中卒の俺が偶然出会った有名配信者とコラボしたらトップランカー入りしてしました。学がなくても大バズりできる裏技でランキング一位を取ります。

ニゲル

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三章 すいちゃんは可愛い‼️

41話 君を守りたいから

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「ただいまー」

 十数分。トイレにしては少し長い時間の後に彗星は顔のツヤを良くして帰ってくる。
 
 化粧……いやサプリ? だとしてもこんなすぐに効果が出るものなのか?

「どうしたの? そんなジロジロ見つめて?」

「い、いや何でもないよ……」

 やっぱり自分は嘘を吐くのが下手だと、いつだったか霧子に言われたことを実感する。吐こうとしても良心や色々な感情が邪魔してしまい上手くできない。

「あっ! もしかしてさらに綺麗になった彗星ちゃんに見惚れちゃってたとか~? 夜道君も人のこと言えないじゃん」

「はぁ!? ち、違ぇよそんなんじゃなくて……」

 ここもそうだよとか言っておけばいいのに否定してしまい自分で自分の首を絞めてしまう。

「まぁ別にいいけど。ワタシは今度のライブの練習とかイメトレとかしてるから、適当に周りを……まぁそこら辺にでも突っ立ってて」

 だがただのボディーガードにそんな深く詮索するようなことはせず、彗星はまたダンスを始める。キレも動きもそのまま。寧ろ先程よりもそれらは増したような気がする。
 一応ボディーガードという体なので周りを確認したり、こちらに向けられる視線に警戒する等はしておく。

「ん……?」

「どうかしたの夜道くん?」

 周りに注意を配っていると数人の練習をしていた女の子達が不自然にこちらをチラチラと見ていることに気がつく。
 技術を見て盗もうとしているのかと思ったが、その視線には何やら害意のようなものが含まれている気がする。

「いや……何でもないよ」

 とはいえこれだけで突っかかりに行ったらただの不審者だ。とりあえず彼女達と彗星の間に、彼女らの視線を塞ぐよう俺が立ち牽制しておく。
 それからは別に何も起こることはなく夜になり彗星の練習も終わりとなる。

「ねぇ……お兄さん達どこかご飯食べに行かない?」

 最寄駅にて今までしていた世間話を打ち切りこちらとの距離を急に詰めてくる。

「ご飯? またどうして急に……」

「ダメだよそんなの! だって彗星ちゃんはアイドルなんでしょ!?」

 今度は友也が俺の話をぶった斬り強引に彗星の提案を却下する。
 人の話に割り込み勝手に決めたことには少々腹が立つが、どのみち霧子と一緒に食べる予定なので断る手間が省けた。

「恋愛禁止のアイドルなのに男性二人と食事だなんてバレたらせっかくの夢が潰れちゃうよ!」

 友也は俺の好みではないと今でも思うが、やはり悪い奴ではない。相手を想いやれる好青年だ。
 少し度が過ぎる気がするが。

「夢か……ちぇ。その言葉出されると弱いな……」

 彗星は小石を蹴飛ばし近くにあった木にぶつける。枝から葉が一枚落ちてきて、風に吹かれ彼女の足元に着地する。

「ワタシこの日本で……いや世界で1番のアイドルになるのが夢なんだ」

 彼女は葉っぱを拾い唐突に自分の夢について語り出す。

「知ってるかもしれないけど、ワタシ一年前まで歩くことすらできなかったんだ。元々アイドルへの夢はあったのに……オーディションの日にトラックに撥ねられて」

 プロデューサーやテレビで見聞きした話と一致している。酷い怪我で普通なら今でも車椅子生活のはずだ。

「それなのにアイドルへの夢は変わらなくて……いや、寧ろどんどん大きくなってった。どこまでも果てしなく」

 彗星はフッと葉に息を吹きかけて遠くに飛ばす。読んでいたのかは分からないが、葉はちょうど吹いた風の気流に攫われてどこまでも果てしなく飛んでいく。

「だからこの奇跡が起きた体で夢を叶えたい……絶対に」

 その瞳にはフォルティーやシャーロットに引けを取らないくらいの確固たる意志を、自分自身を抱いていた。

「そういうわけで晩御飯はおとなしく一人で食べることにするよ。そっちのお兄さんのご厚意を汲み取ってね」

「良かったぁ……」

「じゃあワタシは電車に乗るからここで解散にしよ」

 駅の入り口付近で彗星は財布を取り出しこちらに手を振る。

「一人で帰れるか?」

「もうっ! ワタシはもう高校生なんだよ? それに家は駅から近いから大丈夫だし、ボディーガードの業務も駅までって話だったでしょ?」

「そうだな……気をつけて。おやすみ」

「おやすみね彗星ちゃん! 体調には気をつけて!」

 俺達も変に食い下がらず手を振り別れを告げる。

「うんおやすみ!」

 そうして彗星は電車に乗り帰っていくのだった。
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