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一章 四人の配信者
7話 六剣
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こちらが接近するなり奴は足を素早く動かし、その鋭い足先でこちらを串刺しにしようとしてくる。
俺はこの二本の剣で迫ってくる足を捌く。だがこちらは二本に対して向こうは二本の足を軸に六本で攻め立ててくる。
そしてそのうちの一本が剣の間をすり抜け俺の顔面を捉えようとする。
「させませんっ!!」
しかしその軌道は背後から放たれた銃弾により逸らされる。
「ありがとう!!」
お礼を言いつつ、この場は不利だと踏んで一旦後退する。
ボタンを二回押してバイクを取り出しこの前手に入れたオーブをバイクにセットする。
[剣舞バイク]
剣が空中に浮かび、二本から六本へと三倍に分裂する。
六本の剣は複雑な軌道を描き蜘蛛の足を跳ね除けていき、そのままガラ空きとなった奴の胴体にバイクをぶつけて怯ませる。
「よし今だ!! フラウ!!」
掛け声を聞いた瞬間、花華は素早く先程の花を展開させて銃口を俺と蜘蛛の方へ合わせる。
俺は花から花へと飛び移り蜘蛛の周りを飛び交う。
「俺に構わず撃ってくれ!!」
「はい!!」
ある作戦があったので、ボタンを三回押して俺も必殺技の準備をする。
両剣に莫大なエネルギーが溜まり、俺はあえてそれに回転をかける。
「ファイヤー!!」
また彼女の銃口からビームが放たれる。それは花で反射され蜘蛛の体を抉っていく。そしてビームはやがて俺を捉える。
「ここだっ!! スラーシュッ!!」
ビームを剣で受け流し、そのエネルギーを回転に巻き込む。
俺の必殺技と彼女のビーム。この二つのエネルギーが二点に集中する。それを更に切先のみに集中させ熱を高める。
落下と同時に剣を下に突き出す。それは硬い奴の外皮を貫く。
「グギッ……」
最後に小さく呻き声を上げるのと同時に莫大なエネルギーを一気に体内に流し込む。
奴の体はそれに耐えきれず爆発四散し辺りに肉片が舞い散るが、それらは燃え尽き灰となる。
意外とグロかったな……
「ま、まぁとにかくどうだ俺の新しい技は!?」
『すごいけどあれわざわざ剣で受け止める必要ある? 危なくない?』
『そもそも接近戦がね……フラウみたいに遠距離攻撃手段がないから……』
視聴者は盛り上がってくれると踏んだが、思ったより反応が悪い。どうやらあまりにもリスキーなやり方に少し引かれてしまったようだ。
「おっかしいなぁ……もっと盛り上がると思ったんだけど、やっぱこういうのは難しいな……」
いまいち視聴者を沸かせる方法が掴めず悪戦苦闘する。
「い、いやでも挑戦するだけでも十分だと思いますよ」
「そうだな……とりあえず一歩前進ってことにしとくか」
[目標値を達成しました。地上への転送を開始します]
どうしたもんかと頭を悩ましているうちにいつのまにかもう目標値を達成していたらしく、体が光に包まれだす。
俺は急いで散った灰からオーブを回収し、その直後に地上へと転送されるのだった。
「っと……戻ってこれたな」
視界が晴れると花華の部屋まで戻っており変身も問題なく解けている。
「やっぱ配信って難しいな……もっと安全にやった方が視聴者も安心して見れるのかな……霧子からも怪我しないようにやれってキツく言われてるし」
先程掃除し綺麗になったこの部屋で反省の意も込めてぶつぶつと呟く。
「でも私が前に見た過去の配信よりかは格段に良くなってると思いますよ!」
その小言は彼女の耳にも入っていたようで、こっちに気を使ってかフォローを入れてくれる。
「そうだよな……まっ、人生は長いんだし気長に焦らずやってくか。あ、そうだ。今晩も俺の家で晩飯食ってくか?」
「はいぜひ!」
まだ会ってからそんなに経っていないが、ここ数日の彼女は初めて会った頃と比べかなり明るくなった。それでも初対面の人とはまともに話せるまでには至らないが。
だがこうして自分と関わった人間が幸せそうにしてくれるのは嬉しい。
「あっ、今日は唐揚げ……揚げ物もお願いできますか!?」
……少し図々しくなったかもしれない。
「分かったよ。俺に作れるものなら何でも作らせてもらうよ」
そうして二人で談話しつつ近所のスーパーまで向かうのだった。
俺はこの二本の剣で迫ってくる足を捌く。だがこちらは二本に対して向こうは二本の足を軸に六本で攻め立ててくる。
そしてそのうちの一本が剣の間をすり抜け俺の顔面を捉えようとする。
「させませんっ!!」
しかしその軌道は背後から放たれた銃弾により逸らされる。
「ありがとう!!」
お礼を言いつつ、この場は不利だと踏んで一旦後退する。
ボタンを二回押してバイクを取り出しこの前手に入れたオーブをバイクにセットする。
[剣舞バイク]
剣が空中に浮かび、二本から六本へと三倍に分裂する。
六本の剣は複雑な軌道を描き蜘蛛の足を跳ね除けていき、そのままガラ空きとなった奴の胴体にバイクをぶつけて怯ませる。
「よし今だ!! フラウ!!」
掛け声を聞いた瞬間、花華は素早く先程の花を展開させて銃口を俺と蜘蛛の方へ合わせる。
俺は花から花へと飛び移り蜘蛛の周りを飛び交う。
「俺に構わず撃ってくれ!!」
「はい!!」
ある作戦があったので、ボタンを三回押して俺も必殺技の準備をする。
両剣に莫大なエネルギーが溜まり、俺はあえてそれに回転をかける。
「ファイヤー!!」
また彼女の銃口からビームが放たれる。それは花で反射され蜘蛛の体を抉っていく。そしてビームはやがて俺を捉える。
「ここだっ!! スラーシュッ!!」
ビームを剣で受け流し、そのエネルギーを回転に巻き込む。
俺の必殺技と彼女のビーム。この二つのエネルギーが二点に集中する。それを更に切先のみに集中させ熱を高める。
落下と同時に剣を下に突き出す。それは硬い奴の外皮を貫く。
「グギッ……」
最後に小さく呻き声を上げるのと同時に莫大なエネルギーを一気に体内に流し込む。
奴の体はそれに耐えきれず爆発四散し辺りに肉片が舞い散るが、それらは燃え尽き灰となる。
意外とグロかったな……
「ま、まぁとにかくどうだ俺の新しい技は!?」
『すごいけどあれわざわざ剣で受け止める必要ある? 危なくない?』
『そもそも接近戦がね……フラウみたいに遠距離攻撃手段がないから……』
視聴者は盛り上がってくれると踏んだが、思ったより反応が悪い。どうやらあまりにもリスキーなやり方に少し引かれてしまったようだ。
「おっかしいなぁ……もっと盛り上がると思ったんだけど、やっぱこういうのは難しいな……」
いまいち視聴者を沸かせる方法が掴めず悪戦苦闘する。
「い、いやでも挑戦するだけでも十分だと思いますよ」
「そうだな……とりあえず一歩前進ってことにしとくか」
[目標値を達成しました。地上への転送を開始します]
どうしたもんかと頭を悩ましているうちにいつのまにかもう目標値を達成していたらしく、体が光に包まれだす。
俺は急いで散った灰からオーブを回収し、その直後に地上へと転送されるのだった。
「っと……戻ってこれたな」
視界が晴れると花華の部屋まで戻っており変身も問題なく解けている。
「やっぱ配信って難しいな……もっと安全にやった方が視聴者も安心して見れるのかな……霧子からも怪我しないようにやれってキツく言われてるし」
先程掃除し綺麗になったこの部屋で反省の意も込めてぶつぶつと呟く。
「でも私が前に見た過去の配信よりかは格段に良くなってると思いますよ!」
その小言は彼女の耳にも入っていたようで、こっちに気を使ってかフォローを入れてくれる。
「そうだよな……まっ、人生は長いんだし気長に焦らずやってくか。あ、そうだ。今晩も俺の家で晩飯食ってくか?」
「はいぜひ!」
まだ会ってからそんなに経っていないが、ここ数日の彼女は初めて会った頃と比べかなり明るくなった。それでも初対面の人とはまともに話せるまでには至らないが。
だがこうして自分と関わった人間が幸せそうにしてくれるのは嬉しい。
「あっ、今日は唐揚げ……揚げ物もお願いできますか!?」
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そうして二人で談話しつつ近所のスーパーまで向かうのだった。
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