闇華

第三章:死ー異世界召喚ー

死

俺は、ふと気になった事があった。

カロラの机には、依頼書類が置いてあり、暗殺する日は明日と書いてあった。カロラがいない今、俺が行く事にした。


まだ、朝日が出ないうちに俺は目的地に着いた。

バレないよう準備する。

ターゲットの顔写真も、しっかり見て覚えた。

大丈夫。

今日のターゲットの名は氷室 清(ひむろきよし)、46歳。６年前から闇取引をしている。

氷室は、毎日６時に公園に散歩にくる。

そこを、スナイパーライフルで撃ち抜く。

簡単な仕事だ。

１時間ぐらい経ち、氷室が公園にやって来る。

そして、休憩のためベンチに腰掛ける。

俺は、スコープを覗き込む。

息を吐いて、引き金に手を乗せたその時、氷室がこちらを向いた。

…気づいた…のか…？

この距離で？

氷室から俺まで500mはゆうにある。

なのに…気づいたのか？

動揺が隠せない自分がいた。

「馬鹿が。じゃーな。」

氷室は確かにそう言った。

声は聞こえなかったが、あの口の動きは確かにそう言った。

じゃーな。

ってどういう意味だ？

考えていると背中から衝撃が伝わった。

俺の心臓付近から尖ったものが突き出している。

…ナイフ？

ナイフのようなものは、一瞬で俺の体から抜けた。

傷口からだくだく血が流れ出す。

俺はそのまま地面に倒れ込む。

消えゆく意識の中聞こえたんだ。

「誰だこいつ。カロラじゃねーか。チッ。カロラ暗殺計画は失敗か。」

…カロラ暗殺計画…？

最初から暗殺の依頼じゃねーのかよ。

そう考えているうちに俺の意識は途絶えた。





そう、俺は死んだ。