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のぞむもの
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「じゃあ…するね。朱音」
「うん、いいよ……んっ」
私は上に裾の長いワンピースを着衣し、反対に下半身には下着すら着けていない。そんな痴女のような状態で直立し、私の股下にいる、花音の頭頂部をワンピースの布越しにそっと撫でる。
愛しい愛しい、私の恋人。
花音の舌が私の陰部を冒していく。大陰唇辺りを優しく舐めて、緊張を解きほぐすみたいに、時々キスもしてくれる。小陰唇に向かって舌を這って進み、すぐに膣穴まで到達する。
最初は舌端でチロチロと入り口辺りを舐め、段々と、焦らすように舌を奥まで挿入させていく。
「んぁっ…はっ……はんっ…んんぅんあっ…」
天にも昇るような気持ちよさに、無意識な淫声が吐息と一緒に漏れ出す。
「やめてっ」と、不意に出てくる言葉とは裏腹に、私の両手は花音の小さな顔を包み、自身の恥部にぐいぐいと押し当てている。自然と腰も震え、前方へ、後方へ、メトロノームのように動き、花音の舌が淫らな穴に入っては出、入っては出、を何回も繰り返し、疑似挿入のような陣形をとっていた。
もう少しで果てそう…!と言うタイミングで、花音は急に立ち上がり、不機嫌そうな顔でだらしなく火照りきった私の顔を見つめた。
なんだろう、と小首を傾げると、花音は普段なら絶対に見せないような紅顔で私から目線を逸らし、棒読みで答えた。
「ずっとワンピースで隠れてたから、朱音の顔が見たくなったの……悪い?」
キューン、と効果音がなり出しそうなほど膣穴が疼いた。その顔と言葉は私の心臓を鷲掴みし、ぶんぶんと大きく揺さぶって高ぶらせる。
なにその…ちっちゃい子の駄々っ子みたいな可愛い理由!ずるい!!
「よしよーし、よく頑張ったでちゅねー」って赤ちゃんみたいに撫でまくりたい!
思い切り抱きしめながらディープキスして、めちゃくちゃにしたい!!
滝のように溢れ出る妄想と衝動をどうにか抑えながら、私は花音の珍しく弱った顔をにやにやと眺め続ける。彼女は、その無遠慮な視線に気づくなり、両手で私に目隠しをして「見るな馬鹿」と小さく呟いた。
再びキュンキュンタイムがやってきたところで、どこからともなく、カリヨンの鐘のような音に邪魔される。
…そういえば改めて考えると、ここはどこなんだろう。
何もないような左右上下、どこかしこも真っ白な空間。
再び花音と会えた嬉しさで、我を忘れて前戯に勤しんでいたものの、確かに私たちは死んだのだ。
あの日浴室で。
カッターでお互いの腕を大きく掻っ切ってから、水面に朱く広がっていく美しい波紋を二人で見ながら、私たちは熱くて溶けるような情熱的な口付けを交わして、静かに散った。
音は花音にも届いているようで、お互い顔を見合わせて、仲良く首を傾げた。
突如、眩暈のような気持ち悪さが身体を突き抜け、脳内に、自分以外の思考が入り込んで来るような奇妙な感覚に陥った。
そして、確実に自意識ではない言葉が、ゆっくりと頭の中を流れていく。
私は訳の分からない恐怖を感じて花音に抱きついたが、彼女は変に落ち着いた表情で、少しだけ目を細めて、脳内に羅列されていく言葉を読み始めた。
「『死に急いた愚かな者達よ。救いを乞いなさい。さすれば、望みを聞いてあげましょう。汝の大切なモノ一つと引き換えに、其の望みを叶えます。真に大切とは何か、己に問い掛け、大いに考えなさい。』……随分難儀ね」
花音が吐き捨てるように呟くのも頷ける。
私たちが共通で望むこととしては「結ばれること」。そして大切なモノは「私は花音、花音は私」。これだけでも矛盾している。
ずっと花音の肩に顔を押し付けていたが、少しだけ離れて彼女の顔を覗くと、何やら真剣な顔で考え込んでいるようだった。
花音は学校の成績こそ奮わず、同級生からは馬鹿だ馬鹿だと言われているらしいが、誰も彼女のことを真に侮って見下している人間は、一人としていない。私の知っている限りであれば。
彼女は思慮深い。本来なら絶対に考えないようなことを真剣に考え、自分なりの答えを出すまで、どれだけ時間がかかっても諦めない。そんな不器用なところも、いじらしくてポイントが高かったり…。
テストでは計れない魅力が、花音にはあった。
やがて、何か思いついたように頭上を見上げ、大きく息を吐いた。
そして私の方を見たが、表情からは何も読み取れなかった。
「これ、2つ望みを叶えてもらえるってことだよ。朱音」
「え…そうなの?……あ、そっか」
最初に話しかけているのは私たち二人であるが、そこから問いかけているのは「汝」、複数形じゃない。
「……でさ、これは確認してみないと分からないんだけど……、私は『私と朱音が結ばれる世界』を望む代わりに『私の記憶』を引き換えるから、朱音は『引き換えた記憶を取り戻す力』を望む代わりに、『朱音の記憶』を引き換えて。こうすれば、私たちが出会いさえすれば、完璧でしょ?」
「……!!すごい!すごいよ花音!!天才!大好き!!」
私は口にするだけでは満足できず、花音の頬にもキスをした。
彼女は口をもにょもにょと動かし、照れ笑いを浮かべていた。
「それじゃ…いい?『せーの』で行くよ」
「うん!」
「……っせーの」
「うん、いいよ……んっ」
私は上に裾の長いワンピースを着衣し、反対に下半身には下着すら着けていない。そんな痴女のような状態で直立し、私の股下にいる、花音の頭頂部をワンピースの布越しにそっと撫でる。
愛しい愛しい、私の恋人。
花音の舌が私の陰部を冒していく。大陰唇辺りを優しく舐めて、緊張を解きほぐすみたいに、時々キスもしてくれる。小陰唇に向かって舌を這って進み、すぐに膣穴まで到達する。
最初は舌端でチロチロと入り口辺りを舐め、段々と、焦らすように舌を奥まで挿入させていく。
「んぁっ…はっ……はんっ…んんぅんあっ…」
天にも昇るような気持ちよさに、無意識な淫声が吐息と一緒に漏れ出す。
「やめてっ」と、不意に出てくる言葉とは裏腹に、私の両手は花音の小さな顔を包み、自身の恥部にぐいぐいと押し当てている。自然と腰も震え、前方へ、後方へ、メトロノームのように動き、花音の舌が淫らな穴に入っては出、入っては出、を何回も繰り返し、疑似挿入のような陣形をとっていた。
もう少しで果てそう…!と言うタイミングで、花音は急に立ち上がり、不機嫌そうな顔でだらしなく火照りきった私の顔を見つめた。
なんだろう、と小首を傾げると、花音は普段なら絶対に見せないような紅顔で私から目線を逸らし、棒読みで答えた。
「ずっとワンピースで隠れてたから、朱音の顔が見たくなったの……悪い?」
キューン、と効果音がなり出しそうなほど膣穴が疼いた。その顔と言葉は私の心臓を鷲掴みし、ぶんぶんと大きく揺さぶって高ぶらせる。
なにその…ちっちゃい子の駄々っ子みたいな可愛い理由!ずるい!!
「よしよーし、よく頑張ったでちゅねー」って赤ちゃんみたいに撫でまくりたい!
思い切り抱きしめながらディープキスして、めちゃくちゃにしたい!!
滝のように溢れ出る妄想と衝動をどうにか抑えながら、私は花音の珍しく弱った顔をにやにやと眺め続ける。彼女は、その無遠慮な視線に気づくなり、両手で私に目隠しをして「見るな馬鹿」と小さく呟いた。
再びキュンキュンタイムがやってきたところで、どこからともなく、カリヨンの鐘のような音に邪魔される。
…そういえば改めて考えると、ここはどこなんだろう。
何もないような左右上下、どこかしこも真っ白な空間。
再び花音と会えた嬉しさで、我を忘れて前戯に勤しんでいたものの、確かに私たちは死んだのだ。
あの日浴室で。
カッターでお互いの腕を大きく掻っ切ってから、水面に朱く広がっていく美しい波紋を二人で見ながら、私たちは熱くて溶けるような情熱的な口付けを交わして、静かに散った。
音は花音にも届いているようで、お互い顔を見合わせて、仲良く首を傾げた。
突如、眩暈のような気持ち悪さが身体を突き抜け、脳内に、自分以外の思考が入り込んで来るような奇妙な感覚に陥った。
そして、確実に自意識ではない言葉が、ゆっくりと頭の中を流れていく。
私は訳の分からない恐怖を感じて花音に抱きついたが、彼女は変に落ち着いた表情で、少しだけ目を細めて、脳内に羅列されていく言葉を読み始めた。
「『死に急いた愚かな者達よ。救いを乞いなさい。さすれば、望みを聞いてあげましょう。汝の大切なモノ一つと引き換えに、其の望みを叶えます。真に大切とは何か、己に問い掛け、大いに考えなさい。』……随分難儀ね」
花音が吐き捨てるように呟くのも頷ける。
私たちが共通で望むこととしては「結ばれること」。そして大切なモノは「私は花音、花音は私」。これだけでも矛盾している。
ずっと花音の肩に顔を押し付けていたが、少しだけ離れて彼女の顔を覗くと、何やら真剣な顔で考え込んでいるようだった。
花音は学校の成績こそ奮わず、同級生からは馬鹿だ馬鹿だと言われているらしいが、誰も彼女のことを真に侮って見下している人間は、一人としていない。私の知っている限りであれば。
彼女は思慮深い。本来なら絶対に考えないようなことを真剣に考え、自分なりの答えを出すまで、どれだけ時間がかかっても諦めない。そんな不器用なところも、いじらしくてポイントが高かったり…。
テストでは計れない魅力が、花音にはあった。
やがて、何か思いついたように頭上を見上げ、大きく息を吐いた。
そして私の方を見たが、表情からは何も読み取れなかった。
「これ、2つ望みを叶えてもらえるってことだよ。朱音」
「え…そうなの?……あ、そっか」
最初に話しかけているのは私たち二人であるが、そこから問いかけているのは「汝」、複数形じゃない。
「……でさ、これは確認してみないと分からないんだけど……、私は『私と朱音が結ばれる世界』を望む代わりに『私の記憶』を引き換えるから、朱音は『引き換えた記憶を取り戻す力』を望む代わりに、『朱音の記憶』を引き換えて。こうすれば、私たちが出会いさえすれば、完璧でしょ?」
「……!!すごい!すごいよ花音!!天才!大好き!!」
私は口にするだけでは満足できず、花音の頬にもキスをした。
彼女は口をもにょもにょと動かし、照れ笑いを浮かべていた。
「それじゃ…いい?『せーの』で行くよ」
「うん!」
「……っせーの」
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