魔法熟女三姉妹の物語

北条丈太郎

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エピローグ

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俺は大人になってもゲームをやっている。子供のころに散々遊んだゲームだ。
ゲームをやめろと言っていた姉も、もういない。
子供のころは口うるさい姉だと思っていたが、いなくなると寂しいものだ。
俺の部屋には姉の置き土産がある。姉が気に入っていたゲームのグッズだ。
妖精のぬいぐるみで、名前は確か、モモとかいうやつだ。
寝る前にこのぬいぐるみを見てしまうと夢にゲームの話が出てしまう。
昨日も夢にゲームの話が出た。このぬいぐるみのせいだろう。
俺は思い切ってぬいぐるみを捨てることにした。
姉には悪いと思ったが、夢の中にゲームの話が出るとゲームをやめられない。
ぬいぐるみを捨てた翌日。姉から小包が届いた。
中には新作のゲーム小説と、新しいぬいぐるみが入っていた。
小説は小説家になった姉が書いた新作らしい。
タイトルは『魔法帝国の野望2』だった。
俺はたまらなくなり、新しいゲーム機と『魔法帝国の野望2』を購入した。
ゲーム機の電源を入れたが最後、俺はまたゲームの世界に吸い込まれた。
別世界の中で俺はまた王子になり、お供の妖精モモと新しい冒険を始めた。
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