7 / 34
07話 アルマンディンと奇妙な生物
しおりを挟む
「ルビー、アルマンディン様から離れなさい。はしたないわよ」
サフィール嬢がルビー嬢を叱ってくれた。
だがルビー嬢は僕にくっついたまま離れない。
どうすれば良いんだ……。
「お姉様はルビーに嫉妬しているんですかぁ?」
「無作法をやめなさいと言っているの!」
姉妹が言い合いを始めた。
「ルビーはアルマンディン様が気に入っちゃいましたぁ」
「ルビー、お願いだからアルマンディン様から離れて。部屋から出て行って。私はアルマンディン様に大切なお話があるの」
もう何が何やら、訳がわからない。
「ルビー、貴女はそういう無礼なことをして何度も破談になっているでしょう。スフェーン様に言われたことを忘れたの?!」
スフェーン様って公爵家のスフェーン様?
サフィール嬢の妹が、公爵家の嫡子スフェーン様とお見合いしたって話は聞いたことがあるけど……。
え?
この子が、あのスフェーン様とお見合いしたの?
スフェーン様にもこんなことしたの?!
……スフェーン様はどうやってこれを乗り切ったんだろう……。
「スフェーン様は意地悪だったんです! アルマンディン様は優しいからあんな酷いこと言いません!」
「アルマンディン様は私の婚約者よ!」
「ルビー嬢、頼むから離れてくれ!」
僕はルビー嬢に何度目かのお願いをした。
でもルビー嬢は僕の腕にがっちりしがみついて離れようとしない。
何なんだこの生物は……。
もう、どうしようもないから。
僕はルビー嬢につかまれている腕を強引に引き抜いて、彼女の手を振り払おうとした。
「きゃあ!」
僕が腕を引き抜いた勢いが強すぎたのか、ルビー嬢は転んでしまった。
男性が腕を振り払って、女性が倒れたら。
男性が悪者になるに決まってる!
「ご、ごめん! ルビー嬢、大丈夫?!」
僕は慌てて、倒れてしまったルビー嬢に手を差し伸べた。
「怪我はない?!」
「アルマンディン様ぁ」
僕が差し伸べた手を、ルビー嬢は再びがっちりと掴んだ。
また、捕まってしまった……。
誰か助けて……。
「足が痛いですぅ。歩けませぇん。ルビーのお部屋まで抱いて行ってくださぁい」
「え、ええっ?!」
未婚の男女がいて。
男性が女性を抱いて、女性の部屋まで連れて行く?
不埒だ。
不道徳だ。
そして男性が悪者になる!
醜聞だ。
僕の名誉が。
家族にも迷惑が……。
「そんな不埒なことは出来ない!」
「足が痛くて動けませぇん。アルマンディン様ぁ、ルビーを助けてくださいぃ」
ルビー嬢はぐっと力をこめて僕の手を掴んだ。
駄目だ。
ルビー嬢と一緒にいたら、命がいくつあっても足りそうにない。
どうやって逃げれば良い?
僕が絶望と対峙していると、サフィール嬢が控えているメイドたちに指示した。
「貴女たち、ルビーを自分の部屋に連れて行ってあげて」
「は、はい」
「かしこまりました」
メイドたちがルビー嬢に駆け寄る。
「触らないで! ルビーはアルマンディン様に連れて行ってもらうの!」
ルビー嬢はヒステリックにそう叫ぶと、近付こうとしたメイドたちをギロリと睨んで威嚇した。
「あんたたちは手を出さないでよね! 私の邪魔したらお父様に頼んでクビにするからね!」
え、怖い。
「ルビー、いい加減にして。邪魔しないで」
「お姉様こそ、ルビーとアルマンディン様の仲を邪魔しないでください!」
は?
僕とルビー嬢の仲?
何を言っているんだ?
「僕はサフィール嬢の婚約者だよ」
僕は念のために言った。
サフィール嬢の妹なら当然知っているはずだとは思ったけれど。
「アルマンディン様ぁ、ルビーと婚約しましょう!」
「……ごめん、意味が解らない……」
「ルビーがアルマンディン様と結婚するって意味ですぅ!」
「僕が結婚するのはサフィール嬢だよ」
「ルビーと結婚しましょう!」
駄目だ。
人間の言葉が通じない。
サフィール嬢がルビー嬢を叱ってくれた。
だがルビー嬢は僕にくっついたまま離れない。
どうすれば良いんだ……。
「お姉様はルビーに嫉妬しているんですかぁ?」
「無作法をやめなさいと言っているの!」
姉妹が言い合いを始めた。
「ルビーはアルマンディン様が気に入っちゃいましたぁ」
「ルビー、お願いだからアルマンディン様から離れて。部屋から出て行って。私はアルマンディン様に大切なお話があるの」
もう何が何やら、訳がわからない。
「ルビー、貴女はそういう無礼なことをして何度も破談になっているでしょう。スフェーン様に言われたことを忘れたの?!」
スフェーン様って公爵家のスフェーン様?
サフィール嬢の妹が、公爵家の嫡子スフェーン様とお見合いしたって話は聞いたことがあるけど……。
え?
この子が、あのスフェーン様とお見合いしたの?
スフェーン様にもこんなことしたの?!
……スフェーン様はどうやってこれを乗り切ったんだろう……。
「スフェーン様は意地悪だったんです! アルマンディン様は優しいからあんな酷いこと言いません!」
「アルマンディン様は私の婚約者よ!」
「ルビー嬢、頼むから離れてくれ!」
僕はルビー嬢に何度目かのお願いをした。
でもルビー嬢は僕の腕にがっちりしがみついて離れようとしない。
何なんだこの生物は……。
もう、どうしようもないから。
僕はルビー嬢につかまれている腕を強引に引き抜いて、彼女の手を振り払おうとした。
「きゃあ!」
僕が腕を引き抜いた勢いが強すぎたのか、ルビー嬢は転んでしまった。
男性が腕を振り払って、女性が倒れたら。
男性が悪者になるに決まってる!
「ご、ごめん! ルビー嬢、大丈夫?!」
僕は慌てて、倒れてしまったルビー嬢に手を差し伸べた。
「怪我はない?!」
「アルマンディン様ぁ」
僕が差し伸べた手を、ルビー嬢は再びがっちりと掴んだ。
また、捕まってしまった……。
誰か助けて……。
「足が痛いですぅ。歩けませぇん。ルビーのお部屋まで抱いて行ってくださぁい」
「え、ええっ?!」
未婚の男女がいて。
男性が女性を抱いて、女性の部屋まで連れて行く?
不埒だ。
不道徳だ。
そして男性が悪者になる!
醜聞だ。
僕の名誉が。
家族にも迷惑が……。
「そんな不埒なことは出来ない!」
「足が痛くて動けませぇん。アルマンディン様ぁ、ルビーを助けてくださいぃ」
ルビー嬢はぐっと力をこめて僕の手を掴んだ。
駄目だ。
ルビー嬢と一緒にいたら、命がいくつあっても足りそうにない。
どうやって逃げれば良い?
僕が絶望と対峙していると、サフィール嬢が控えているメイドたちに指示した。
「貴女たち、ルビーを自分の部屋に連れて行ってあげて」
「は、はい」
「かしこまりました」
メイドたちがルビー嬢に駆け寄る。
「触らないで! ルビーはアルマンディン様に連れて行ってもらうの!」
ルビー嬢はヒステリックにそう叫ぶと、近付こうとしたメイドたちをギロリと睨んで威嚇した。
「あんたたちは手を出さないでよね! 私の邪魔したらお父様に頼んでクビにするからね!」
え、怖い。
「ルビー、いい加減にして。邪魔しないで」
「お姉様こそ、ルビーとアルマンディン様の仲を邪魔しないでください!」
は?
僕とルビー嬢の仲?
何を言っているんだ?
「僕はサフィール嬢の婚約者だよ」
僕は念のために言った。
サフィール嬢の妹なら当然知っているはずだとは思ったけれど。
「アルマンディン様ぁ、ルビーと婚約しましょう!」
「……ごめん、意味が解らない……」
「ルビーがアルマンディン様と結婚するって意味ですぅ!」
「僕が結婚するのはサフィール嬢だよ」
「ルビーと結婚しましょう!」
駄目だ。
人間の言葉が通じない。
446
あなたにおすすめの小説
お姉様は嘘つきです! ~信じてくれない毒親に期待するのをやめて、私は新しい場所で生きていく! と思ったら、黒の王太子様がお呼びです?
朱音ゆうひ@『桜の嫁入り』発売中です
恋愛
男爵家の令嬢アリシアは、姉ルーミアに「悪魔憑き」のレッテルをはられて家を追い出されようとしていた。
何を言っても信じてくれない毒親には、もう期待しない。私は家族のいない新しい場所で生きていく!
と思ったら、黒の王太子様からの招待状が届いたのだけど?
別サイトにも投稿してます(https://ncode.syosetu.com/n0606ip/)
姉の陰謀で追放されました
たくわん
恋愛
魔力なしと断じられ、姉の陰謀で侯爵家を追放されたリディア。辿り着いた辺境の村で絶望の淵に立った時、彼女の中に眠っていた「聖癒の魔法」が目覚める。
傷ついた村人を救ったリディアは、冷酷無慈悲と恐れられる辺境伯ルカの目に留まり、専属治癒師として城に迎えられる。凍てついた心を持つ辺境伯との出会いが、リディアの運命を大きく変えていく――。
厄介払いされてしまいました
たくわん
恋愛
侯爵家の次女エリアーナは、美人の姉ロザリンドと比べられ続け、十八年間冷遇されてきた。
十八歳の誕生日、父から告げられたのは「辺境の老伯爵に嫁げ」という厄介払いの命令。
しかし、絶望しながらも辺境へ向かったエリアーナを待っていたのは――。
(完)お姉様、婚約者を取り替えて?ーあんなガリガリの幽霊みたいな男は嫌です(全10話)
青空一夏
恋愛
妹は人のものが常に羨ましく盗りたいタイプ。今回は婚約者で理由は、
「私の婚約者は幽霊みたいに青ざめた顔のガリガリのゾンビみたい! あんな人は嫌よ! いくら領地経営の手腕があって大金持ちでも絶対にいや!」
だそうだ。
一方、私の婚約者は大金持ちではないが、なかなかの美男子だった。
「あのガリガリゾンビよりお姉様の婚約者のほうが私にぴったりよ! 美男美女は大昔から皆に祝福されるのよ?」と言う妹。
両親は妹に甘く私に、
「お姉ちゃんなのだから、交換してあげなさい」と言った。
私の婚約者は「可愛い妹のほうが嬉しい」と言った。妹は私より綺麗で可愛い。
私は言われるまま妹の婚約者に嫁いだ。彼には秘密があって……
魔法ありの世界で魔女様が最初だけ出演します。
⸜🌻⸝姉の夫を羨ましがり、悪巧みをしかけようとする妹の自業自得を描いた物語。とことん、性格の悪い妹に胸くそ注意です。ざまぁ要素ありですが、残酷ではありません。
タグはあとから追加するかもしれません。
妹に婚約者を奪われたけど、婚約者の兄に拾われて幸せになる
ワールド
恋愛
妹のリリアナは私より可愛い。それに才色兼備で姉である私は公爵家の中で落ちこぼれだった。
でも、愛する婚約者マルナールがいるからリリアナや家族からの視線に耐えられた。
しかし、ある日リリアナに婚約者を奪われてしまう。
「すまん、別れてくれ」
「私の方が好きなんですって? お姉さま」
「お前はもういらない」
様々な人からの裏切りと告白で私は公爵家を追放された。
それは終わりであり始まりだった。
路頭に迷っていると、とても爽やかな顔立ちをした公爵に。
「なんだ? この可愛い……女性は?」
私は拾われた。そして、ここから逆襲が始まった。
かわいそうな欲しがり妹のその後は ~ 王子様とは結婚しません!
柚屋志宇
恋愛
「お姉様のドレスちょうだい!」と言っていた可哀想な平民育ちの義妹デイジーに、生粋の公爵令嬢リナリアが淑女教育を施してあげたら『傾国の令嬢』に進化してしまった。
デイジーは王子や令息たちを魅了してしまい求婚が殺到する。
やがて国家を揺るがす大騒動となるが、リナリアは知略で危機を乗り切って征く。
※小説家になろうにも掲載しています。
姉と妹の常識のなさは父親譲りのようですが、似てない私は養子先で運命の人と再会できました
珠宮さくら
恋愛
スヴェーア国の子爵家の次女として生まれたシーラ・ヘイデンスタムは、母親の姉と同じ髪色をしていたことで、母親に何かと昔のことや隣国のことを話して聞かせてくれていた。
そんな最愛の母親の死後、シーラは父親に疎まれ、姉と妹から散々な目に合わされることになり、婚約者にすら誤解されて婚約を破棄することになって、居場所がなくなったシーラを助けてくれたのは、伯母のエルヴィーラだった。
同じ髪色をしている伯母夫妻の養子となってからのシーラは、姉と妹以上に実の父親がどんなに非常識だったかを知ることになるとは思いもしなかった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる