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いちご夢野先生と睦月拓馬
野バラ先生と大事な打ち合わせ
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スナック桜という小さな店は拓馬が住むアパートと湘南市駅の中間くらいにあった。
そこは安く飲める店であったため、拓馬は憂さ晴らしによく通っていた。さらに奇縁というべきか、ママをやっているのは拓馬が塾講師のアルバイトをやっていたときの生徒であった。拓馬はほとんど忘れていたが、ママの太田真美は拓馬をよく覚えていた。ママは生徒時代に拓馬を好きだったこともあり、拓馬が来店したときはタダ同然のお勘定にしてくれることもあった。
その日、拓馬は山川若菜を連れてスナック桜に入店した。ママは拓馬の顔を見ると微笑んだが、若菜の顔を見ると眉をしかめた。若菜もママの顔を見ると表情を曇らせた。
「小さいけどいい店なんだよここは。客も友達とか顔見知りばっかりだしね、どう?」
やや張り詰めた空気に気付かなかった拓馬は若菜に席を勧め、自分はその正面に座った。
「いらっしゃい睦月先生、いえ拓馬さん。いつものでいいですか? こちらはお仕事のお相手ですか? 小さい店ですけどごゆっくり」
ママはカウンターの奥に戻りつつ、若菜の様子をじっと見た。若菜もママの様子をじっと見た。
「えっと、今日はね。野バラ先生と仕事の話をしたいんだ。いいかな若菜さん。じゃあ……」
拓馬は若菜に同意を求めたが、若菜は黙って顔をそらし、カウンターを見ていたので続けた。
「野バラ先生の漫画のおかげで事業の先行きが少し明るくなってきた。でも問題が……」
そこへママが飲み物を持ってきた。それをテーブルに置くとママは拓馬の隣に座った。
「問題ってなんや? 野バラ先生の漫画は人気があって収入につながってるって言ってたやん。ああいうレディースコミックってけっこう需要があるんやな」
「そのレディコミの内容が過激だって通報があったみたいで、今のサイトから削除されるかも」
拓馬はそこまで言って肩を落とした。
そこは安く飲める店であったため、拓馬は憂さ晴らしによく通っていた。さらに奇縁というべきか、ママをやっているのは拓馬が塾講師のアルバイトをやっていたときの生徒であった。拓馬はほとんど忘れていたが、ママの太田真美は拓馬をよく覚えていた。ママは生徒時代に拓馬を好きだったこともあり、拓馬が来店したときはタダ同然のお勘定にしてくれることもあった。
その日、拓馬は山川若菜を連れてスナック桜に入店した。ママは拓馬の顔を見ると微笑んだが、若菜の顔を見ると眉をしかめた。若菜もママの顔を見ると表情を曇らせた。
「小さいけどいい店なんだよここは。客も友達とか顔見知りばっかりだしね、どう?」
やや張り詰めた空気に気付かなかった拓馬は若菜に席を勧め、自分はその正面に座った。
「いらっしゃい睦月先生、いえ拓馬さん。いつものでいいですか? こちらはお仕事のお相手ですか? 小さい店ですけどごゆっくり」
ママはカウンターの奥に戻りつつ、若菜の様子をじっと見た。若菜もママの様子をじっと見た。
「えっと、今日はね。野バラ先生と仕事の話をしたいんだ。いいかな若菜さん。じゃあ……」
拓馬は若菜に同意を求めたが、若菜は黙って顔をそらし、カウンターを見ていたので続けた。
「野バラ先生の漫画のおかげで事業の先行きが少し明るくなってきた。でも問題が……」
そこへママが飲み物を持ってきた。それをテーブルに置くとママは拓馬の隣に座った。
「問題ってなんや? 野バラ先生の漫画は人気があって収入につながってるって言ってたやん。ああいうレディースコミックってけっこう需要があるんやな」
「そのレディコミの内容が過激だって通報があったみたいで、今のサイトから削除されるかも」
拓馬はそこまで言って肩を落とした。
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