州でこの子を知ってる者はいないだろうがねぇ」
という事で、今日のところはもう日も落ちてきたので、亀の神獣と一緒に潮騒の花へと帰る事にした。
*
「……zzz」
「可愛いっすねー」
「ねっ!」
現在、夕食を準備し始めるくらいの時間帯。
先程まで亀の神獣は色んな人に可愛がってもらい、今はすやすやとカウンター席でお腹を見せながら眠っていた。
そんな亀の神獣を、セリアとリリスが微笑ましそうに見守っている。
「そういえば、この子の名前どうするの?」
「そうですねぇ、何にしましょうか」
コロとマフ同様、シュージが連れてきたこの亀の神獣も、自然な流れでシュージが名付け親になる事になっている。
なので、亀の神獣の様子を観察して、似合いそうな名前を頭の中で思い浮かべていった。
「んー、ムウ、なんてどうでしょう?」
「ムウ…… なんか、この子に合ってるね!」
「可愛らしくて良いと思うっす! シュージさん、センスあるっすね」
「はは、もう3人目ですからねぇ」
ちなみに名前の由来は、お腹を見せて眠るこの亀の神獣が、あまりにも無防備だなぁと思いつつ、それがまた可愛らしいポイントだとも思うので、無防備という言葉をもじって付けさせてもらった。
そんな亀の神獣、あらためムウは、その後も夕食ができるまでスヤスヤと無防備に眠り続けるのであった。
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