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興味本位の婚約
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「なんだこいつ! 王子みたいな格好しやがって。気に入らん、近づくんじゃねえ金持ち小僧!」
子供たちに近づいたカーンは赤い髪の大きな少年にいきなり殴られ、頭に血が上って殴り返した。
「へへ、弱いなお前。みんなでやっちまおう!」
少年が仲間に指示してカーンを取り囲むと、リンダが駆けつけてカーンの前に立ち、少年たちをにらみつけた。
「卑怯者! 男なら正々堂々一対一で戦いなさい! それが嫌なら私と戦いなさい! この方はいずれ帝国を背負って立つお方なのです!」
鬼気迫る少女の叫びに少年たちはたじろぎ、輪を解いて後ずさった。
「……そうか、余が眠っている間にそんな面白いことがあったのか」
王宮に戻った後、キーン・ボルジュは騒動の詳細を聞いて楽しそうに笑った。
「陛下、主犯の少年ジョー・ホークはいかがいたしましょう?」
「そうだな、カーンには同じ年頃の男友達がおらんな。近衛兵見習いにでもしておけ。それよりリンダ・ディアスが気に入った。カーンの婚約者にでもしようか。あの娘は皇国出身だろう。見た目も度胸もいい。面白そうだ」
笑い続ける皇帝キーンに対し、家臣たちはただ沈黙した。
子供たちに近づいたカーンは赤い髪の大きな少年にいきなり殴られ、頭に血が上って殴り返した。
「へへ、弱いなお前。みんなでやっちまおう!」
少年が仲間に指示してカーンを取り囲むと、リンダが駆けつけてカーンの前に立ち、少年たちをにらみつけた。
「卑怯者! 男なら正々堂々一対一で戦いなさい! それが嫌なら私と戦いなさい! この方はいずれ帝国を背負って立つお方なのです!」
鬼気迫る少女の叫びに少年たちはたじろぎ、輪を解いて後ずさった。
「……そうか、余が眠っている間にそんな面白いことがあったのか」
王宮に戻った後、キーン・ボルジュは騒動の詳細を聞いて楽しそうに笑った。
「陛下、主犯の少年ジョー・ホークはいかがいたしましょう?」
「そうだな、カーンには同じ年頃の男友達がおらんな。近衛兵見習いにでもしておけ。それよりリンダ・ディアスが気に入った。カーンの婚約者にでもしようか。あの娘は皇国出身だろう。見た目も度胸もいい。面白そうだ」
笑い続ける皇帝キーンに対し、家臣たちはただ沈黙した。
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