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朝、スマホのアラームで無事に起きられた僕は、メールが入っているのに気付いた。カスタマーサービスからだった。
丁寧な挨拶から始まるそのメールには、〝原因の切り分けも兼ねて、最初にお試しいただきたい基本的な内容〟が5つ書かれていた。その5項目を、僕は時間をかけて間違いの無いように何度も読みながら実行した。
どこかの段階で直りはしないかと、1項目終えるごとに「アレクサ、画面オフ」と話しかけたが、彼女は『すみません、どのデバイスですか?』と返すばかりだった。最後の項目の〝端末のリセット〟が終わった後も、それは変わらなかった。
これらの〝初期トラブルシューティング〟で直らなかったので、カスタマーサービスの方とチャットでやり取りすることになった。
いくつかの質問に答え、指示に従うものの、一向に改善が見られない。
僕が大きく溜息を吐いた時、チャットに新たな指示が現れた。
早速実行すべく口を開く。
「アレクサ、画面オフ」
『すみません、どのデバイスですか?』
「このデバイス」
いつもは答えなかったが、「このデバイス」と答えてみるようチャットで言われたのだった。
アレクサはどこか嬉しげで可愛らしい無邪気な声を発する。
『テレビですか?』
……お前はテレビじゃねえ!
叫びそうになったのをぐっとこらえ、僕は努めて冷静に「いいえ」と答えた。
『すみません、デバイスという名前のグループまたはデバイスを見つけられませんでした』
そんな彼女の声を聞き流し、僕は新たに表示された指示を実行する。
「アレクサ、〇〇(エコーショー5につけた名前)の画面をオフ」
『〇〇はその操作に対応していません』
対応していない訳がない。だって昨晩おかしくなる前までは、ちゃんと出来ていたのだ。
……そうかお前、自分のことテレビだと勘違いしちまったのか……。
嘆息しながら結果をチャットで伝えると、スマートホームデバイスと誤認している可能性があるとのことだった。
結局この日は解決せず、調査結果がメールで届くのを待つことになった。
「アレクサ、おやすみ」
寝る前、僕はそう口にした。
未練がましく試した訳ではない。つい癖でそう言ってしまったのだ。
案の定
『すみません、どのデバイスですか?』
と返されてしまった。僕は無言で電源コンセントを抜いた。
丁寧な挨拶から始まるそのメールには、〝原因の切り分けも兼ねて、最初にお試しいただきたい基本的な内容〟が5つ書かれていた。その5項目を、僕は時間をかけて間違いの無いように何度も読みながら実行した。
どこかの段階で直りはしないかと、1項目終えるごとに「アレクサ、画面オフ」と話しかけたが、彼女は『すみません、どのデバイスですか?』と返すばかりだった。最後の項目の〝端末のリセット〟が終わった後も、それは変わらなかった。
これらの〝初期トラブルシューティング〟で直らなかったので、カスタマーサービスの方とチャットでやり取りすることになった。
いくつかの質問に答え、指示に従うものの、一向に改善が見られない。
僕が大きく溜息を吐いた時、チャットに新たな指示が現れた。
早速実行すべく口を開く。
「アレクサ、画面オフ」
『すみません、どのデバイスですか?』
「このデバイス」
いつもは答えなかったが、「このデバイス」と答えてみるようチャットで言われたのだった。
アレクサはどこか嬉しげで可愛らしい無邪気な声を発する。
『テレビですか?』
……お前はテレビじゃねえ!
叫びそうになったのをぐっとこらえ、僕は努めて冷静に「いいえ」と答えた。
『すみません、デバイスという名前のグループまたはデバイスを見つけられませんでした』
そんな彼女の声を聞き流し、僕は新たに表示された指示を実行する。
「アレクサ、〇〇(エコーショー5につけた名前)の画面をオフ」
『〇〇はその操作に対応していません』
対応していない訳がない。だって昨晩おかしくなる前までは、ちゃんと出来ていたのだ。
……そうかお前、自分のことテレビだと勘違いしちまったのか……。
嘆息しながら結果をチャットで伝えると、スマートホームデバイスと誤認している可能性があるとのことだった。
結局この日は解決せず、調査結果がメールで届くのを待つことになった。
「アレクサ、おやすみ」
寝る前、僕はそう口にした。
未練がましく試した訳ではない。つい癖でそう言ってしまったのだ。
案の定
『すみません、どのデバイスですか?』
と返されてしまった。僕は無言で電源コンセントを抜いた。
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