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冬
エリアス公爵邸の北の庭にて
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真冬にもかかわらず、その日は朝から晴天に恵まれて、珍しく空は青く澄んでいた。
エリアス公爵の家の玄関前で、グリードは少々服をなおしたりせわしなくあちこちをはたいたりしたあと、
「パルマローザに呼ばれてきたんだが」
と、首をあげた。執事はそんな皇子に頭をさげ、
「おいでくださいませ、北の庭にお待ちでございます」
と片手で奥を示した。家令の一人が案内をつとめ、バトラーはグリードの上着と帽子と杖を受け取ってゆく。
皇宮よりは小さくとも、公爵邸もまたかなりの広さがある。庭は南にふたつ、中庭が四つ、さらに屋敷の北側にもひとつ。南の庭園はよく茶会などで使われているが、北は公爵家のプライベートな庭園なのであまり他家の人間が出入りすることはなく、いつもとても静かだ。
庭は回廊に面していて、テラスからおりる階段がある。その広々としたテラスには今日はティーセットが置かれていて、パルマローザはテーブルの脇に弟を抱いて立っていた。
ふわふわのファーのあるケープを羽織り、薄緑色のコートを着て、お揃いのおくるみに弟をくるんで抱いている。
乱反射する雪の光に照らされたパルマローザが、柔らかく微笑んでこちらをみるその表情に、思いがけずグリードは射ぬかれたようになってしまった。
外の貴族たちには凡庸な、と言われる彼女の茶色の髪と瞳は、いまは冬の柔らかな光に照らされて琥珀いろにかがやき、とろけるような笑みに薄ピンク色の控えめな口紅のひかれた口元は艶めいていた。
ああ、とグリードは納得した。手を離せる筈がなかったのだ。ずっとパルマローザの幸せのことだけを想ってきた。そのためならどんなに間抜けな皇子とよばれようとかまわなかった。
けれどきっと、兄がパルマローザを皇太子妃にしていたら、自分は正気でいられただろうか。歴史書に出てくるような、嫉妬に狂って戦を起こし、民を苦しめる悪の王弟になっていたかもしれない。
「グリード様、お久しぶりですわね」
声をかけられてグリードはようやく我に返り、あわててパルマローザに駆け寄っていった。
「パルマローザ!これが手紙にあった弟かい?」
グリードは挨拶もそこそこにパルマローザの胸にだかれた年の離れた弟をのぞきこんだ。
「寒くはないかな?」
「沢山着せてあるもの。それに、お日様の光は赤ちゃんの健康には必要なのよ」
眩しくないよう手で目元を隠すグリードに、パルマローザは嬉しそうに笑いかける。すぐそばに互いのひとみがあることに気づき、一気に心臓が早鐘をうちはじめる。
「っ!それで、話しというのは?」
2人はさっと身をはなし、向かい合ってテーブルへと座った。
「あ、あの、ご覧いただいたとおり、弟が産まれましたの」
そういって、パルマローザは弟を乳母がひきとだてゆくのを名残惜しそうに見ていた。優しい慈愛の眼差しに、グリードは胸の奥でちりちりと何かが焦げるような気がした。
「そうだね、弟だ」
彼女が言わんとしていることはわかった。
「ですから、私ではグリード様に公爵の身分を差し上げることができません」
へえ、とテーブルに頬杖をついて、グリードは不機嫌を隠さずに目をほそめた。
「本格的に私が嫌になった?」
え?とパルマローザは顔をあげた。
「私が、どんな人間か知って怖くなったんだろ?私の君への気持ちに気づいて嫌気がさした?それとも、浮気がやはり赦せない?それともラウレスが…」
グリードの手が当たり、音をたててティーセットが倒れる。慌てたメイドが寄ってこようとするのを、パルマローザは手で合図して止めた。
「私は今もグリード様を愛していますわ。だけど、あなたご自身からはまだなにもきいていません。まだ引き返せますわ…破棄の書類を国務大臣へ…」
バン、とグリードの手が溢れた熱いお茶の上へ振り下ろされた。
「グリード様!火傷を…」
「どうでもいい!君は私を捨てるんだろう!」
パッと立ち上がり、グリードは庭へおりていった。
日の光で氷は溶け、地面はぬかるんでいる。そこへ、グリードはかけおりていったのだ。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「危ないわ!」
パルマローザがさけんだときには、既に遅く、グリードは目一杯後頭部を打ち付けて…いなかった。
護衛騎士が素早く彼の上半身を抱えてかばったため、スラックスの足元が泥で汚れただけだったのだ。
「グリード様、お怪我は!?」
姫抱きに抱かれて階段へ戻されたグリードに、ドレスが汚れるのも厭わずパルマローザが駆けよってくる。
「………格好悪い」
階段に座り込んだグリードに、彼女は口の端をひきあげた。
「ええ、貴方が格好よかったことなどないではありませんの」
ふいっと顔をそらしたグリードに、パルマローザがそっとよりそった。
「嫌なんですのね?婚約破棄」
「…嫌だ」
パルマローザの腰に、グリードの腕が絡んだ。
「公爵になんてならなくていい。なんだったら、商売でもはじめて2人で平民として暮らしたっていい。傭兵は無理でも、教師ならできるかもしれない…画家か、音楽家もできるかも…」
ぐずくずと鼻をすするグリードに、もうひとこえだわ、とパルマローザは小さく呟いた。
「グリードさまは、私と結婚したいのですわね?」
それを聞いたグリードが顔をあげた。
「当たり前だろう!君だって手紙に書いていたじゃないか!知ってるんだろ!私は…君が好きだ!ずっと好きだったし、君が幸せになるなら、が、我慢しようって」
もはやぼろぼろ泣きながら話すグリードの涙をぬぐい、がんばって、とパルマローザは意味のわからない応援をする。
「わたくしと、結婚、したいのですか?」
単語単語に区切って、パルマローザがグリードに尋ねる。うん、とグリードはうなづいた。
「私は、パルマローザと、結婚したい」
うんうん、とパルマローザはにこにこして頷き、グリードの頬の涙をハンカチで拭いた。それからゆっくりと首をかたむけ、グリードの口元へ自分の唇を…先ほどグリードが釘付けになったあの薄桃色の唇を、そっと押し当てた。
グリードは痛いほど早鐘をうつ胸がいまにも止まるのでは、と思いながらパルマローザの背に手をまわそうとした。
しかし、それより前にパルマローザはグリードの胸に手をついて体を離してしまう。
そして立ち上がり、にっこり笑った。
「却下ですわ、グリード様。やり直しを要求します」
エリアス公爵の家の玄関前で、グリードは少々服をなおしたりせわしなくあちこちをはたいたりしたあと、
「パルマローザに呼ばれてきたんだが」
と、首をあげた。執事はそんな皇子に頭をさげ、
「おいでくださいませ、北の庭にお待ちでございます」
と片手で奥を示した。家令の一人が案内をつとめ、バトラーはグリードの上着と帽子と杖を受け取ってゆく。
皇宮よりは小さくとも、公爵邸もまたかなりの広さがある。庭は南にふたつ、中庭が四つ、さらに屋敷の北側にもひとつ。南の庭園はよく茶会などで使われているが、北は公爵家のプライベートな庭園なのであまり他家の人間が出入りすることはなく、いつもとても静かだ。
庭は回廊に面していて、テラスからおりる階段がある。その広々としたテラスには今日はティーセットが置かれていて、パルマローザはテーブルの脇に弟を抱いて立っていた。
ふわふわのファーのあるケープを羽織り、薄緑色のコートを着て、お揃いのおくるみに弟をくるんで抱いている。
乱反射する雪の光に照らされたパルマローザが、柔らかく微笑んでこちらをみるその表情に、思いがけずグリードは射ぬかれたようになってしまった。
外の貴族たちには凡庸な、と言われる彼女の茶色の髪と瞳は、いまは冬の柔らかな光に照らされて琥珀いろにかがやき、とろけるような笑みに薄ピンク色の控えめな口紅のひかれた口元は艶めいていた。
ああ、とグリードは納得した。手を離せる筈がなかったのだ。ずっとパルマローザの幸せのことだけを想ってきた。そのためならどんなに間抜けな皇子とよばれようとかまわなかった。
けれどきっと、兄がパルマローザを皇太子妃にしていたら、自分は正気でいられただろうか。歴史書に出てくるような、嫉妬に狂って戦を起こし、民を苦しめる悪の王弟になっていたかもしれない。
「グリード様、お久しぶりですわね」
声をかけられてグリードはようやく我に返り、あわててパルマローザに駆け寄っていった。
「パルマローザ!これが手紙にあった弟かい?」
グリードは挨拶もそこそこにパルマローザの胸にだかれた年の離れた弟をのぞきこんだ。
「寒くはないかな?」
「沢山着せてあるもの。それに、お日様の光は赤ちゃんの健康には必要なのよ」
眩しくないよう手で目元を隠すグリードに、パルマローザは嬉しそうに笑いかける。すぐそばに互いのひとみがあることに気づき、一気に心臓が早鐘をうちはじめる。
「っ!それで、話しというのは?」
2人はさっと身をはなし、向かい合ってテーブルへと座った。
「あ、あの、ご覧いただいたとおり、弟が産まれましたの」
そういって、パルマローザは弟を乳母がひきとだてゆくのを名残惜しそうに見ていた。優しい慈愛の眼差しに、グリードは胸の奥でちりちりと何かが焦げるような気がした。
「そうだね、弟だ」
彼女が言わんとしていることはわかった。
「ですから、私ではグリード様に公爵の身分を差し上げることができません」
へえ、とテーブルに頬杖をついて、グリードは不機嫌を隠さずに目をほそめた。
「本格的に私が嫌になった?」
え?とパルマローザは顔をあげた。
「私が、どんな人間か知って怖くなったんだろ?私の君への気持ちに気づいて嫌気がさした?それとも、浮気がやはり赦せない?それともラウレスが…」
グリードの手が当たり、音をたててティーセットが倒れる。慌てたメイドが寄ってこようとするのを、パルマローザは手で合図して止めた。
「私は今もグリード様を愛していますわ。だけど、あなたご自身からはまだなにもきいていません。まだ引き返せますわ…破棄の書類を国務大臣へ…」
バン、とグリードの手が溢れた熱いお茶の上へ振り下ろされた。
「グリード様!火傷を…」
「どうでもいい!君は私を捨てるんだろう!」
パッと立ち上がり、グリードは庭へおりていった。
日の光で氷は溶け、地面はぬかるんでいる。そこへ、グリードはかけおりていったのだ。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「危ないわ!」
パルマローザがさけんだときには、既に遅く、グリードは目一杯後頭部を打ち付けて…いなかった。
護衛騎士が素早く彼の上半身を抱えてかばったため、スラックスの足元が泥で汚れただけだったのだ。
「グリード様、お怪我は!?」
姫抱きに抱かれて階段へ戻されたグリードに、ドレスが汚れるのも厭わずパルマローザが駆けよってくる。
「………格好悪い」
階段に座り込んだグリードに、彼女は口の端をひきあげた。
「ええ、貴方が格好よかったことなどないではありませんの」
ふいっと顔をそらしたグリードに、パルマローザがそっとよりそった。
「嫌なんですのね?婚約破棄」
「…嫌だ」
パルマローザの腰に、グリードの腕が絡んだ。
「公爵になんてならなくていい。なんだったら、商売でもはじめて2人で平民として暮らしたっていい。傭兵は無理でも、教師ならできるかもしれない…画家か、音楽家もできるかも…」
ぐずくずと鼻をすするグリードに、もうひとこえだわ、とパルマローザは小さく呟いた。
「グリードさまは、私と結婚したいのですわね?」
それを聞いたグリードが顔をあげた。
「当たり前だろう!君だって手紙に書いていたじゃないか!知ってるんだろ!私は…君が好きだ!ずっと好きだったし、君が幸せになるなら、が、我慢しようって」
もはやぼろぼろ泣きながら話すグリードの涙をぬぐい、がんばって、とパルマローザは意味のわからない応援をする。
「わたくしと、結婚、したいのですか?」
単語単語に区切って、パルマローザがグリードに尋ねる。うん、とグリードはうなづいた。
「私は、パルマローザと、結婚したい」
うんうん、とパルマローザはにこにこして頷き、グリードの頬の涙をハンカチで拭いた。それからゆっくりと首をかたむけ、グリードの口元へ自分の唇を…先ほどグリードが釘付けになったあの薄桃色の唇を、そっと押し当てた。
グリードは痛いほど早鐘をうつ胸がいまにも止まるのでは、と思いながらパルマローザの背に手をまわそうとした。
しかし、それより前にパルマローザはグリードの胸に手をついて体を離してしまう。
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