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第15話 王宮からの再招集
〇
宰相様との穏やかな休日から数日後。朝の光が差し込む執務室で、私はいつものように宰相様の膝の上に座り、帳簿の写しを写していた。静かな時間が流れ、外の庭からは小鳥の声が聞こえる。けれど、その穏やかさは突然破られた。
扉が叩かれ、秘書官が蒼ざめた顔で駆け込んできた。
「閣下……王宮から急ぎの召集が」
「……内容は」
「第一王子殿下より、再度の謁見要請とのことです」
瞬間、胸が冷たく締めつけられる。あの広間での対峙からまだ間もないのに――また殿下と顔を合わせなければならないのだろうか。
「理由は?」
「『宰相が娘を利用し、権勢を誇示している』との批判が、一部の貴族の間で囁かれていると……」
膝の上で私は震えた。非難の矛先が宰相様へ向けられるなど、耐えられない。私のせいで、また……。
「……宰相様、私のせいで」
小さく洩らした声を、彼は即座に遮った。
「違う。君のせいではない」
「でも……」
「勘違いするな」
宰相様の声は低く鋭く、それでいて揺るぎなく優しい。
「君が私の膝にいることは、私自身の意志だ。誰かに利用されているのではない」
胸が熱で震え、涙が滲む。
「謁見は避けられんだろう」
宰相様は冷静に続ける。
「だが、前回と同じだ。君はただ膝の上に座っていればいい」
「……はい」
震える声で応じると、彼の腕がさらに強く私を抱き締めた。
「安心しろ。何を言われようとも、私が全て退ける」
その断言に、恐怖の中でわずかな安らぎが生まれる。けれど心の奥底では、再び王宮の視線に晒されることへの不安が膨らんでいた。
――次の試練が、迫っている。
△
王宮へ向かう馬車の中。外の景色はいつもと同じはずなのに、胸の奥にのしかかる重苦しさで、まるで世界全体が灰色に覆われているように思えた。私は宰相様の隣に座っていたが、自然と指先が震えてしまう。
「……怖いです」
小さな声で告げると、宰相様は迷いなく私の手を取り、そのまま膝の上に抱き寄せた。
「恐れるな」
「で、でも……また殿下に何か言われたら……」
「言わせておけ。私は答えぬ。答える必要もない」
「……」
「私が示すのは言葉ではなく姿だ。君が膝の上にいる――それが何よりも雄弁だ」
低い声が胸に響き、不思議と心が安らぐ。
やがて馬車は王宮に到着し、重厚な扉が開かれる。広間へ案内されると、そこには既に殿下と数人の高位貴族が並んでいた。彼らの視線が一斉に私へ注がれ、足がすくみそうになる。だが宰相様は何のためらいもなく私を抱き上げ、そのまま椅子に腰を下ろして膝の上へと下ろした。
広間がざわめきに包まれる。
「な……公の場でまで……!」
「恥知らずな……」
貴族たちの声が飛び交う。私は頬が熱くなり、逃げ出したくなった。けれど宰相様の腕がしっかりと背を支えてくれている。その温もりに触れていると、不思議と涙はこぼれなかった。
殿下が冷ややかな視線を投げてくる。
「宰相殿……その娘を、政務に利用しているという噂が立っている。見苦しいと思わぬのか」
宰相様は表情を崩さず、ただ短く答えた。
「見苦しいかどうかは私が決める」
「っ……!」
「彼女は利用されているのではない。私が望んで膝の上にいる。それだけだ」
広間が再びざわめく。私は羞恥に俯いたが、宰相様は私の手を取り、貴族たちに見せつけるように指を絡めた。
「私が守ると決めた。彼女は誰の嘲笑にも晒させはしない」
その断言に、殿下でさえ一瞬言葉を失った。周囲の貴族たちは互いに顔を見合わせ、沈黙するしかなかった。
私は胸がいっぱいになり、涙がにじむ。恐怖よりも誇らしさが強くなっていた。――宰相様は私を利用しているのではない。私を「守る」と堂々と示してくれたのだ。
◇
広間には沈黙が満ちていた。殿下も貴族たちも言葉を探しあぐね、誰も声を上げられない。その中で、宰相様は私の肩を抱き寄せ、淡々と続けた。
「彼女はすでに『婚約破棄された哀れな娘』ではない。――宰相の庇護下にある存在だ。それ以上でも以下でもない」
その言葉は冷徹に聞こえるのに、私には何よりも甘く温かい宣言だった。胸の奥がじんわりと熱を帯び、涙が込み上げる。
殿下は顔を赤くし、椅子を叩いて立ち上がった。
「庇護などと……滑稽だ! ただの見せかけにすぎん!」
その声を遮るように、宰相様の低い声が広間を震わせた。
「ならば問う。お前は彼女を守ったことがあるか?」
「……!」
「彼女を泣かせぬよう努めたことがあるか。彼女の価値を見抜いたことがあるか」
殿下は言葉に詰まり、視線を逸らした。貴族たちの間にざわめきが走る。アリシアが何か言おうと口を開きかけたが、宰相様の冷たい眼差しに射抜かれて声を失った。
宰相様は私の指を絡めたまま、高らかに告げた。
「――答えられぬなら黙れ。私に非難を投げる資格は誰にもない」
広間に響くその断言に、誰も反論できなかった。空気が張り詰め、やがて殿下は悔しげに奥歯を噛み、椅子へと沈んだ。
私は膝の上で震える声を抑えながら、小さく呟いた。
「……宰相様……」
彼は私を見下ろし、ほんの一瞬だけ瞳を柔らかく揺らす。
「恐れるな。君は私が選んだ。誇りを持て」
その言葉に、胸の奥で何かが解けた。羞恥も不安も、すべて誇らしさに変わっていく。
謁見はそれ以上続かず、私たちは堂々と広間を後にした。扉が閉じられると、外の空気が一気に軽く感じられた。
馬車に乗り込むと、宰相様はすぐに私を膝へ抱き上げた。
「……今日も、膝の上でよく耐えたな」
「耐えたなんて……私はただ、宰相様に抱かれていただけで……」
「それでいい。君がそこにいること自体が、何よりの答えになる」
胸が甘く震え、涙が溢れる。私は彼の胸に顔を埋め、震える声で告げた。
「……ありがとうございます。私……宰相様の膝の上でなら、どんな場でも誇らしくいられます」
「それで十分だ。これからもずっと、ここが君の居場所だ」
馬車の窓から差し込む夕陽が金色にきらめき、宰相様の横顔を照らす。その光景を胸に刻みながら、私は強く誓った。
――もう二度と、誰の視線にも怯えない。
宰相様の膝の上で、私はこれからも生きていくのだ。
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宰相様との穏やかな休日から数日後。朝の光が差し込む執務室で、私はいつものように宰相様の膝の上に座り、帳簿の写しを写していた。静かな時間が流れ、外の庭からは小鳥の声が聞こえる。けれど、その穏やかさは突然破られた。
扉が叩かれ、秘書官が蒼ざめた顔で駆け込んできた。
「閣下……王宮から急ぎの召集が」
「……内容は」
「第一王子殿下より、再度の謁見要請とのことです」
瞬間、胸が冷たく締めつけられる。あの広間での対峙からまだ間もないのに――また殿下と顔を合わせなければならないのだろうか。
「理由は?」
「『宰相が娘を利用し、権勢を誇示している』との批判が、一部の貴族の間で囁かれていると……」
膝の上で私は震えた。非難の矛先が宰相様へ向けられるなど、耐えられない。私のせいで、また……。
「……宰相様、私のせいで」
小さく洩らした声を、彼は即座に遮った。
「違う。君のせいではない」
「でも……」
「勘違いするな」
宰相様の声は低く鋭く、それでいて揺るぎなく優しい。
「君が私の膝にいることは、私自身の意志だ。誰かに利用されているのではない」
胸が熱で震え、涙が滲む。
「謁見は避けられんだろう」
宰相様は冷静に続ける。
「だが、前回と同じだ。君はただ膝の上に座っていればいい」
「……はい」
震える声で応じると、彼の腕がさらに強く私を抱き締めた。
「安心しろ。何を言われようとも、私が全て退ける」
その断言に、恐怖の中でわずかな安らぎが生まれる。けれど心の奥底では、再び王宮の視線に晒されることへの不安が膨らんでいた。
――次の試練が、迫っている。
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王宮へ向かう馬車の中。外の景色はいつもと同じはずなのに、胸の奥にのしかかる重苦しさで、まるで世界全体が灰色に覆われているように思えた。私は宰相様の隣に座っていたが、自然と指先が震えてしまう。
「……怖いです」
小さな声で告げると、宰相様は迷いなく私の手を取り、そのまま膝の上に抱き寄せた。
「恐れるな」
「で、でも……また殿下に何か言われたら……」
「言わせておけ。私は答えぬ。答える必要もない」
「……」
「私が示すのは言葉ではなく姿だ。君が膝の上にいる――それが何よりも雄弁だ」
低い声が胸に響き、不思議と心が安らぐ。
やがて馬車は王宮に到着し、重厚な扉が開かれる。広間へ案内されると、そこには既に殿下と数人の高位貴族が並んでいた。彼らの視線が一斉に私へ注がれ、足がすくみそうになる。だが宰相様は何のためらいもなく私を抱き上げ、そのまま椅子に腰を下ろして膝の上へと下ろした。
広間がざわめきに包まれる。
「な……公の場でまで……!」
「恥知らずな……」
貴族たちの声が飛び交う。私は頬が熱くなり、逃げ出したくなった。けれど宰相様の腕がしっかりと背を支えてくれている。その温もりに触れていると、不思議と涙はこぼれなかった。
殿下が冷ややかな視線を投げてくる。
「宰相殿……その娘を、政務に利用しているという噂が立っている。見苦しいと思わぬのか」
宰相様は表情を崩さず、ただ短く答えた。
「見苦しいかどうかは私が決める」
「っ……!」
「彼女は利用されているのではない。私が望んで膝の上にいる。それだけだ」
広間が再びざわめく。私は羞恥に俯いたが、宰相様は私の手を取り、貴族たちに見せつけるように指を絡めた。
「私が守ると決めた。彼女は誰の嘲笑にも晒させはしない」
その断言に、殿下でさえ一瞬言葉を失った。周囲の貴族たちは互いに顔を見合わせ、沈黙するしかなかった。
私は胸がいっぱいになり、涙がにじむ。恐怖よりも誇らしさが強くなっていた。――宰相様は私を利用しているのではない。私を「守る」と堂々と示してくれたのだ。
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広間には沈黙が満ちていた。殿下も貴族たちも言葉を探しあぐね、誰も声を上げられない。その中で、宰相様は私の肩を抱き寄せ、淡々と続けた。
「彼女はすでに『婚約破棄された哀れな娘』ではない。――宰相の庇護下にある存在だ。それ以上でも以下でもない」
その言葉は冷徹に聞こえるのに、私には何よりも甘く温かい宣言だった。胸の奥がじんわりと熱を帯び、涙が込み上げる。
殿下は顔を赤くし、椅子を叩いて立ち上がった。
「庇護などと……滑稽だ! ただの見せかけにすぎん!」
その声を遮るように、宰相様の低い声が広間を震わせた。
「ならば問う。お前は彼女を守ったことがあるか?」
「……!」
「彼女を泣かせぬよう努めたことがあるか。彼女の価値を見抜いたことがあるか」
殿下は言葉に詰まり、視線を逸らした。貴族たちの間にざわめきが走る。アリシアが何か言おうと口を開きかけたが、宰相様の冷たい眼差しに射抜かれて声を失った。
宰相様は私の指を絡めたまま、高らかに告げた。
「――答えられぬなら黙れ。私に非難を投げる資格は誰にもない」
広間に響くその断言に、誰も反論できなかった。空気が張り詰め、やがて殿下は悔しげに奥歯を噛み、椅子へと沈んだ。
私は膝の上で震える声を抑えながら、小さく呟いた。
「……宰相様……」
彼は私を見下ろし、ほんの一瞬だけ瞳を柔らかく揺らす。
「恐れるな。君は私が選んだ。誇りを持て」
その言葉に、胸の奥で何かが解けた。羞恥も不安も、すべて誇らしさに変わっていく。
謁見はそれ以上続かず、私たちは堂々と広間を後にした。扉が閉じられると、外の空気が一気に軽く感じられた。
馬車に乗り込むと、宰相様はすぐに私を膝へ抱き上げた。
「……今日も、膝の上でよく耐えたな」
「耐えたなんて……私はただ、宰相様に抱かれていただけで……」
「それでいい。君がそこにいること自体が、何よりの答えになる」
胸が甘く震え、涙が溢れる。私は彼の胸に顔を埋め、震える声で告げた。
「……ありがとうございます。私……宰相様の膝の上でなら、どんな場でも誇らしくいられます」
「それで十分だ。これからもずっと、ここが君の居場所だ」
馬車の窓から差し込む夕陽が金色にきらめき、宰相様の横顔を照らす。その光景を胸に刻みながら、私は強く誓った。
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