カードで戦うダンジョン配信者、社長令嬢と出会う。〜どんなダンジョンでもクリアする天才配信者の無双ストーリー〜

ニゲル

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九章 新たなる脅威

107話 ジェラシー

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「確か……寧々って子だよね? 生人君と同じDOの」
「そうですけれど……あの、あなたは?」
「日向葵よ。まぁ君ほどの知名度はないから知らないと思うけど」

 日向先輩はバレー部のエースであるものの人見知りであまり目立とうとはしない。バレー関係者の間では有名だがそれ以外では名前を言っても誰か分かったりしないだろう。

「それで、どうして生人さんと一緒に?」
「バレンタインのチョコレートの感想を聞きに。素直な彼なら遠慮とか無駄な考えを入れずに純粋な感想をくれると思ってね」

 その言葉に峰山さんは顔を青ざめさせる。

「え……生人さんまさか、二股……浮気してたんですか? わたくしというものがありながら……」
「えっ!? ち、違うよ!! それに日向先輩からもらったのは義理チョコだよ!」

 ボクは日向先輩に助けを求め視線を向ける。彼女は大体の事態をすぐに把握してくれてボクに助け舟を出すべく口を開く。

「生人君の言う通りあれは義理チョコよ。生人君は良い人だと思うけど私の恋愛対象ではないわ」
「そうだよ! 日向先輩には他に好きな人がいて、その人に渡すプレゼントのために味見を手伝ってんだよ!」
「なるほどそういうことでしたか。大体納得はできました」

 峰山さんは落ち着きを取り戻してくれたようで、ボクへのあられもない疑いは晴れる。

「でも生人君彼女がいたのね。てっきり作らないタイプだと思ってたから味見なんて頼んじゃった。
 ごめんなさい。二人が付き合ってたことなんて知らなかったの」
「あれ? そういえばボク達が付き合ってることって秘密だったよね?」
「あっ……」

 有名人のボク達が付き合ったと知られれば確実にみんなから好奇の目を向けられてしまう。それ自体ボクはいいのだが、峰山さんが恥ずかしさに耐えられない。
 だからこの関係についてはDO内のみの秘密ということになってたはずなのだが、たった今峰山さんが感情の昂りのあまり口を滑らしてしまった。

「事情は大体分かったよ。言いふらさないから安心して。第一言いふらすような友達いないしね」

 日向先輩が自虐を込めた言葉で安心させようとしてくるが、善意から言ったことは分かるのだがどう返したらいいか反応に困ってしまう。

「はぁ……こういうこと言うから友達いないんだろうな」
「ボクは日向先輩のこと大切な友達だと思ってるよ?」
「はは……ありがとうね。私は部活に行くからそれじゃ」

 DO本部と体育館は逆方向なのでボク達と日向先輩はここで別れる。

「生人さん? 後でわたくしの部屋に来ていただけますか?」
「え? いいけど何か……」
「来 て い た だ け ま す か?」

 彼女は笑顔だったが目が笑っていない。そんな彼女と共にDO本部まで帰り、そこから有無を言わさず彼女の部屋まで引っ張られ連れ込まれる。

「どうしてわたくしというものがありながらあんなこと引き受けてるんですか!!」

 部屋に入り二人っきりになるなり峰山さんから説教をくらう。

「義理チョコって言ってたし味見なら受けてあげようかなって」
「いや絶対あれ生人さんに気がありますよ! それに味見って……バレンタインに渡すものの味見をバレンタインの日にやるって嘘に決まってます!」

 言われてみれば確かにおかしい。先日二月十四日に味見をしてもらったらバレンタインに間に合うはずがない。
 それにその日のうちに急いで作ろうとしても昨日彼女から貰った時刻はかなり遅い方だったし焦ってる様子もなかった。
 やはり義理チョコだというのは嘘だったのだろうか?

「まぁでもわたくしという彼女がいると知れば引いてくれましたし、彼女はまだ良い人でした。
 でも世の中には恋人がいてもお構いなしに人の彼氏を奪おうとする人だっているんです。だから今度からは気をつけてくださいね!」
「分かった……今度からはその……女の子との付き合い方も気をつけるよ」
「いえ別に友人を作ったりそういうのは構いませんしそんな束縛みたいなことしたくはありませんが……ありませんが……」

 彼女は悶々として言葉を詰まらせる。そして溜めたものを全て吐き出すように急に立ち上がりボクの頭を掴み上げる。
 そこからは合間を置かず唇を重ねてしばらく濃厚なキスをかわす。

「とにかく……わたくしが生人さんの彼女だということは忘れないでくださいね」
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