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八章 ボク
104話 取り戻したもの
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美咲さんが溶岩に沈んでから数日後。峰山さんの心と体は無事元通りになり、ボクが体を抜けたが特に問題なく日常を過ごしている。
それからボクはDOに戻ることができ、父さんや智成さん。その他一部の偉い人が判断した結果ボクのことは観察処分となった。DOメンバーと常に一緒にいるよう命令された。
つまり事実上特にいつもと変わりなく過ごせということだ。峰山さんも椎葉さんも今まで通り接してくれている。
キュリアはどこにも見つからず行方不明状態だが、確かにいつもの日常が戻ってきた。
だが風斗さんはよそよそしく、ボクに対して何かしてくることはないが口数は明らかに減っている。
そんな中彼に誘われある場所まで来ていた。
「これって田所さんの……」
二人で来たのは街外れにある墓場。そこの石碑には田所と彫られている。
「田所先輩に生人は無事だって伝えたくてな。付き合わせてすまない」
「いえ……ボクも一度来たかったし……」
お墓の掃除をしたりお供物を置く間ボク達の間には会話はなく、非常に気まずい雰囲気が流れる。
「生人……すまなかった」
墓から立ち去ろうとした時突然風斗さんがボクに対して頭を下げ謝罪する。
「えっ!? あ、あの頭を上げてよ……」
「俺はお前のことなんて何も分かろうとせず、勝手に悪魔と決めつけて殺そうとした。本当にすまなかった」
風斗さんは頭を上げず、そのままの姿勢で謝罪の言葉を言いきる。そしてやっと顔を上げボクと目を合わせてくれる。
「田所さんは最期ボクに、いやきっとみんなに向けて胸を張って生きろって言った。
だから胸を張って生きていこうよ! みんなで助け合ってさ!」
死ななければ、生きていれば前に進むことができる。みんなで助け合っていけば、きっと笑い合える人生を送れる。
「これからもよろしくな生人」
「うん! これからも頼りにしてるからね先輩!」
ボクと風斗さんは握手を交わす。もう憎しみや負の感情に支配された関係ではない。前までの関係に戻ることができたのだった。
☆☆☆
「いやー良かった良かった! やっと二人とも仲直りできて」
その日の夜。ボクは椎葉さんに連れられてしゃぶしゃぶのお店に来ていた。目の前には勾玉が二つくっついたような形状の鍋があり、二つにそれぞれ違う出汁が入っている。
「お待たせしました。ラム肉でございます」
店員さんが運んできたのは赤い花と勘違いしてしまうような綺麗な色のお肉。ボク達はそれを鍋に入れる。
「そろそろかな。はい生人くんあーん」
ボクは口の前にお肉を出され反射的にそれを口に入れ頬張ってしまう。
「あはは! 相変わらず可愛いねぇ~」
「んー!」
文句の一つでも言いたかったが一気に三枚もお肉を口に入れたため、口をもごもごさせることしかできない。
羞恥心が込み上げてくるが、お肉はとても美味しい。出汁の風味と食べたことのない硬さの未知な食感のラム肉。
頭に浮かんだ文句など掻き消されるほどボクの中に幸福感が行き渡る。
「それで生人くん体の調子どう?」
「まぁ別にいつもと変わらないよ。ただ出そうと思えばすごい怪力を出せるし、傷の再生速度が前の比にならない速度になったってことくらいかな。
みんなのおかげで立ち直れたし、悪いことは何もないよ」
「そう……ごめんね生人くん」
「えっ? 何で椎葉さんが謝るの? 椎葉さんもボクのことを心配してくれて、すっごく嬉しかったよ!」
あの時心が折れそうだった時。少しでもボクのことを想ってくれる人がいるのは正直かなり心強かった。
だからこそボクは椎葉さんに対しても非常に大きな恩を感じている。
「じゃあそのお礼として今度またライブに出てよ! 前のライブすっごい好評でさ。もういっそのこと生人くんもアイドルにならない?」
「え、えーと……た、偶になら……」
表情と話を急旋回させる彼女に翻弄され、運ばれてくる食事を楽しんでいるとスマホに一件の通知がくる。峰山さんからのメールだ。
「峰山さんからメールだ。えーっと、明日二人っきりで遅めの初詣に行こう?」
「あー確かに新年は美咲さんの件でドタバタしてて忙しくて行けてなかったね。それにしても二人っきりね……ところで、お姉さんとのデート中に他の女の子とやり取りするってのはどうなのかな~?」
椎葉さんはまたボクのことをからかってくる。
でも嫌じゃない。これもボクが守りたかった大事な日常のうちの一つなのだから。
そうしてボクはその日常を目一杯楽しんで二人で一緒に帰るのだった。
それからボクはDOに戻ることができ、父さんや智成さん。その他一部の偉い人が判断した結果ボクのことは観察処分となった。DOメンバーと常に一緒にいるよう命令された。
つまり事実上特にいつもと変わりなく過ごせということだ。峰山さんも椎葉さんも今まで通り接してくれている。
キュリアはどこにも見つからず行方不明状態だが、確かにいつもの日常が戻ってきた。
だが風斗さんはよそよそしく、ボクに対して何かしてくることはないが口数は明らかに減っている。
そんな中彼に誘われある場所まで来ていた。
「これって田所さんの……」
二人で来たのは街外れにある墓場。そこの石碑には田所と彫られている。
「田所先輩に生人は無事だって伝えたくてな。付き合わせてすまない」
「いえ……ボクも一度来たかったし……」
お墓の掃除をしたりお供物を置く間ボク達の間には会話はなく、非常に気まずい雰囲気が流れる。
「生人……すまなかった」
墓から立ち去ろうとした時突然風斗さんがボクに対して頭を下げ謝罪する。
「えっ!? あ、あの頭を上げてよ……」
「俺はお前のことなんて何も分かろうとせず、勝手に悪魔と決めつけて殺そうとした。本当にすまなかった」
風斗さんは頭を上げず、そのままの姿勢で謝罪の言葉を言いきる。そしてやっと顔を上げボクと目を合わせてくれる。
「田所さんは最期ボクに、いやきっとみんなに向けて胸を張って生きろって言った。
だから胸を張って生きていこうよ! みんなで助け合ってさ!」
死ななければ、生きていれば前に進むことができる。みんなで助け合っていけば、きっと笑い合える人生を送れる。
「これからもよろしくな生人」
「うん! これからも頼りにしてるからね先輩!」
ボクと風斗さんは握手を交わす。もう憎しみや負の感情に支配された関係ではない。前までの関係に戻ることができたのだった。
☆☆☆
「いやー良かった良かった! やっと二人とも仲直りできて」
その日の夜。ボクは椎葉さんに連れられてしゃぶしゃぶのお店に来ていた。目の前には勾玉が二つくっついたような形状の鍋があり、二つにそれぞれ違う出汁が入っている。
「お待たせしました。ラム肉でございます」
店員さんが運んできたのは赤い花と勘違いしてしまうような綺麗な色のお肉。ボク達はそれを鍋に入れる。
「そろそろかな。はい生人くんあーん」
ボクは口の前にお肉を出され反射的にそれを口に入れ頬張ってしまう。
「あはは! 相変わらず可愛いねぇ~」
「んー!」
文句の一つでも言いたかったが一気に三枚もお肉を口に入れたため、口をもごもごさせることしかできない。
羞恥心が込み上げてくるが、お肉はとても美味しい。出汁の風味と食べたことのない硬さの未知な食感のラム肉。
頭に浮かんだ文句など掻き消されるほどボクの中に幸福感が行き渡る。
「それで生人くん体の調子どう?」
「まぁ別にいつもと変わらないよ。ただ出そうと思えばすごい怪力を出せるし、傷の再生速度が前の比にならない速度になったってことくらいかな。
みんなのおかげで立ち直れたし、悪いことは何もないよ」
「そう……ごめんね生人くん」
「えっ? 何で椎葉さんが謝るの? 椎葉さんもボクのことを心配してくれて、すっごく嬉しかったよ!」
あの時心が折れそうだった時。少しでもボクのことを想ってくれる人がいるのは正直かなり心強かった。
だからこそボクは椎葉さんに対しても非常に大きな恩を感じている。
「じゃあそのお礼として今度またライブに出てよ! 前のライブすっごい好評でさ。もういっそのこと生人くんもアイドルにならない?」
「え、えーと……た、偶になら……」
表情と話を急旋回させる彼女に翻弄され、運ばれてくる食事を楽しんでいるとスマホに一件の通知がくる。峰山さんからのメールだ。
「峰山さんからメールだ。えーっと、明日二人っきりで遅めの初詣に行こう?」
「あー確かに新年は美咲さんの件でドタバタしてて忙しくて行けてなかったね。それにしても二人っきりね……ところで、お姉さんとのデート中に他の女の子とやり取りするってのはどうなのかな~?」
椎葉さんはまたボクのことをからかってくる。
でも嫌じゃない。これもボクが守りたかった大事な日常のうちの一つなのだから。
そうしてボクはその日常を目一杯楽しんで二人で一緒に帰るのだった。
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