魔法熟女三姉妹の物語

北条丈太郎

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魔法少女軍襲来!

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「お~~い! お前ら大変だぞ! お、美味そうだなアタイも食うぞ」
部屋に走りこんできたシーナは満面の笑みで一同に話しかけつつマンデーが食べかけていた料理を一気に食べ、しばらくむせこんでから再び笑って口を開いた。
「あのよお、この地下街に向かって魔法少女たちが攻め込んでくるらしいぜ!」
シーナの言葉を聞いてマンデーの表情は凍り付き、マリーは眉をしかめた。
「んでよお、魔族男たちが戦いに出るからアタイらも手伝えって話になってるぜ」
それからしばらくしてジョーの使いと称する魔族男がメリーたちの部屋を訪れ、メリーたちを地下街のさらに地下にある一室へと案内した。
「……ここは我々シンハーの司令部となっている一室です。ここで我々は常に魔法少女たちの動向をチェックしています。シーナさんには伝えましたが、いよいよ魔法少女の一軍がこの地下街を殲滅するために魔王城から派遣されたようなのです。我々はすでに防衛部隊を地上に展開させましたが、正直言って厳しい戦いになるでしょう」
メリーたちを迎えたジョーは暗い顔で言い、部下にあれこれと指示を出した。
「お願いですメリーさん。あなたがたの魔力を我々に貸してください。魔法少女たちを撃退してくれればあなたがたを地下街から解放することを約束します」
そう言われたメリーは顔を怒りで赤くしてジョーに言い返した。
「今さらあんたの約束なんて信じられないねえ。でも地上に出て戦えってんなら戦ってやるよ。魔法少女どもを全部燃やしたらここには戻らないよ、いいねジョー」
メリーの言葉を聞いたジョーが無言で部下に指示すると部下たちはぼんやりしていたミリーを縄で縛りあげてその首筋に銃口を突き付けた。
「……メリーさんがそう言うと思ったので非常手段をとらせていただきました。ミリーさんは人質です。申し訳ありませんがあなたがた三人で迎撃に出てください」
「……そこまでするかいジョー。覚えときな、戦いが終わったら必ずあんたを燃やす!」
「……了解ですメリーさん。ミリーさんがいない分を少しでもカバーするようマンデーの道具を返します。マンデー、メリーさんたちを地上出口へ連れて行きなさい」
マンデーはジョーに渡された紫色のドレスとステッキを手にしてしばらくうつむいていたが、やがて意を決したように司令室を出て歩き出した。
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