中卒の俺が偶然出会った有名配信者とコラボしたらトップランカー入りしてしました。学がなくても大バズりできる裏技でランキング一位を取ります。

ニゲル

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三章 すいちゃんは可愛い‼️

51話 片割れ 

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「霧子ー!! どこだ!?」

「霧子ちゃん!! どこ行ったの!!」

 山の中で何度も声を木霊させるが帰ってくるのは虫の音のみ。

「ん? 永瀬教授からだ」

 そんな中友也のスマホに電話がかかってくる。一回こちらに断りを入れてから少し離れて通話を始める。

「えっ!? そんなじゃあ霧子ちゃんは今……」

 何やら焦りを含んだ声が聞こえてきて、その中で霧子の名前が上がる。不安を刺激され俺はつい友也の元まで向かってしまう。

「霧子は……大丈夫なのか?」

「あっ……はい一旦切ります。夜道くん。とうやら霧子ちゃんが一人でダンジョンに行って彗星ちゃんを追いかけに行ったらしいんだ」

「霧子が……!?」

 訳の分からない突発的な行動に困惑が襲いかかるが、それよりも心配の方が勝りより焦りが脳を支配する。
 
「霧子は今どこに!? 早く助けにいかないと!!」

「待って落ち着いて!! 今サブネルソンを通じて位置を特定してもらってるから!!」

 友也も霧子の身を案じてくれて助けるべく必死に策を講じる。永瀬教授を通じてサブネルソンの人達と連絡を取り、美里さんの協力もあって今の霧子の位置を特定するのにそう時間はかからない。

「なるほど……この山のダンジョンですね。分かりました!」

 友也は電話を切り俺と一緒に潜るダンジョンを選択する。先程と同じアーマーになるべくオーブをセットし俺達はダンジョンへ潜っていく。
 二人同じ山奥に出て早々。激しい戦闘音が近くから聞こえてくる。チェーンソーの駆動音と木が薙ぎ倒される音だ。

「この音……きっと霧子ちゃんだよ!!」

 友也も俺と同じく駆動音で霧子の居場所が分かったらしく、手遅れになる前に急いで泥を蹴り山を駆け上がる。

「あがぁぁぁぁぁ!!!」

 音が近づいてきた時に唐突に響き渡る彗星の悲鳴。数秒後俺達はチェーンソーを肩に押し当てられる彗星の姿を目の当たりにする。
 霧子は悲鳴を聞きつつも手を止めようとはせず胴体を切断する勢いで力を強める。

「霧子ちゃん!! やめるんだ!!」

 友也が裏から両腕を掴み上げ刃を彗星の体から外させる。

「離せよ!! こいつは生きてちゃいけないんだ!!」

 霧子……まさか花華が大怪我したのがそんなに……そうだよな。大事な人が傷ついたんだから……

 憤慨する霧子を必死に止める友也。片腕が千切れそうなほど刃を通され、もう片方で押さえながら低く唸りその場に膝を突いてしまう彗星。
 事態は地獄そのもの。そんな中彗星は肩を押さえたまま足を引き摺りこの場から去ろうとする。

「待ってよ! まだ何か……夢を叶える方法があるはずだから諦めるなよ!」

 俺は怪我していない方の肩を掴み引き戻そうとするが、彗星は弱々しい力で抵抗する。
 それでも俺は離さない。諦めない。

「だって人間に戻ったらワタシなんか……誰の目にも留まらない凡人……」

「そんなことない! 彗星には夢を叶える真面目で必死な想いがあるだろ!?」

 夢を叶える。世界一のアイドルになる。そのことに関して彼女は必死で真剣だった。いくら人間性を失おうともそれだけは忘れていなかった。
 
「そうだよ彗星ちゃん! 諦めたらそこで終わりなんだよ!? 君までそんな風になる必要なんてないよ! 生きてるんだから諦めちゃだめだよ!」

 霧子を落ち着かせ、友也も説得に加わってくれる。彗星の心は揺らぎこちらに向けていた背を震わせ振り向こうとしてくれる。

「待って兄さん……誰か近づいて来てない?」

 頭を冷やした霧子の声により振り向く彼女の体がピクリと止まる。自然と俺達は耳に神経が移り辺りの音を細かく感知する。
 雨の音以外に泥の上を歩く音がする。粘り気のある水音にカチャカチャと鳴らす金属音。
 そして覚えのある異質なこの空気……

「ねぇ兄さんこの気配って……」

 霧子も感じたことのある気配の主が姿を現す。漆黒の鎧包まれたアイツだ。鎧には傷跡が複数箇所見られるが、この前と比べて纏う闘気は鋭さを増しており、眼光はより殺気を孕んだものとなっている。

「こんな時に魔物か……みんな下がっ……」

 友也が前に出て戦おうとするが、奴が急加速し跳ね飛ばされ宙を舞う。
 前より格段に速さも力強さも増している。俺と霧子は咄嗟に横に跳んでその突進を躱す。

「しまっ……彗星!!」

 しかし怪我を負い俊敏に動けない彗星の元に魔物が向かっていく。

「えっ……何でにんげ……」

 だが彗星は何かに驚き気を取られ、避ける動作にすら移らず突進をモロに受けてしまう。

「霧子は友也を頼む!!」

 霧子は友也を、俺は彗星を。落下の衝撃を殺すべく落ちてきる彼女らをキャッチする。

「あがっ……!!」

 ぶちっ……ぼとんっ……ゴト。
 彗星をキャッチした瞬間低い悲鳴と共に奇妙な音が鳴る。何かが千切れ落ちた音だ。

 ゆっくりと下を見る。そこには泥に塗れた彗星の片腕があった。
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