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古都に転移した魔女三姉妹
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古都ラマクの大通りは多くの人出でにぎわっていた。数年に一度の祭りが催され、出店が並び、あちらこちらの寺院は参拝客であふれかえっていた。
「ナムナムナム……本年もどうか平和であれ」
一人の老人が寺院の本尊を拝んでいたとき、本尊が光り輝いて突如三人の女が現れた。
「ん? ここはどこだい? 辛気臭い寺じゃないか。マリー? ミリー?」
本尊を拝んでいた老人は眼前に現れた赤い髪の魔女の姿に驚き、泡を吹いて倒れた。
「姉さん、メリー姉さん。あのサマンサという老婆に魔法をかけられたのよ私たち。ワイハの地下街にいたはずなんだけど、魔法でどこかに飛ばされたようね」
周囲を見回して状況を確認したマリーがメリーに言った。
「ふうん、転移魔法ってやつかねえ? あの婆さんはたいした魔女じゃないか。そういえば、あの婆さんに何やら頼まれたような気がするけど思い出せないねえ」
メリーは頭に手をやって思い出そうとしたが、すぐにあきらめた。
「姉ちゃん、なんか息子を助けてくれって言ってたよ。ミリーはちょっと覚えてる」
ミリーは周囲をきょろきょろ見渡しながらメリーに言った。
「そうかいミリー。そんなことよりここはどこなんだい? 何やらにぎやかだし食べ物の臭いもするね。どっかの街みたいだけどアタシの好きな雰囲気だね」
「……おお! ここはラマクだよ! アタイの生まれた街だぜ!」
感激した様子のシーナが飛び跳ねて叫んだ。
「ラマク? なんとなく覚えてるねえ。グロウ村から近い街だったかねえ?」
メリーは辺りの光景を見ると目を細め、幼いころの記憶を呼び覚まそうとした。
「そうね姉さん。ラマクはグロウ村から近かったわ。サフジからも近かった街よ」
「う~~ん? こんな街だったかねえ? 昔よりにぎやかなんじゃないかねえ。寺ばっかりだったのはなんとなく覚えてるねえ。 まあいい、祭りみたいだから混ざってみよう」
メリーは言うや否や屋台に近づき、店主に満面の笑みを見せた。
「酒をおくれよ店長。金は出せないけど火の魔法なら出せるよアタシは」
メリーの手のひらに火が浮かび、屋台の店主は火とメリーの顔をしげしげと眺めた。
「……んむう? 似ていらっしゃる。あなたさまはもしや?」
「ナムナムナム……本年もどうか平和であれ」
一人の老人が寺院の本尊を拝んでいたとき、本尊が光り輝いて突如三人の女が現れた。
「ん? ここはどこだい? 辛気臭い寺じゃないか。マリー? ミリー?」
本尊を拝んでいた老人は眼前に現れた赤い髪の魔女の姿に驚き、泡を吹いて倒れた。
「姉さん、メリー姉さん。あのサマンサという老婆に魔法をかけられたのよ私たち。ワイハの地下街にいたはずなんだけど、魔法でどこかに飛ばされたようね」
周囲を見回して状況を確認したマリーがメリーに言った。
「ふうん、転移魔法ってやつかねえ? あの婆さんはたいした魔女じゃないか。そういえば、あの婆さんに何やら頼まれたような気がするけど思い出せないねえ」
メリーは頭に手をやって思い出そうとしたが、すぐにあきらめた。
「姉ちゃん、なんか息子を助けてくれって言ってたよ。ミリーはちょっと覚えてる」
ミリーは周囲をきょろきょろ見渡しながらメリーに言った。
「そうかいミリー。そんなことよりここはどこなんだい? 何やらにぎやかだし食べ物の臭いもするね。どっかの街みたいだけどアタシの好きな雰囲気だね」
「……おお! ここはラマクだよ! アタイの生まれた街だぜ!」
感激した様子のシーナが飛び跳ねて叫んだ。
「ラマク? なんとなく覚えてるねえ。グロウ村から近い街だったかねえ?」
メリーは辺りの光景を見ると目を細め、幼いころの記憶を呼び覚まそうとした。
「そうね姉さん。ラマクはグロウ村から近かったわ。サフジからも近かった街よ」
「う~~ん? こんな街だったかねえ? 昔よりにぎやかなんじゃないかねえ。寺ばっかりだったのはなんとなく覚えてるねえ。 まあいい、祭りみたいだから混ざってみよう」
メリーは言うや否や屋台に近づき、店主に満面の笑みを見せた。
「酒をおくれよ店長。金は出せないけど火の魔法なら出せるよアタシは」
メリーの手のひらに火が浮かび、屋台の店主は火とメリーの顔をしげしげと眺めた。
「……んむう? 似ていらっしゃる。あなたさまはもしや?」
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