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最終話 事件の顛末
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王太子だったレオ殿下は、廃太子となりました。
メロディスさんの奴隷だったことで『平民の奴隷』という汚名が広まってしまったからです。
平民の奴隷は、貴族たちが敬える存在ではありませんし、平民の奴隷が王になったら他国にも侮られますものね。
さらにメロディスさんに侍っていたレオ殿下たち四人は、メロディスさんの魅了魔法に落ちたため、魔力が少ないことが証明されてしまったことも一因です。
メロディスさんの魅了魔法は公にはされていませんが、暗黙の了解となっていましたので、レオ殿下たちの魔力が低いことは知れてしまいました。
この国において魔力は権威です。
貴族は血統により魔力を継ぐことが役目でもあるため、魔力の低い者との婚姻は望みません。
レオ殿下たち四人は高位貴族の令嬢との結婚は絶望的です。
とはいえ、レオ殿下たちは一般的な平民よりは魔力を持っています。
特権階級の末席に身を置くことになるでしょう。
レオ殿下たちの政治生命は完全に終わっていますが、しかし彼らは全くの無能というわけではありません。
メロディスさんの魅了魔法を発見することが出来たのは、レオ殿下たちが調査官を手配したからですもの。
これはむしろお手柄です。
残念ながら、同時にレオ殿下たちの魔力が低いことが露呈してしまったため、彼らにとっては不名誉のほうが大きくなりましたが。
彼らの事件の処理能力を買っている者もいると聞いていますので、文官か武官かは解りませんが現場で働くような官職に就くかもしれませんね。
私は、婚約者だったレオ殿下については感情的に許すことができません。
ですが、すでに赤の他人であり魔力弱者であるレオ殿下については、遠くからご多幸をお祈りしております。
メロディスさんですが。
王立魔法学園でメロディスさんが捕縛されたあの日以来、彼女の姿を見た者はいないそうです。
まあ、王宮の魔法塔にいるのではないかと思います。
希少な魔法は研究対象ですから。
もしかしたらメロディスさんは魔法塔で教育を受けて、いずれは王国の影の仕事を担う魔法士になるかもしれません。
◆
私は、新たに婚約を結びました。
私の新しい婚約者はグラストル公爵令息アーヴィン様。
かつてメロディスさんのことでレオ殿下に忠告をして、レオ殿下たちに絡まれていたお方の一人です。
メロディスさんの魅了魔法に落ちなかったお方ですから、魔力は保証されています。
「メロディス嬢は試金石だったね」
私と新しい婚約者アーヴィン様は、しばしばメロディスさんとそれにまつわる事件について語り合います。
私たちは共にあの事件の被害者でしたので。
「彼女の魅了魔法がレオ殿下や他の令息たちの魔力量を暴いたんだ。貴族は平民ほど厳密な検査は受けないから、実は魔力が低いなんて、調べられないことだったけれど。メロディス嬢が試金石になって暴かれた」
「たしかに……。メロディスさんの魅了魔法によって、爵位の高さは、魔力の高さとは必ずしも比例しないことが証明されましたね。王家の血筋のレオ殿下が平民のメロディスさんより劣っていたなんて驚きました」
「最近、メロディス嬢は実は天使だったのではないかと思うようになった」
アーヴィン様は微笑みながら言いました。
「だって彼女のおかげで、私は君と婚約できたのだから。彼女は、私と君との婚約を成立させてくれた。尊い天使だよ」
――完――
メロディスさんの奴隷だったことで『平民の奴隷』という汚名が広まってしまったからです。
平民の奴隷は、貴族たちが敬える存在ではありませんし、平民の奴隷が王になったら他国にも侮られますものね。
さらにメロディスさんに侍っていたレオ殿下たち四人は、メロディスさんの魅了魔法に落ちたため、魔力が少ないことが証明されてしまったことも一因です。
メロディスさんの魅了魔法は公にはされていませんが、暗黙の了解となっていましたので、レオ殿下たちの魔力が低いことは知れてしまいました。
この国において魔力は権威です。
貴族は血統により魔力を継ぐことが役目でもあるため、魔力の低い者との婚姻は望みません。
レオ殿下たち四人は高位貴族の令嬢との結婚は絶望的です。
とはいえ、レオ殿下たちは一般的な平民よりは魔力を持っています。
特権階級の末席に身を置くことになるでしょう。
レオ殿下たちの政治生命は完全に終わっていますが、しかし彼らは全くの無能というわけではありません。
メロディスさんの魅了魔法を発見することが出来たのは、レオ殿下たちが調査官を手配したからですもの。
これはむしろお手柄です。
残念ながら、同時にレオ殿下たちの魔力が低いことが露呈してしまったため、彼らにとっては不名誉のほうが大きくなりましたが。
彼らの事件の処理能力を買っている者もいると聞いていますので、文官か武官かは解りませんが現場で働くような官職に就くかもしれませんね。
私は、婚約者だったレオ殿下については感情的に許すことができません。
ですが、すでに赤の他人であり魔力弱者であるレオ殿下については、遠くからご多幸をお祈りしております。
メロディスさんですが。
王立魔法学園でメロディスさんが捕縛されたあの日以来、彼女の姿を見た者はいないそうです。
まあ、王宮の魔法塔にいるのではないかと思います。
希少な魔法は研究対象ですから。
もしかしたらメロディスさんは魔法塔で教育を受けて、いずれは王国の影の仕事を担う魔法士になるかもしれません。
◆
私は、新たに婚約を結びました。
私の新しい婚約者はグラストル公爵令息アーヴィン様。
かつてメロディスさんのことでレオ殿下に忠告をして、レオ殿下たちに絡まれていたお方の一人です。
メロディスさんの魅了魔法に落ちなかったお方ですから、魔力は保証されています。
「メロディス嬢は試金石だったね」
私と新しい婚約者アーヴィン様は、しばしばメロディスさんとそれにまつわる事件について語り合います。
私たちは共にあの事件の被害者でしたので。
「彼女の魅了魔法がレオ殿下や他の令息たちの魔力量を暴いたんだ。貴族は平民ほど厳密な検査は受けないから、実は魔力が低いなんて、調べられないことだったけれど。メロディス嬢が試金石になって暴かれた」
「たしかに……。メロディスさんの魅了魔法によって、爵位の高さは、魔力の高さとは必ずしも比例しないことが証明されましたね。王家の血筋のレオ殿下が平民のメロディスさんより劣っていたなんて驚きました」
「最近、メロディス嬢は実は天使だったのではないかと思うようになった」
アーヴィン様は微笑みながら言いました。
「だって彼女のおかげで、私は君と婚約できたのだから。彼女は、私と君との婚約を成立させてくれた。尊い天使だよ」
――完――
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