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#42 王城の料理人
謁見のために王城を訪れてから一夜明け、今日も今日とてカスミは王城へとやってきていた。
「気が進まねーな……」
「あはは…… 付き添いありがとうございます、アネッタさん」
今日はアネッタがカスミの付き添いとして来てくれているのだが、堅苦しい場が好きじゃないアネッタは、ちょっとげんなりした様子だった。
「まぁ、今日は別に王族と話すってわけじゃないんだろ?」
「そうですね。 今日は王城の料理人の方々と顔合わせして、現状決まってるメニューの共有と試作が目的です」
「ならまだいいか」
カスミの言葉通り、今日は王城の料理人達との顔合わせが主な目的なので、堅苦しい場などは特にない予定だ。
「あ、カスミさん」
それからカスミとアネッタが王城の前まで辿り着くと、そこにはシクウがいた。
「シクウさん!」
「お疲れ様です、カスミさん。 アネッタさんはお久しぶりですね」
「ああ」
シクウとアネッタはお互い顔は知ってるくらいの仲なので、挨拶は少しよそよそしかった。
「昨日の謁見で話された内容はある程度聞きました。 正式に第二王女殿下の誕生日パーティーを担当することになったそうで」
「そうなりましたね」
「改めてよろしくお願いします。 今日はこれから王城の料理人達と料理をすると聞きましたので、以前教えてもらったメニューに必要な分の食材は用意しておきました」
「ありがとうございます!」
できる商人であるシクウは、既に今日必要になる食材を運び込んでくれたそうで、カスミはそれに対してお礼を告げた。
「折角なら私も途中までになると思いますが、付き添っても良いですか?」
「もちろんですっ」
カスミとしては王城内でも顔が利くシクウがいてくれるのはとても心強いので、その申し出を喜んで承諾した。
それから早速、カスミ、アネッタ、シクウは王城の門を潜り、待っていた城勤めのメイドに連れられ、王城の料理人がいる厨房に向かった。
「こちらになります」
メイドに促され、カスミ達が厨房に入ると、そこには15人程の王城の料理人達が並んでいた。
「ようこそお越しくださいました。 私はここの料理人達をまとめる料理長をしております、ムッダと申します」
その中でも一番前に立っている、まるで戦士のような厳つい体格をした、料理長のムッダが代表して挨拶をしてきた。
「初めまして、カスミと申しますっ」
カスミがそう挨拶を返すと、ムッダの後ろに並ぶ料理人達は、カスミの可愛らしさに笑顔になる者、こんな子供が料理を教えられるのかと、不安そうな顔を浮かべる者に反応が別れた。
ただ、カスミとしては、今の子供の姿だと、最悪話を聞いてもらえないかもしれないと思ってたので、とりあえず話は聞いてもらえそうで一安心していた。
「今回は第二王女殿下の誕生日パーティーに出す料理の指南をしていただけると聞いております」
「はいっ」
「王からの命ですので私としてはそれに従うのみ…… ですが、若い者の中には、カスミ殿に対して不安を抱いている者も多いようです」
ムッダはそう言いながら、ちょっと鋭い目線を後ろの料理人達に向けた。
それを受けたカスミに不信感を抱いている者達が、気まずそうに目線を逸らした。
「いきなり皆さんの立場を奪うような形になりましたから、当たり前の反応だと思ってますっ」
「カスミ殿はその歳で礼儀や建前を理解していて素晴らしいですな」
ムッダは強面な印象を受けさせる顔を少し綻ばせながら、カスミに対してそんな風に言う。
「ですので、私がどんなものを作るのか知ってもらえるものを作ってきましたっ」
カスミはそう言うと、腰に付けた収納ポーチから、用意してきたものを取り出し、厨房にあった手頃な皿を貸してもらい、その上に載せた。
そうして皿に載せられたのは、薄い黄色の円柱形の物体で、集まってきた王城の料理人達も、それを見てなんだこれはと首を捻った。
「カスミ殿、これは?」
「こちらはパーティーにも出そうかと思ってるスイーツです。 切り分けますね」
ムッダを始めとした王城の料理人達からの注目を集める中、カスミはその円柱状のものを切り分けていく。
すると、その断面は見えていた薄黄色の生地が渦巻状になっており、それと隣り合うように、真っ白なクリームが渦巻状に内側に塗られていた。
「おお、これは……」
「こちらはロールケーキというものになります。 ぜひ食べてみてください」
「カスミ、俺のもあるか?」
「私も欲しいですね」
「ふふ、もちろん用意してますよ」
それから王城の料理人達だけでなく、アネッタとシクウの分も用意して、早速皆でそのロールケーキを口に運んでいった。
「な、なんだこれは……!」
「お、美味しいーっ♡!」
すると、そのロールケーキを一口食べた瞬間、王城の料理人達は全員が感嘆の声を漏らした。
「おお……! しっとりとしていて舌の上で溶けていく柔らかい生地に、確かな甘さがあるのに全くくどくないクリーム……! なんて一品だ……!」
その中には当然、料理長であるムッダも混ざっていて、これまで自分達が食べたり作ってきたスイーツはなんだったのかと思うと同時に、カスミの確かな料理人としての実力を、一口で思い知らされた。
「んー、やっぱカスミの作る甘いもんは美味いな」
「以前食べさせてもらったケーキと同等のスイーツ…… カスミさんは底が知れませんね」
「えへへ…… ありがとうございます」
アネッタとシクウにも当然ながら絶賛してもらえ、カスミは照れつつも嬉しそうな表情を浮かべた。
「カスミ殿。 お見それしました。 改めて、私達にカスミ殿の料理を教えていただきたい」
そして、ロールケーキを食べ終えた王城の料理人達は、カスミに向き直って深々と頭を下げながら、料理指南を請うてきた。
そこには、先程まで侮っていた者達の姿はなく、ただただ料理が上手くなりたいという強い熱意が感じ取れた。
「ああそんなっ。 頭なんて下げないでいいですよっ。 ちゃんとお教えしますのでっ」
ただ、カスミからすると、そこまでされると逆に申し訳なくなってしまい、オロオロしながら王城の料理人達の顔を上げさせた。
「で、では、気を取り直して、パーティーに出す料理の打ち合わせをしましょう」
そうして、カスミの腕を理解した王城の料理人達に、カスミは現状考えている料理のレシピが書かれた紙をテーブルに広げ、手に取らせた。
「ほう、これは……」
「見たことのない料理ばかりですね」
そのレシピを見た王城の料理人達は、見たことのない調理工程や材料に興味津々だった。
「特に調味料がよくわからないものが多いと思うんですけど、これは私とシクウさんが協力して作ったもので、その内シクウさんの商会から売り出される予定ですっ」
レシピに書かれた聞き慣れない調味料に関して、カスミはそのように説明をした。
一応、それらの調味料がカスミのスキルで生み出せるということは、王城の料理人達にも秘密にすることにしている。
カスミに関しての緘口令は王族から敷かれているものの、必要以上に情報を公開する必要はないとクリスタに口酸っぱくカスミは言われているので。
「今日はいくつかの調味料と材料を用意しましたので、早速いくつかの料理を作ってみましょうか」
「「「はいっ!」」」
それからカスミは、王城の料理人達と一緒に、ミーユイアの誕生日パーティーに出す料理の練習をするのであった。
「気が進まねーな……」
「あはは…… 付き添いありがとうございます、アネッタさん」
今日はアネッタがカスミの付き添いとして来てくれているのだが、堅苦しい場が好きじゃないアネッタは、ちょっとげんなりした様子だった。
「まぁ、今日は別に王族と話すってわけじゃないんだろ?」
「そうですね。 今日は王城の料理人の方々と顔合わせして、現状決まってるメニューの共有と試作が目的です」
「ならまだいいか」
カスミの言葉通り、今日は王城の料理人達との顔合わせが主な目的なので、堅苦しい場などは特にない予定だ。
「あ、カスミさん」
それからカスミとアネッタが王城の前まで辿り着くと、そこにはシクウがいた。
「シクウさん!」
「お疲れ様です、カスミさん。 アネッタさんはお久しぶりですね」
「ああ」
シクウとアネッタはお互い顔は知ってるくらいの仲なので、挨拶は少しよそよそしかった。
「昨日の謁見で話された内容はある程度聞きました。 正式に第二王女殿下の誕生日パーティーを担当することになったそうで」
「そうなりましたね」
「改めてよろしくお願いします。 今日はこれから王城の料理人達と料理をすると聞きましたので、以前教えてもらったメニューに必要な分の食材は用意しておきました」
「ありがとうございます!」
できる商人であるシクウは、既に今日必要になる食材を運び込んでくれたそうで、カスミはそれに対してお礼を告げた。
「折角なら私も途中までになると思いますが、付き添っても良いですか?」
「もちろんですっ」
カスミとしては王城内でも顔が利くシクウがいてくれるのはとても心強いので、その申し出を喜んで承諾した。
それから早速、カスミ、アネッタ、シクウは王城の門を潜り、待っていた城勤めのメイドに連れられ、王城の料理人がいる厨房に向かった。
「こちらになります」
メイドに促され、カスミ達が厨房に入ると、そこには15人程の王城の料理人達が並んでいた。
「ようこそお越しくださいました。 私はここの料理人達をまとめる料理長をしております、ムッダと申します」
その中でも一番前に立っている、まるで戦士のような厳つい体格をした、料理長のムッダが代表して挨拶をしてきた。
「初めまして、カスミと申しますっ」
カスミがそう挨拶を返すと、ムッダの後ろに並ぶ料理人達は、カスミの可愛らしさに笑顔になる者、こんな子供が料理を教えられるのかと、不安そうな顔を浮かべる者に反応が別れた。
ただ、カスミとしては、今の子供の姿だと、最悪話を聞いてもらえないかもしれないと思ってたので、とりあえず話は聞いてもらえそうで一安心していた。
「今回は第二王女殿下の誕生日パーティーに出す料理の指南をしていただけると聞いております」
「はいっ」
「王からの命ですので私としてはそれに従うのみ…… ですが、若い者の中には、カスミ殿に対して不安を抱いている者も多いようです」
ムッダはそう言いながら、ちょっと鋭い目線を後ろの料理人達に向けた。
それを受けたカスミに不信感を抱いている者達が、気まずそうに目線を逸らした。
「いきなり皆さんの立場を奪うような形になりましたから、当たり前の反応だと思ってますっ」
「カスミ殿はその歳で礼儀や建前を理解していて素晴らしいですな」
ムッダは強面な印象を受けさせる顔を少し綻ばせながら、カスミに対してそんな風に言う。
「ですので、私がどんなものを作るのか知ってもらえるものを作ってきましたっ」
カスミはそう言うと、腰に付けた収納ポーチから、用意してきたものを取り出し、厨房にあった手頃な皿を貸してもらい、その上に載せた。
そうして皿に載せられたのは、薄い黄色の円柱形の物体で、集まってきた王城の料理人達も、それを見てなんだこれはと首を捻った。
「カスミ殿、これは?」
「こちらはパーティーにも出そうかと思ってるスイーツです。 切り分けますね」
ムッダを始めとした王城の料理人達からの注目を集める中、カスミはその円柱状のものを切り分けていく。
すると、その断面は見えていた薄黄色の生地が渦巻状になっており、それと隣り合うように、真っ白なクリームが渦巻状に内側に塗られていた。
「おお、これは……」
「こちらはロールケーキというものになります。 ぜひ食べてみてください」
「カスミ、俺のもあるか?」
「私も欲しいですね」
「ふふ、もちろん用意してますよ」
それから王城の料理人達だけでなく、アネッタとシクウの分も用意して、早速皆でそのロールケーキを口に運んでいった。
「な、なんだこれは……!」
「お、美味しいーっ♡!」
すると、そのロールケーキを一口食べた瞬間、王城の料理人達は全員が感嘆の声を漏らした。
「おお……! しっとりとしていて舌の上で溶けていく柔らかい生地に、確かな甘さがあるのに全くくどくないクリーム……! なんて一品だ……!」
その中には当然、料理長であるムッダも混ざっていて、これまで自分達が食べたり作ってきたスイーツはなんだったのかと思うと同時に、カスミの確かな料理人としての実力を、一口で思い知らされた。
「んー、やっぱカスミの作る甘いもんは美味いな」
「以前食べさせてもらったケーキと同等のスイーツ…… カスミさんは底が知れませんね」
「えへへ…… ありがとうございます」
アネッタとシクウにも当然ながら絶賛してもらえ、カスミは照れつつも嬉しそうな表情を浮かべた。
「カスミ殿。 お見それしました。 改めて、私達にカスミ殿の料理を教えていただきたい」
そして、ロールケーキを食べ終えた王城の料理人達は、カスミに向き直って深々と頭を下げながら、料理指南を請うてきた。
そこには、先程まで侮っていた者達の姿はなく、ただただ料理が上手くなりたいという強い熱意が感じ取れた。
「ああそんなっ。 頭なんて下げないでいいですよっ。 ちゃんとお教えしますのでっ」
ただ、カスミからすると、そこまでされると逆に申し訳なくなってしまい、オロオロしながら王城の料理人達の顔を上げさせた。
「で、では、気を取り直して、パーティーに出す料理の打ち合わせをしましょう」
そうして、カスミの腕を理解した王城の料理人達に、カスミは現状考えている料理のレシピが書かれた紙をテーブルに広げ、手に取らせた。
「ほう、これは……」
「見たことのない料理ばかりですね」
そのレシピを見た王城の料理人達は、見たことのない調理工程や材料に興味津々だった。
「特に調味料がよくわからないものが多いと思うんですけど、これは私とシクウさんが協力して作ったもので、その内シクウさんの商会から売り出される予定ですっ」
レシピに書かれた聞き慣れない調味料に関して、カスミはそのように説明をした。
一応、それらの調味料がカスミのスキルで生み出せるということは、王城の料理人達にも秘密にすることにしている。
カスミに関しての緘口令は王族から敷かれているものの、必要以上に情報を公開する必要はないとクリスタに口酸っぱくカスミは言われているので。
「今日はいくつかの調味料と材料を用意しましたので、早速いくつかの料理を作ってみましょうか」
「「「はいっ!」」」
それからカスミは、王城の料理人達と一緒に、ミーユイアの誕生日パーティーに出す料理の練習をするのであった。
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