食いしん坊のだいちゃん(他2作品)

ひまじんアルム

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食いしん坊のだいちゃん

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【食いしん坊のだいちゃん】

だいちゃんは食べることが大好き。

毎日お母さんの料理をお腹いっぱい食べてます。

「お母さん、料理上手だね。どれもこれも全部おいしいよ。」

そう言ってもらえて、お母さんも大喜び。はりきって料理を作ります。



だいちゃんは食べることが大好き。

ある日、だいちゃんは自分でおいしい料理を作りたいと思います。

自分で自分の大好きな料理をいっぱいいっぱい作って、お腹を満たしたいと思ったのです。

お母さんを真似て、いっしょうけんめい作りました。

けれど、上手くいきません。

「あれぇ?お母さんみたいに上手くできないや。
どうやったらおいしい料理を作れるのかな?
お母さんってすごいなぁ。
毎日おいしい料理作れるんだもん。」

するとお母さんはだいちゃんに言いました。

「だいちゃん。おいしい料理食べたかったら、毎日毎日いっしょうけんめい料理を勉強しなくちゃね。
お母さんも失敗することがいっぱいあったのよ?
何度も作って何度も失敗して、それでようやくおいしい料理を作れるようになるからね。
だいちゃんは大きくなったら料理人になるのかな?」

「う~ん、料理人になれたらいいなぁ。
そしたらおいしい料理いっぱい食べれるし。」

お母さんも嬉しそうにだいちゃんに言います。

「そうね。自分で料理を作れたらとっても素敵。
早く大きくなれるように、お母さんもいっぱい料理を作らなくちゃ。」


だいちゃんは食べることも、作ることも好きになりました。

だいちゃんは毎日の食事にも、お母さんにも感謝しながら、おいしい料理を食べて、すくすく育ちます。



そうしてだいちゃんは大人になりました。
大人になってもだいちゃんは食べることが大好き。

そしてだいちゃんは作ることも大好きです。
夢を叶えてついに自分のお店を持ちました。

「さぁ、これからおいしい料理をいっぱい作るぞ。」

だいちゃんは大人になるまで、いっぱいいっぱい料理を勉強しました。

お店はすぐにお客さんでいっぱいになります。

でもだいちゃんは満足しません。

「もっともっとおいしい料理を作らなくちゃ。」


だいちゃんは悩みました。
お店はお客さんでいっぱいでも、もっとおいしく料理を作ることができると思っていたのです。

だいちゃんは悩みに悩んで、ついにお店を休んでしまいました。

お客さんは残念そうに言います。
「このお店、しばらくお休みなんだね。
残念だなぁ。」


だいちゃんはお店を休んでいる間、色々なお店に食べに行きました。

他の人がどんな料理を作っているのか、勉強しようと思ったのです。

でも、どのお店の、どんな料理を食べても、だいちゃんの悩みは解決しません。

「おいしいんだけどなぁ?
僕の料理とあんまり変わらないや。
もっとおいしい料理を作るには、どうしたらいいんだろう?」


だいちゃんはいっぱいいっぱい悩みました。

たくさんのお店に行って、たくさんの料理を食べました。

でも、だいちゃんは答えが出ません。

そのうち、だいちゃんはお金がなくなっていきます。



仕方がないので、だいちゃんは悩んだまま、自分のお店を再開しました。

料理を作りながら、おいしくなるようにいっぱいいっぱい心を込めます。

最後に手を合わせて祈りました。

「せめて、お客さんの為に、おいしい料理になりますように。」


その料理を食べたら、お客さんはびっくり。

「おいしい……。」

思わず一瞬、手を止めるほど、お客さんはびっくりしたのです。

そして、お客さんは全員おかわりをしました。


だいちゃんは気づきました。

「そうか!食べてくれる人のことを思って、おいしい料理をいっしょうけんめいに、心を込めて作ればいいんだ!
お客さんがいるから、僕の料理が生きるんだ!」


その日から、だいちゃんのお店はますますお客さんでいっぱい。


だいちゃんは神棚に手を合わせて、今日も祈ります。


「今日も、おいしい料理が作れますように。」



おしまい。


【悪魔のふくろ】

ある日、ママに連れられて中古屋に服を買いに行くみつるくん。

服なんかは適当にママが選んだものを買いましたが、黒いふくろが見つかりました。

よく見てみると牙のようなものがあります。

「なんだか不思議なデザインだなぁ。」

値段は税込み100円。一目惚れしたみつるくんはママにお願いしました。

「もう。仕方ないわね。」

みつるくんは内心、大喜び。

「変わったデザインがいいんだよな。」


ある日、みつるくんは大好きなお菓子をふくろに入れました。
家に持ち帰り、いざそのお菓子を食べようとしたらお菓子がありません。

「あれ?確かに入れたのにどうしたのかな?」

仕方なくみつるくんはお菓子を諦めました。
そんな事が何度も起こり、みつるくんはお菓子を入れるのはやめました。

「何のためにこんなふくろがあるんだろう?」

でもみつるくんは考えを改めました。
学校にふくろを持っていき、嫌いな食べものをふくろにこっそり入れました。

するとふくろは食べてくれました。

「これは便利だ。」

それからみつるくんは学校にふくろを持ってきました。

ママにはないしょです。、
給食で食べれないものをふくろにぽい。
ふくろは食べてくれます。



ある日、ママがみつるくんに「勉強しなさい」と言います。
みつるくんはつぶやきました。

「うるさいなぁ。ママもふくろに食べられればいいのに。」

するとふくろはモゾモゾ動きます。

「ま、まさか!」

いつの間にかママはみつるくんの部屋にいました。まるで何かに取り憑かれたようにママはふくろに近づきます。

「ママ!ふくろに近づいたらダメだ!」

ママはゆっくりふくろに食べられていきます。

「ママ!ママ!食べないで!ママを返してよ!お願いだから返して!」

するとママの姿は消えます。
みつるくんの部屋のドアをノックして、ママが入ってきます。

「なぁに?みつるくん何を騒いでるの?ふくろなんかに話しかけて。変な子。」

なぜかママは無事でした。

みつるくんは怖くなって、すぐにふくろを捨てました。

みつるくんは嫌いな食べ物を食べるようになりました。

ママの言いつけを守るようになりました。

素直になったみつるくんはぐんぐん成績がよくなりました。


ふくろは、いつの間にかゴミ捨て場から消えていました。

みつるくんは、ただただ祈るばかりです。

「どうか誰にも拾われていませんように。」


おしまい


【大どろぼうのパピン】

「俺は大どろぼうのパピン。俺に盗めないものはないさ!」

今日も大都会ではパピンが盗み放題。
お巡りさんもあっちへ行ったり、こっちへ行ったり大あわて。

パピン「ほらほら、お巡りさん。こっちだよ」
お巡りさん「く、クソ!今日こそ捕まえるぞ!」

いつものやり取りです。
パピンは盗むだけ盗んだら、お巡りさんを引っかき回し、笑いながらどこかへ去って行きます。

時刻は夜中。パピンを照らすお月様は笑っているのか、泣いているのか?

やがてパトカーのサイレンも遠ざかって行きます。
お巡りさん「クソ!今日も捕まえられなかった!」

お巡りさんたちはとても悔しがりました。


一方、パピンは盗んだお宝をアジトに持って行きます。
パピン「今日も稼いだなぁ。ちょっと飲みに行くか。もう大都会じゃダメだから、ちょっと田舎の方へ行くかな。」

パピンはほとぼりが冷めるまで田舎の方へ行く事に決めました。

へんぴな田舎の方で高級な料理を食べたい放題食べてお酒もいっぱい飲みました。
でも、パピンはどこか虚しい思いをしています。

てきとうなホテルで夜を明かし、朝方、パピンは田舎の町をブラ付きます。

パピン「こっちにはたまにしか来ないんだよなぁ。町の様子はどうかな?変わってるかな?いざ逃げる時の為に道を確かめるか。」

道を確かめていたら、ちょっとした広場に出ました。そこにりんご売りの娘を見つけます。

りんご売りの娘「りんごはいりませんか~?美味しいりんごですよ~。」

パピンは気まぐれに1個買おうと思います。
パピン「1個くれ。」
りんご売りの娘「ありがとうございます。」
パピン「前に来た時にはいなかったな。最近りんご売りを始めたのか?」
パピンはりんごをかじりながら聞きます。
りんご売りの娘は恥ずかしそうに答えました。
りんご売りの娘「ええ、そうなんです。お母さんが病気で亡くなってしまって。弟たちを食べさせていかないといけなくて。まともに働けるのは私くらいですから。でも、私もそんなに取り柄がないものですから、りんご売りくらいしかできなくて……。」

パピンは、これもまた気まぐれに、
パピン「そうか。じゃ、あと2~3個買おうか。」
と言います。
りんご売りの娘「え?良いんですか?」
パピン「りんご、美味かったよ。また買わせてくれ。」
りんご売りの娘は感動で目を潤ませながら、パピンに何度もお礼を言いました。

次の日も、またさらに次の日も、パピンはりんごを買いました。

パピンとりんご売りの娘は仲良くなりました。

ある日、パピンはりんご売りの娘に言いました。
パピン「おい。いつもしていたネックレスはどうした?」
りんご売りの娘は悲しそうに答えます。
りんご売りの娘「盗まれて……しまいました。」
パピン「えっ!?」
りんご売りの娘「仕方ありません。ウチで高価な物と言えばネックレスくらいですし……。お母さんの、大事な形見だったんですけどね……。」
りんご売りの娘は声を出さずに泣きました。

パピンは決めました。
パピン「俺に任せとけ。」
今度はりんご売りの娘が驚きます。
りんご売りの娘「えっ!?」
パピン「どうにかしてやるって言ってんだよ。」


パピン「俺は大どろぼうのパピン。俺に盗めないものはないさ。」


1週間ほど探し回って、パピンはようやくネックレスを見つけます。
パピン「この家か。見た目、豪華なのに俺と同じような事してるのかねぇ?まぁ良いや、今夜は新月。お月様も姿を隠してくれる。待ってろ。今度は俺が盗んでやる。」

パピンは夜になるのを待ちました。
いよいよ盗みに入る時です。
家の明かりがすっかり消え、町中が寝静まりました。

こっそり盗みに入るパピン。いつも通り、慣れた手つきで目的のネックレスを見つけました。
パピン「良し。確かにこれだな。他のものも盗んでやりたいが、まぁ良いだろう。さっさと帰るか。」

その時、部屋の明かりがつきました。パッと明るくなる室内。パピンの姿はハッキリと見つかってしまいました。
家主「あっ!お前、誰だ!?」
パピン「やばいッ!」
パピンは逃げるように窓から外へ出ます。
家主「ま、待て!!」

パピンの初めての失敗です。でも、そんな事さえパピンには、どうでも良かったのです。

パピンは、こっそりと、ホテルにも帰らず、夜明けを待ちました。


朝になり、広場でりんご売りの娘を探しました。
りんご売りの娘はすぐに現れました。
りんご売りの娘「あら?パピンさん。今朝は早いんですね。」
パピン「ほらっ。この間言ってたもの、取り返してやったぜ。」
りんご売りの娘「あっ!本当に!?あぁ、本物だ……。嬉しい。ありがとうございます!ありがとうございます!」

その瞬間、広場をお巡りさんが囲みます。大都会から呼ばれたお巡りさんたちです。
お巡りさん「パピン。お前らしくないミスだな?もう逃げられんぞ。」
パピン「逃げねぇよ。それより、あそこでコソコソしてるアイツ、俺と同じどろぼうだぞ?きっとアイツがネックレスを盗んだんだろうが、家を捜索してみな?他にも盗んだものだらけのはずだ。」

昨夜の家主がびっくりします。
家主「え?ち、ちょっと!お巡りさん!パピンのやつがデタラメ言ってるだけで……。ええ!?手、手錠?」

慌てる家主と落ち着き払ってるパピン。お巡りさんは戸惑います。
お巡りさん「パピン。どういう事か聞かせてもらえるな?」
パピン「もちろん。」

りんご売りの娘はすぐに、どういう事なのか理解しました。
大どろぼうのパピンが、たかがネックレスひとつの為に、自分が捕まってでも取り返してくれたのだと。

りんご売りの娘「パピンさん。これ、もらってください。」
そう言ってりんごを1個、差し出します。
パピンはりんごを受け取り、シャクっと1口食べます。


パピン「あぁ、今まで食べた、どんな高級料理よりも美味いじゃねぇか……。」


パピンはお巡りさんと一緒に町を去りました。


~完~

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