僕と精霊〜A journey of heroes〜

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ワガママお姫様の国 ルイベル王国

第6の旅 ちょっと複雑?

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 ジャンとクラムの公開処刑が始まった。

「ん...此処は?」
ジャンは目を覚ます

「ジャン❗️ヤバいぞ❗️」 
パンプはダリア姫に抱えられながら思い切り叫ぶ

「パンプ!あれ?動けな...いぃ❗️」
ジャンはクラムを見て、自分がギロチン台に固定されている事に気づく

(ヤッバ❗️すぐに脱出を)
「クラム❗️目を覚ませ❗️」 
クラムは死んだ目でぐったりしている

(どうなってるんだ?コレも異常者イレギュラーの力なのか?何故僕には効き目が無いんだ?)
「とりあえず!」
ジャンは自分ごとギロチン台を燃やす

「な、なんじゃ!ギロチン台に火が!?」
ダリアは驚く

「あーあ、せっかくの制服がおじゃんだよ、言ってる場合じゃないな、クラム!」
半裸のジャンはクラムのギロチン台を壊す

「おい!クラム!」
ジャンはクラムにビンタする
「...って❗️何だ!どうなってるんだ!」
クラムも目を覚ます

「クラムは先に逃げてて!作戦無しじゃ危ない、必ず合流するから」
ジャンはクラムに指示する

「なんだかよく分からんが分かった」
クラムはオオカミに変化し、街中をかける

「ああ!逃げた!『皆の者❗️追うのじゃ❗️』」
ダリアの命令と共に住民達はクラムが逃げた方へ武器を構え走っていく

「さてと、こっちはどうするか...まさか相手がだなんてね」
ジャンの髪は赤くなる

「ダリア姫様に危害を加える者は直ちに処刑をします」
ジャンの前に立ちはだかる女性はそう言う。そうこの女性こそ、ジャンのクラスメイトであり恋人のスフール・白夜である!ジャン達がこの国に訪れる前に到着をしていた!

「ジャン❗️きっと白夜もコイツのせいでおかしくなってるんだ❗️」
パンプは叫ぶ
「下品な言葉遣いじゃの、可愛いのが台無しじゃ!どれ妾がしっかり躾けてやる!スーフル先に行っておるぞ」
ダリアはパンプを抱えながら城へ戻る

「ジャン❗️」
「パンプ❗️待てどこに行くんだ❗️」
ジャンはパンプを追いかけようとしたが白夜が邪魔をする


(クソ!考えろ!どうすれば白夜さんを無傷で救い出して、パンプを取り戻すか...!何故この国の住民達は常に洗脳?されていないんだ、何か制限でもあるのか?)
ジャンはその場で考える

「隙だらけですよ」
白夜はジャンに殴りかかる
「うわっ!」
ジャンは白夜の拳を受け流す

(まずは声をかける)
「白夜さ...!」
白夜の拳はジャンの顔にめり込む
(他の手を...)


 ルイベル城

「ブベッ❗️うぅ...」
パンプの顔が凹み、涙を流す
「どうした?『泣くでない』」
ダリアは力を使い、パンプを慰めようとするが効果が無い


「うぅー❗️離せ❗️ジャンに会わせろ❗️」
パンプは暴れながら泣きじゃくる
「めっ!『暴れるでない』すぐにお友達に会わせてやるぞ」
ダリアはパンプをとっておきの部屋まで連れて行く

「皆の者!新しいお友達を連れてきたぞ!」
ダリアは勢い良くドアを開く
「「「パンプ!?」」」
2人が部屋に入ると3人の精霊がいた

「ローズ!それにツイスターにスカルド!うわぁーん❗️」
パンプは泣きながら喜ぶ

「お主ら知り合いなのか?そうか!それは良かった!」
ダリアも手を叩きながら喜ぶ

「パンプ!お前!なんで此処に!」
ガーゴイルの精霊スカルドはパンプに近づく
「そうですよ、そうだ!アドロンさんには会いましたか?」
ハーピーの精霊ツイスターもやって来る

「う、うぅ、それが...」
パンプは涙を拭き、事情を話す
「そうか、大変だったな」
スカルドは同情する
「そうですか、やっぱりアドロンさんはこの世界に来ていないのでしょうか?」
ツイスターは落ち込み、アドロンを心配する

「なぁ!速く此処から出してくれよ!オレはジャンと一緒に居たいだけなんだよ!」
パンプはダリアに訴える

「...ぐぬぅ!」
ダリアは頬を膨らませる
「まぁ待ちなさい、パンプ」
人形の精霊ローズは奥の方から歩いて来る

「ローズ❗️大変なんだ❗️白夜が❗️」
パンプは慌てる。ローズは白夜のパートナーなのだ

「知ってるわ、私達はこの子のためにやっているんだもの」
「え?」
ローズは冷静に話し始める

「この子はね、ちょうど2ヶ月前に力を使えるようになったらしいのよ」
「そうなのか?」
パンプはダリアに聞く

「え、ええ..2ヶ月前にこの人を支配する力を...」
ダリアの表情は暗くなる

「そしてこの力を狙った盗賊がダリアの両親を人質に取ったのよ、盗賊の名前はグリデン・ゴーラン」
「それとどう関係があるんだ?」
パンプは首を傾げる

「その盗賊はダリアが国民を力で支配をし続ければ両親の命は助けてやるって要求をしたのよ」
ローズは青ざめた顔で言う
「なんてヤツらなんだ!よーし!倒しに行くぞ!」
パンプは部屋を出ようとする

「相変わらずバカね、そんな事をしたらダリアの両親が殺されるに決まってるじゃないの」
ローズはやれやれと首を振る
「じゃあ、どうするんだよ!」
パンプは壁を蹴る

「まぁまぁパンプさん落ち着いて下さい」
ツイスターはパンプをなだめる
「でも...」

「だから俺らは作戦を練っているんだぜ」
スカルドはため息をつく
「そうなのか、ところで何で白夜はあんな事をしてるんだ?」
パンプはローズの近くに行く

「ダリアは仕方が無いとは言え、国民を支配しなきゃいけないでしょ、そうすると反乱をするって言う人が出るのよ、だから白夜はダリアを完璧に護衛をするためにあえて支配されているのよ」
「なるほどな」
パンプは納得する

「ところで白夜は?」
ローズはパンプに聞く
「ジャンと戦ってる」
パンプがそう言った瞬間、ローズの顔が変わる

「何ですって❗️なんでそんな大切な事を早く言わないのよ❗️白夜に何かあったらアンタを殺すわよ❗️」
怖い顔をしたローズはパンプの首を絞める
「ロ、ローズ、ギブ!ギブ!死ぬっ!」
パンプはもがく


 路地裏

 ジャンは白夜の攻撃を受け流しながら人気の無い所まで移動をする

(よし、此処なら)
「白夜さん!少し堪えて!マジック...ウッ!」
ジャンは魔力で縄を作り投げようとした瞬間、もがき出す

「がぁ!ぐっ!ぐっ!」
(苦しい!息ができない!パンプに何かあったのか?)
元の髪色に戻ったジャンはその場に転がる

「隙あり!」
白夜は近くにあった物干し竿を振り回す
「んん❗️」
ジャンは転がりながら白夜の華麗な棒術を躱す

「ぷっはー❗️あー!苦しかった!マジックロープ❗️」
今度こそジャンは縄で白夜を捕らえる

「よーし、出来るだけ優しく」
ジャンは白夜に軽くビンタをする
「何をする!この...」
「ごめん!」
ジャンは白夜の口元にキスをする

「んんんっ‼️」
一気に白夜の顔は赤くなり、ジャンから顔を離す
「ジ、ジャ、ジャンさん!?突然大胆ですよ!そ、それに服を着て下さい!」
白夜はそっぽを向く

「ご、ごめん元に戻すにはこうするしか無いと思って、服!服!」
ジャンも顔を赤くしながら近くに落ちている布を着込む

「ジャン...お前、俺が逃げるのに必死だってのに...💢、ナンパしてやがったなぁ❗️」
クラムはジャンの顔をひっかく

「ジャンさん!」
「...くぅー❗️イタタタ❗️いきなり何すんだよもー!いつからいたんだよクラム!」
ジャンは顔を抑えながら言う 

「お前がもがいてた時から」
クラムは真顔で即答する
「助けろよ...」
ジャンは呆れる

「それより誰だその女!この泥棒猫❗️」
クラムは白夜に指差す
「何言ってんだよたくっ、この人は白夜さん、僕らの仲間だよ」
ジャンは顔に回復魔法を使いながら紹介する

「なるほど、俺はクラム、クラム・クルムだ、ジャン達の旅を同行してる」
クラムは人間の姿に戻る

「私はスフール・白夜と申します、以後お見知りおきを」
白夜はお辞儀する

「白夜もジャンみたいに手品を使えるのか?」
「ええ、魔法とは少し違いますが...」
白夜が指を振ると周りに落ちているガラクタが宙に浮き始める

「うげっ!なんだコレ!?」
クラムは飛び回るガラクタを見回しながら驚く
「これは呪術ポルターガイスト、物に魂を吹きこむ術です」
白夜は術を解く

「スッゲー❗️じゃあ白夜にもパートナーがいるのか!」
クラムは興奮して耳だけオオカミになる
「ええ勿論!私のパートナーは...って!いけない!大変な事を忘れてたわ!2人ともついて来て!」
3人は城の方まで走り出す
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