パーティーから追放され、ギルドから追放され、国からも追放された俺は、追放者ギルドをつくってスローライフを送ることにしました。

さら

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第58話 立ち上がる者たち

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 戦場は炎と血に覆われていた。
 王の聖光は太陽のように輝き、剣を振るうたびに仲間が倒れていく。
 グレンもガンツも血に濡れ、フィオは気を失い、ロディとマリアの歌声も途切れた。

 旗は破れ、地は赤く染まり、誰もが膝をつきかけていた。

「……ここまでなのか」リナが震える声を漏らす。
 彼女の手はまだ鍋を握っていたが、その腕は震えていた。

「無駄だ。弱き者に未来はない」
 王の声が戦場を覆い尽くす。
「追放者ども、ここで終われ」



 その時――倒れていたグレンが、血まみれの体で大剣を支えた。
「終わり? ふざけんな……俺はまだ、生きてる!」

 隣でガンツも立ち上がる。
「俺だって……壁になるって決めたんだ!」

 二人はよろめきながらも前へ進んだ。



 フィオも杖を握りしめていた。
「……暴発って笑われても……この火は消えない」
 彼女の杖先に小さな炎が灯る。
「みんなを守るまで、私は立ち続ける!」



 ロディが竪琴を掴み、指を震わせながら弦を弾いた。
「声が途切れても……歌は消えない……!」
 マリアが隣でかすれ声を重ねる。
「歌う……最後まで……!」

 ふらつきながらも二人の歌が響き、仲間の心を再び奮い立たせた。



 セリウスは眼鏡を割りながらも地図を握りしめていた。
「まだ策はある……! 勝機は必ず……!」
 エレナとミーナは負傷者を必死に立たせ、薬と包帯で繋ぎ止める。
「立って! まだ戦える!」
「ここで倒れたら全部無駄になる!」



 その姿を見て、リナは鍋を高く掲げた。
「みんな……まだ生きてる! なら、私も負けない!」
 鍋の底で聖騎士を殴り飛ばし、叫んだ。
「追放者の居場所はここよ!」



 絶望に沈みかけた戦場に、再び火が灯った。
 倒れかけていた仲間たちが次々と立ち上がり、破れた旗を掲げる。

「俺たちは追放者だ!」
「でもここが俺たちの国だ!」
「最後まで生き残る!」

 その声は兵の心を震わせ、王都軍の前列が一瞬たじろいだ。



 王は聖光を強め、怒りに満ちた声を上げる。
「くだらぬ抵抗を! 余が直々に滅ぼしてくれる!」

 だが俺は剣を掲げ、仲間たちと共に叫んだ。
「段取りを間違えなければ……俺たちはまだ勝てる!」

 光と炎がぶつかり、戦場は再び燃え上がった。



 ――絶望の淵から立ち上がった追放者たち。
 その姿は、最後の反撃の兆しとなって戦場を照らしていた。
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