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一章 四人の配信者
14話 上位グループ
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「何でだ?」
「いやだって……飯は美味しく食べるに越したことはないだろ?」
「そういう意味じゃない。何でオレがお前のために動かないといけない?」
この前の去り際から思っていたがこいつは本当に無礼だ。年齢もそう離れていないはずなのに偉そうで上から目線だ。
とはいえこの前助けてもらった建前上文句は言えない。俺は黙ってハンバーグを口の中に放り込む。
味自体は美味しかったが空気のせいであまりそれを楽しめなかった。
それから支払いを済ませて俺達は海辺にあるという倉庫に向かう。
「ここだ」
電車も使い三十分程でそのアジトとやらに辿り着く。
「ちょっ、ちょっと待ってくださーい!!」
扉に手をかけて中に入ろうとしたところ背後から聞き覚えのある女性の声がする。
振り返ると花華がこちらに向かって走ってきており、こちらに着いて息を切らし肩で呼吸する。
「誰だこいつ?」
もちろんフォルティーと花華に面識はなく、いきなり割り込んできた女の子に彼も戸惑う。
「花華……何でここに? あっ、こいつは俺の友達で……」
「や、夜道君は殺させません!!」
彼女はフォルティーの前に立ち塞がるようにして、両手を広げて顔を強張らせながら立つ。
「殺す……? おい夜道。こいつ何言ってる?」
「ちょっと待って。なぁ花華? 一体何を勘違いしてるんだ?」
フォルティーには一旦待ってもらい彼女から事情を伺う。
「だって駅で夜道君を見つけたと思って話しかけようとしたらその怖い人と歩いてて……それで尾行してみたら海辺の倉庫に連れてかれてたから……」
大体彼女が考えていることは理解した。つまりはサスペンスドラマの見過ぎだろう。
俺は軽く溜息を吐き事情を説明するべく彼女に目線を合わせる。
「あのな。こいつはフォルティーだ」
「えっ!? フォルティーってランキング一位のあの!?」
「おい無関係な奴にオレのことをバラすな」
花華は過剰な程驚き腰を抜かし、フォルティーは更に目つきを鋭くして俺の肩を掴む。
「無関係じゃないさ。こいつも一応フラウっていう配信者だよ」
「ほうこいつがあの……言っておくがオレは別に夜道を殺すわけじゃない。ただこいつの実力を見ておきたいだけだ。
分かったか? アニメ見過ぎ頭メルヘン女」
フォルティーは一発軽く彼女のおでこにデコピンをし、先程開けようとした扉から中に入っていく。
「うぅ~痛い……酷くないですかあの人!!」
花華は頭を抑えてデコピンされた箇所を摩る。
「いや今のはお前も悪かったと思うぞ。俺を心配してくれるのは嬉しいけど妄想もほどほどにな」
「うぅ……はぁい。あっ、でもついて行ってもいいですか? それはそれとしてあの人怖そうですし心配ですから」
「まぁ俺は別にいいけど……あいつに怒られたら帰れよ?」
仕方なく彼女も連れてくことにして俺達は倉庫の中に足を踏み入れる。
「おっと彼女連れてきちゃって~で、これどっちがアレギィなの?」
「男の方だ。一応女の方も配信者だ。だがまぁ覚えなくていい」
中にはフォルティーの他に青年が数人おり、全員チャラそうで夜の繁華街などに居そうだ。
「へぇ~でも女の子の方よく見たら中々可愛いじゃん」
茶髪の軽いノリの男がこちらにスキップで近づいてきて、花華の顔を至近距離で品定めするように眺める。
「ひっ……」
やはりと言うべきか、こういう感じの男と花華はとことん相性が悪いらしく彼女は怯えて俺の後ろに隠れてしまう。
「おい余計な真似はよせ。お前は勝ち負けを判定する仕事があるんだから油売ってないでさっさと変身してダンジョンに行け」
「はいはーい」
チャラ男はパティシーを装着してダンジョンへと転送されていく。
「えっ!? あいつも配信者なのか!?」
「お前知らなかったのか? このオレ、フォルティーはランキング上位の者だけで配信者グループを作っている……有名な話だろ?」
確かに複数人でチームを組んで配信を行っているところがあるのは知っていた。思い返せばこの前霧子が一位の人がグループでどうたらこうたらと言っていた記憶がぼんやりとある。
「あいつには魔物の掃除と場所探しと勝敗の審判を頼んである。分かったらオレ達も行くぞ」
目標値を達成して送り戻させれたら面倒なのか、フォルティーは早く手合わせを始めるよう急かしてくる。
「そう急かさなくても……」
「待ってください!!」
お互いにパティシーを取り出し装着しようとする直前、花華の声がこの倉庫内に鳴り響く。
「いやだって……飯は美味しく食べるに越したことはないだろ?」
「そういう意味じゃない。何でオレがお前のために動かないといけない?」
この前の去り際から思っていたがこいつは本当に無礼だ。年齢もそう離れていないはずなのに偉そうで上から目線だ。
とはいえこの前助けてもらった建前上文句は言えない。俺は黙ってハンバーグを口の中に放り込む。
味自体は美味しかったが空気のせいであまりそれを楽しめなかった。
それから支払いを済ませて俺達は海辺にあるという倉庫に向かう。
「ここだ」
電車も使い三十分程でそのアジトとやらに辿り着く。
「ちょっ、ちょっと待ってくださーい!!」
扉に手をかけて中に入ろうとしたところ背後から聞き覚えのある女性の声がする。
振り返ると花華がこちらに向かって走ってきており、こちらに着いて息を切らし肩で呼吸する。
「誰だこいつ?」
もちろんフォルティーと花華に面識はなく、いきなり割り込んできた女の子に彼も戸惑う。
「花華……何でここに? あっ、こいつは俺の友達で……」
「や、夜道君は殺させません!!」
彼女はフォルティーの前に立ち塞がるようにして、両手を広げて顔を強張らせながら立つ。
「殺す……? おい夜道。こいつ何言ってる?」
「ちょっと待って。なぁ花華? 一体何を勘違いしてるんだ?」
フォルティーには一旦待ってもらい彼女から事情を伺う。
「だって駅で夜道君を見つけたと思って話しかけようとしたらその怖い人と歩いてて……それで尾行してみたら海辺の倉庫に連れてかれてたから……」
大体彼女が考えていることは理解した。つまりはサスペンスドラマの見過ぎだろう。
俺は軽く溜息を吐き事情を説明するべく彼女に目線を合わせる。
「あのな。こいつはフォルティーだ」
「えっ!? フォルティーってランキング一位のあの!?」
「おい無関係な奴にオレのことをバラすな」
花華は過剰な程驚き腰を抜かし、フォルティーは更に目つきを鋭くして俺の肩を掴む。
「無関係じゃないさ。こいつも一応フラウっていう配信者だよ」
「ほうこいつがあの……言っておくがオレは別に夜道を殺すわけじゃない。ただこいつの実力を見ておきたいだけだ。
分かったか? アニメ見過ぎ頭メルヘン女」
フォルティーは一発軽く彼女のおでこにデコピンをし、先程開けようとした扉から中に入っていく。
「うぅ~痛い……酷くないですかあの人!!」
花華は頭を抑えてデコピンされた箇所を摩る。
「いや今のはお前も悪かったと思うぞ。俺を心配してくれるのは嬉しいけど妄想もほどほどにな」
「うぅ……はぁい。あっ、でもついて行ってもいいですか? それはそれとしてあの人怖そうですし心配ですから」
「まぁ俺は別にいいけど……あいつに怒られたら帰れよ?」
仕方なく彼女も連れてくことにして俺達は倉庫の中に足を踏み入れる。
「おっと彼女連れてきちゃって~で、これどっちがアレギィなの?」
「男の方だ。一応女の方も配信者だ。だがまぁ覚えなくていい」
中にはフォルティーの他に青年が数人おり、全員チャラそうで夜の繁華街などに居そうだ。
「へぇ~でも女の子の方よく見たら中々可愛いじゃん」
茶髪の軽いノリの男がこちらにスキップで近づいてきて、花華の顔を至近距離で品定めするように眺める。
「ひっ……」
やはりと言うべきか、こういう感じの男と花華はとことん相性が悪いらしく彼女は怯えて俺の後ろに隠れてしまう。
「おい余計な真似はよせ。お前は勝ち負けを判定する仕事があるんだから油売ってないでさっさと変身してダンジョンに行け」
「はいはーい」
チャラ男はパティシーを装着してダンジョンへと転送されていく。
「えっ!? あいつも配信者なのか!?」
「お前知らなかったのか? このオレ、フォルティーはランキング上位の者だけで配信者グループを作っている……有名な話だろ?」
確かに複数人でチームを組んで配信を行っているところがあるのは知っていた。思い返せばこの前霧子が一位の人がグループでどうたらこうたらと言っていた記憶がぼんやりとある。
「あいつには魔物の掃除と場所探しと勝敗の審判を頼んである。分かったらオレ達も行くぞ」
目標値を達成して送り戻させれたら面倒なのか、フォルティーは早く手合わせを始めるよう急かしてくる。
「そう急かさなくても……」
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お互いにパティシーを取り出し装着しようとする直前、花華の声がこの倉庫内に鳴り響く。
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