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#31 帰宅
投稿したつもりになってました^^;
***
「ガリュウさん、ありがとうございました」
「グル♪」
メッコ村を訪れていたカスミ達は、ガリュウに乗ってサミアンの街に戻ってきており、そこでカスミはガリュウに別れの挨拶をしていた。
(出会って最初は怖かったけど、ガリュウさんとっても良い子だな)
今も別れの挨拶をするカスミに、目線を合わせるように頭を下げ、別れを惜しむような素振りをガリュウは見せてくれていた。
「じゃあな、ガリュウ。 そう遠くない内にまた呼ぶ」
「グルゥ」
そして、アネッタとも別れの挨拶をしたガリュウは、大きな翼をはためかせて飛び立ち、自分の巣へと帰っていった。
カスミ達もそれを見送り、ガリュウの姿が見えなくなったら、自分達も家へと帰る。
「楽しかったですね、メッコ村」
「そうだな。 何よりカスミが楽しそうで良かったよ」
楽しかったと言うカスミに、クリスタが微笑みながらそう返す。
「そんなに楽しそうでしたか?」
「村人達に女神と呼ばれて楽しそうにしてたじゃないか」
「あ、あれはそういうのじゃ……!」
「良いじゃねぇか、女神カスミ様」
「あ、アネッタさんまでぇ……! もうっ……!」
そんな風にクリスタとアネッタにからかわれたカスミは、ぷんすかとちょっと拗ねた表情を浮かべつつ、パーティーハウスへの道のりを早足で進んでいった。
それから程なくして、パーティーハウスに辿り着いたカスミがドアを開けると、レネが出迎えに来てくれた。
「あ、おかえりカスミちゃん!」
「ただいまです、レネさん」
「よっ!」
「わぁっ……!」
すると、出迎えるや否や、レネはカスミの事をお姫様抱っこしてきた。
「んー、カスミちゃん可愛いねぇ」
「あ、ありがとうございます? 何かありましたか?」
「ううん、何もなかったけど、カスミちゃんが恋しくて!」
カスミの問いかけに、レネはそんな風に答えた。
「朝、出る前にも会いましたけど……」
「いやー、そうなんだけど、ここ一週間くらいはカスミちゃんがいるのが当たり前で、ただそれでも、カスミちゃんが出て行ってからすぐは凄い寂しいって感じじゃなかったんだけど、お昼ご飯食べた時にねー」
「あれ、焼いて食べるだけの作り置きをしてたはずですけど……」
「うん、焼いて食べたよ! 自分で作ったとは思えないくらい美味しかった! ……でも、何だか物足りなくてさー」
「物足りない、ですか?」
「温かみが違うというか、カスミちゃんの料理をカスミちゃんと食べるのが幸せな事だったんだなって思ったんだー」
「なるほど……」
「それを自覚したらカスミちゃんが恋しくなっちゃったんだよー」
レネはそう言って、カスミに頬擦りをしてきた。
「そんな風に思ってもらえて嬉しいですっ。 もう晩ご飯食べましたか?」
「ううん、帰って来るかもと思ってたから、食べてない!」
「ふふ、じゃあ、一緒に食べましょう?」
「うん!」
レネと心温まる会話をしたカスミは、一度地面に降ろしてもらって、リビングへと向かった。
「うにゃ~……」
「……zzz」
するとそこには、リビングのテーブルに突っ伏して、うにゃうにゃ言っているローニャと、気持ちよさそうにソファで寝ているフィオがいた。
「ローニャさん、ただいまです」
フィオはぐっすり眠っているので、先にカスミはローニャにただいまを伝えた。
「あ、カスミ、おかえりにゃ~……」
「何だか元気ないですね?」
「うっ…… そのぉ…… いっぱい負けたのにゃ……」
「あー……」
どうやらカスミが留守の間にギャンブルに行き、そこで大敗して帰ってきたようだ。
「最近調子良かったのに、すっからかんにゃー……」
「ま、まぁ、そんな時もありますよ。 美味しい晩ご飯作るので、元気出してください」
「ありがとにゃ~」
ローニャとそんな会話をしたカスミは、一応今日メッコ村から帰ってこなかった時のことを考えて作っておいた、ビッグバードのもも肉を、はちみつ、粒マスタード、醤油で作ったタレに漬け込んだものを焼き、今日買ってきたライスを炊飯器で炊いていく。
(やっぱりこの一瞬で炊ける炊飯器は便利だなぁ。 ライスはきっとこれから普及していくから、炊飯器も売れるといいな)
流石にこのパーティーハウスにある、一瞬でライスを炊ける機能はそうそう付けられないだろうが、それでも一度に沢山ライスが炊ける炊飯器は、今後のライスの普及によってどんどん売れるだろう。
これまで苦労をしていたメッコ村のためにも、ライスがなるべく普及することを心から願うカスミだった。
「皆さん、できましたよー」
それから、作り置きしてあった事もあって割とすぐに出来上がった夕食を、リビングのテーブルまで運んでいった。
「今日はビッグバードをハニーマスタードで味付けしてみました」
「甘い匂いする~……」
夕食を始めるタイミングでフィオも起きてきて、黄色みがあるソースの甘い匂いを嗅いで不思議そうな顔をしていた。
ただ、カスミが作るものが見慣れないのはもう当たり前みたいになっており、とりあえず皆、ハニーマスタード味のビックバードを口に運んでいった。
「ん~……! 甘めだけどなんか独特な風味がして美味しい~……!」
マスタードは割と好みが分かれるので、受け入れられるかカスミは少し不安もあった。
が、今感想を漏らしたフィオを始め、ビフレストの面々は美味しく食べられるタイプだったようで、用意された分をどんどん口に運んでいってくれた。
「この甘い味は砂糖じゃないにゃ?」
そんな中、ローニャがハニーマスタードの砂糖とは違う甘さが気になったようで、カスミに質問をしてきた。
「こちらは、はちみつを使ってます」
「はちみつにゃ?」
「こっちには無いんですかね?」
「聞いた事にゃいにゃー」
「私の世界にいた蜂という虫が作るものなんです。 こっちにはいませんか? 体が黄色と黒色で、お尻に針を持った虫なんですけど」
「あ、ニードルビーにゃ?」
どうやら、蜂に似た魔物がいるようだ。
「あいつらがはちみつ持ってるにゃ?」
「私も詳しくは知らないんですけど、巣に溜め込むみたいですよ」
「へー、あいつらの巣を見つけたら、すぐ燃やすか壊すのが当たり前だから、巣を観察した事無かったにゃ」
「そうなんですね?」
「デカくて一杯いると厄介にゃから、巣を作って群れをなす前に壊すのにゃ」
「えっ、大っきいんですか?」
「カスミくらい大っきいにゃ」
「えぇぇ……」
子供くらいの大きさがある蜂がこの世界にいると聞いて、カスミはちょっとゲンナリとした気分になった。
「でも、美味しい甘いもの出すなら、今度見かけたらニードルビーだけ倒して巣は壊さずに持って帰ってくるにゃ!」
「わ、分かりました」
この世界には色んな魔物が居るんだなぁと、改めて思いつつ、できれば大っきい虫系の魔物は見たくないなとも思うカスミなのであった。
***
「ガリュウさん、ありがとうございました」
「グル♪」
メッコ村を訪れていたカスミ達は、ガリュウに乗ってサミアンの街に戻ってきており、そこでカスミはガリュウに別れの挨拶をしていた。
(出会って最初は怖かったけど、ガリュウさんとっても良い子だな)
今も別れの挨拶をするカスミに、目線を合わせるように頭を下げ、別れを惜しむような素振りをガリュウは見せてくれていた。
「じゃあな、ガリュウ。 そう遠くない内にまた呼ぶ」
「グルゥ」
そして、アネッタとも別れの挨拶をしたガリュウは、大きな翼をはためかせて飛び立ち、自分の巣へと帰っていった。
カスミ達もそれを見送り、ガリュウの姿が見えなくなったら、自分達も家へと帰る。
「楽しかったですね、メッコ村」
「そうだな。 何よりカスミが楽しそうで良かったよ」
楽しかったと言うカスミに、クリスタが微笑みながらそう返す。
「そんなに楽しそうでしたか?」
「村人達に女神と呼ばれて楽しそうにしてたじゃないか」
「あ、あれはそういうのじゃ……!」
「良いじゃねぇか、女神カスミ様」
「あ、アネッタさんまでぇ……! もうっ……!」
そんな風にクリスタとアネッタにからかわれたカスミは、ぷんすかとちょっと拗ねた表情を浮かべつつ、パーティーハウスへの道のりを早足で進んでいった。
それから程なくして、パーティーハウスに辿り着いたカスミがドアを開けると、レネが出迎えに来てくれた。
「あ、おかえりカスミちゃん!」
「ただいまです、レネさん」
「よっ!」
「わぁっ……!」
すると、出迎えるや否や、レネはカスミの事をお姫様抱っこしてきた。
「んー、カスミちゃん可愛いねぇ」
「あ、ありがとうございます? 何かありましたか?」
「ううん、何もなかったけど、カスミちゃんが恋しくて!」
カスミの問いかけに、レネはそんな風に答えた。
「朝、出る前にも会いましたけど……」
「いやー、そうなんだけど、ここ一週間くらいはカスミちゃんがいるのが当たり前で、ただそれでも、カスミちゃんが出て行ってからすぐは凄い寂しいって感じじゃなかったんだけど、お昼ご飯食べた時にねー」
「あれ、焼いて食べるだけの作り置きをしてたはずですけど……」
「うん、焼いて食べたよ! 自分で作ったとは思えないくらい美味しかった! ……でも、何だか物足りなくてさー」
「物足りない、ですか?」
「温かみが違うというか、カスミちゃんの料理をカスミちゃんと食べるのが幸せな事だったんだなって思ったんだー」
「なるほど……」
「それを自覚したらカスミちゃんが恋しくなっちゃったんだよー」
レネはそう言って、カスミに頬擦りをしてきた。
「そんな風に思ってもらえて嬉しいですっ。 もう晩ご飯食べましたか?」
「ううん、帰って来るかもと思ってたから、食べてない!」
「ふふ、じゃあ、一緒に食べましょう?」
「うん!」
レネと心温まる会話をしたカスミは、一度地面に降ろしてもらって、リビングへと向かった。
「うにゃ~……」
「……zzz」
するとそこには、リビングのテーブルに突っ伏して、うにゃうにゃ言っているローニャと、気持ちよさそうにソファで寝ているフィオがいた。
「ローニャさん、ただいまです」
フィオはぐっすり眠っているので、先にカスミはローニャにただいまを伝えた。
「あ、カスミ、おかえりにゃ~……」
「何だか元気ないですね?」
「うっ…… そのぉ…… いっぱい負けたのにゃ……」
「あー……」
どうやらカスミが留守の間にギャンブルに行き、そこで大敗して帰ってきたようだ。
「最近調子良かったのに、すっからかんにゃー……」
「ま、まぁ、そんな時もありますよ。 美味しい晩ご飯作るので、元気出してください」
「ありがとにゃ~」
ローニャとそんな会話をしたカスミは、一応今日メッコ村から帰ってこなかった時のことを考えて作っておいた、ビッグバードのもも肉を、はちみつ、粒マスタード、醤油で作ったタレに漬け込んだものを焼き、今日買ってきたライスを炊飯器で炊いていく。
(やっぱりこの一瞬で炊ける炊飯器は便利だなぁ。 ライスはきっとこれから普及していくから、炊飯器も売れるといいな)
流石にこのパーティーハウスにある、一瞬でライスを炊ける機能はそうそう付けられないだろうが、それでも一度に沢山ライスが炊ける炊飯器は、今後のライスの普及によってどんどん売れるだろう。
これまで苦労をしていたメッコ村のためにも、ライスがなるべく普及することを心から願うカスミだった。
「皆さん、できましたよー」
それから、作り置きしてあった事もあって割とすぐに出来上がった夕食を、リビングのテーブルまで運んでいった。
「今日はビッグバードをハニーマスタードで味付けしてみました」
「甘い匂いする~……」
夕食を始めるタイミングでフィオも起きてきて、黄色みがあるソースの甘い匂いを嗅いで不思議そうな顔をしていた。
ただ、カスミが作るものが見慣れないのはもう当たり前みたいになっており、とりあえず皆、ハニーマスタード味のビックバードを口に運んでいった。
「ん~……! 甘めだけどなんか独特な風味がして美味しい~……!」
マスタードは割と好みが分かれるので、受け入れられるかカスミは少し不安もあった。
が、今感想を漏らしたフィオを始め、ビフレストの面々は美味しく食べられるタイプだったようで、用意された分をどんどん口に運んでいってくれた。
「この甘い味は砂糖じゃないにゃ?」
そんな中、ローニャがハニーマスタードの砂糖とは違う甘さが気になったようで、カスミに質問をしてきた。
「こちらは、はちみつを使ってます」
「はちみつにゃ?」
「こっちには無いんですかね?」
「聞いた事にゃいにゃー」
「私の世界にいた蜂という虫が作るものなんです。 こっちにはいませんか? 体が黄色と黒色で、お尻に針を持った虫なんですけど」
「あ、ニードルビーにゃ?」
どうやら、蜂に似た魔物がいるようだ。
「あいつらがはちみつ持ってるにゃ?」
「私も詳しくは知らないんですけど、巣に溜め込むみたいですよ」
「へー、あいつらの巣を見つけたら、すぐ燃やすか壊すのが当たり前だから、巣を観察した事無かったにゃ」
「そうなんですね?」
「デカくて一杯いると厄介にゃから、巣を作って群れをなす前に壊すのにゃ」
「えっ、大っきいんですか?」
「カスミくらい大っきいにゃ」
「えぇぇ……」
子供くらいの大きさがある蜂がこの世界にいると聞いて、カスミはちょっとゲンナリとした気分になった。
「でも、美味しい甘いもの出すなら、今度見かけたらニードルビーだけ倒して巣は壊さずに持って帰ってくるにゃ!」
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