24 / 84
夜盗
しおりを挟む
(なかなか大きな村だ。しばらく隠れ住むにはうってつけかもしれん)
麓の村を一望し、十郎はしばらく思案した。
「姫様。俺の作戦に協力してくれ。俺は一芝居打つ。姫様も一つ頼む」
十郎は川で洗濯をしている老婆へ近づき、笑顔で話しかけた。
「頼みがある。洗濯を手伝うから一晩泊めてほしい。連れも一緒だ」
老婆は一瞬怪訝な顔をしたが、十郎の目つきを見て頷いた。
「娘さんは足をくじいているようだね。お前さんたちはどういう仲だい?」
「俺はただの風来坊さ。娘が山道で倒れていたのでちょいと助けたのさ」
老婆はぎょろりと十郎を見て、じっくりと雪姫を見た。
「まあいい。洗濯を終えたら家に来な。飯くらいは食わせてやるよ」
粗末な老婆の家で十郎が眠りにつこうとしたとき、村中が騒がしくなった。
「また奴らが来たようだね。お前さんたちには関係ないから静かにしてな」
老婆はそう言って外の様子を見た。
「あの野武士ども。この村から盗めるだけ盗もうってんだね。ひどい話さ」
十郎がちらりと外を見ると、武装した夜盗の集団が村を荒らしていた。
同じように外を見た雪姫は憤怒の表情で宝刀をすらりと抜いた。
麓の村を一望し、十郎はしばらく思案した。
「姫様。俺の作戦に協力してくれ。俺は一芝居打つ。姫様も一つ頼む」
十郎は川で洗濯をしている老婆へ近づき、笑顔で話しかけた。
「頼みがある。洗濯を手伝うから一晩泊めてほしい。連れも一緒だ」
老婆は一瞬怪訝な顔をしたが、十郎の目つきを見て頷いた。
「娘さんは足をくじいているようだね。お前さんたちはどういう仲だい?」
「俺はただの風来坊さ。娘が山道で倒れていたのでちょいと助けたのさ」
老婆はぎょろりと十郎を見て、じっくりと雪姫を見た。
「まあいい。洗濯を終えたら家に来な。飯くらいは食わせてやるよ」
粗末な老婆の家で十郎が眠りにつこうとしたとき、村中が騒がしくなった。
「また奴らが来たようだね。お前さんたちには関係ないから静かにしてな」
老婆はそう言って外の様子を見た。
「あの野武士ども。この村から盗めるだけ盗もうってんだね。ひどい話さ」
十郎がちらりと外を見ると、武装した夜盗の集団が村を荒らしていた。
同じように外を見た雪姫は憤怒の表情で宝刀をすらりと抜いた。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
1
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる