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たくさんの人々の叫び声が聞こえる。
火の手はどんどん建物を飲み込んでいく。
俺も早く逃げないとやばい。だけど、俺は首輪が鎖に繋がれてるから逃げられない。他の奴隷の少年たちは鎖はついていないから逃げられる、俺の鎖を外してくれないかな、と思い様子を伺うと、どうやら部屋に鍵がかかっていて出られないみたいだ。
まずい
部屋の中に煙が充満してきた。
なるべく煙を吸わないですむように身体を低くして部屋の角による。
だんだん意識がもうろうとしてくる。
ひときわ大きな爆発音を聞いて、俺は完全に気を失ってしまった。
夢を見た。
尻尾が9本の獣人の少年が見える。一人で寂しそうにしている。
その少年がこちらを振り向こうとして、
消えてしまった。
あの少年の顔は見ることができなかったけど、なぜかその内分かるという妙な確信があった。
まあ、どうでもいいか、とそんな風にも思えた。
焦げ臭い匂いが感じ取れる中、目を覚ます。
体は瓦礫の下になっているが、抜け出せないほどではなかった。
周囲に人がいないか確認してからはい出る。
首についていた鎖が壊れたみたいで自由に動くことができる。だけど、首輪はついたっまだった。きっと特別なことをしないと外れないんだろう。
それでもここから離れられることが嬉しかった。
今だってお腹は空いているし、身体はあちこちいたい。
正直動きたくないけど、誰かに見つかって今までの生活に戻るのだけは嫌だった。
あの生活の中で唯一の救いだったのは俺が人間の姿ではなかったことだろう。
もし人間の姿だったなら性的な暴行を加えられて、心が折れていたに違いない。
俺は森に向かって走る。
誰にも見つからないように。
火の手はどんどん建物を飲み込んでいく。
俺も早く逃げないとやばい。だけど、俺は首輪が鎖に繋がれてるから逃げられない。他の奴隷の少年たちは鎖はついていないから逃げられる、俺の鎖を外してくれないかな、と思い様子を伺うと、どうやら部屋に鍵がかかっていて出られないみたいだ。
まずい
部屋の中に煙が充満してきた。
なるべく煙を吸わないですむように身体を低くして部屋の角による。
だんだん意識がもうろうとしてくる。
ひときわ大きな爆発音を聞いて、俺は完全に気を失ってしまった。
夢を見た。
尻尾が9本の獣人の少年が見える。一人で寂しそうにしている。
その少年がこちらを振り向こうとして、
消えてしまった。
あの少年の顔は見ることができなかったけど、なぜかその内分かるという妙な確信があった。
まあ、どうでもいいか、とそんな風にも思えた。
焦げ臭い匂いが感じ取れる中、目を覚ます。
体は瓦礫の下になっているが、抜け出せないほどではなかった。
周囲に人がいないか確認してからはい出る。
首についていた鎖が壊れたみたいで自由に動くことができる。だけど、首輪はついたっまだった。きっと特別なことをしないと外れないんだろう。
それでもここから離れられることが嬉しかった。
今だってお腹は空いているし、身体はあちこちいたい。
正直動きたくないけど、誰かに見つかって今までの生活に戻るのだけは嫌だった。
あの生活の中で唯一の救いだったのは俺が人間の姿ではなかったことだろう。
もし人間の姿だったなら性的な暴行を加えられて、心が折れていたに違いない。
俺は森に向かって走る。
誰にも見つからないように。
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