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しおりを挟むもうどれだけ走ったか分からない。何度も転びながらも必死に走り続けた。すっかり日が暮れて辺りは真っ暗である。
ここまで来れば誰も追って来ないだろう。
近くの木に寄りかかって目をつむる。疲れきったからだはすぐに眠気に誘われ、意識は深い闇の中に沈んでいった。
ガサガサ
物音がして目が覚める。飛び起きそうになるのを必死で抑え、ゆっくりと目を開ける。
心臓が激しく鳴ってうるさい
そこにいたのは一匹のウサギだった。追っ手ではないことにほっとすると、クウーと小さな音が鳴った。俺のお腹の音だ。
ウサギは小さなお腹の音にも敏感に気づき、いち早く逃げてしまった。
そろりと起き上がる。まだ体力は万全じゃないし、怪我もしてる。でも、何かしら食べ物を探さないと餓死してしまうだろう。
疲れた体にムチ打って果物でも探そうと移動を始めた。
少し歩いた所に黄色い苺みたいな果物を見つけた。
いくつかかじられた実があるから毒とかは無いと思う。
一つ食べてみる。
たくさんの果汁があふれでて、酸味の混じる優しい甘さだった。
優しい、甘さ……
こちらに来て一回もくちにできなかった甘い味。最近ではほぼ腐る寸前のようなものばかり。
そんな食生活をしていた俺にっとっては野生の実でもごちそうで、
普通の人にとっては別段珍しくも大して美味しいとも感じないそれに夢中になっていた。
だから気づかなかったんだ。後ろからゆっくりと近づいてくるヤツの存在に。
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