長いタイトル、くそ喰らえ。

mimikan

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面白くない話。2

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クロエは、空中に光る図形を睨みつけるようにして、疑問を口にした。

「練気と環気の違いは理解したけどさ。それと俺たちが魔法を使えるようになるのは、なんか関係あるのか? 遠回りしてる気がするんだけど」

クロエの合理的で前のめりな問いに、アイは表情一つ変えず、静かに頷いた。

「いい質問です、クロエさん。結論から申し上げますと、大いに関係があります」

アイの周囲で、青白い光の粒子がわずかに輝きを増した。

彼女は空中に、二つのバケツと、それをすくう手のイメージを投影する。

「魔法、すなわち魔力操作は、基本的に『環気』と『練気』のどちらかのタイプに属します。体質や魔力の通り道(経路)の構造が『練気』に適しているのに、『環気』のやり方で魔力を集めようとするのは、穴の空いたバケツで水をすくっているようなものです」

アイの瞳が、データ解析を行うかのように一瞬鋭く光る。

「その場合、どれだけ努力しても、魔力が発生、溜めれない。つまり、間違った努力をしても、魔法は一生使えない、という結果に繋がるのです」

アイは一旦説明を区切り、二人の興味を引く別の情報に移った。

「そもそも、人間が持っている脳の能力は、そのうちの10%程度しか使われていないと言われているのを知っていますか?」

彼女は、まるで心理学の講義をするかのように淡々と続けた。

「魔力を使うということは、この『脳のリミッター』を解放するプロセスと等しいと言えます。環気や練気といった、自身の体質に合った魔力操作の方法を会得することで、リミッターが開き、初めて魔力を意識的に使えるようになるのです」

アイは空中に文字を浮かび上がらせる。

 環気:瞑想、ジャーナリング(書く瞑想)等
 練気:極度の集中、武術を極める等

「これが、魔力操作のリミッター解除に効果があると言われている主要な手段です」

「ですが、これはあくまで一般論です」とアイは付け加えた。

「人それぞれで、何かの極度の緊張や、特別な経験をしたタイミングで急に使えるようになったり、ここの王族のように体質的に初めから容易に使えたりする者もいます。遺伝的な要素も強いのです」

最後に、アイは武術家たちの存在に言及し、魔法の定義を広げた。

「そして、この世界の武術の達人が『剣技』、『武技』、『スキル』などと呼んでいるものも、突き詰めれば全て魔法の応用です」

彼女は、青白い光で描いた図を整理し、二つのカテゴリに分けた。

魔法:遠距離攻撃、回復術など、外部に作用する現象
スキル:自己へのバフ(強化)、技の威力向上など、主に自己に作用する現象
 
「遠距離や回復を行うものを『魔法』、自分にバフをかけたり、技を強化したりするものを『スキル』と呼んで区別していますが、その根源は、環気や練気によって制御された魔力であり、基本的に同じであると理解して下さい」

アイの説明は、クロエとシズクに、改めて魔法という力の深さを感じさせた。
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