27 / 81
夢現
6
翠に手を伸ばせば、見たことがない程余裕のない表情をした翠が荒々しく着ていたTシャツを脱ぎ捨てた。ベッドの下にはらりと落ちていくTシャツ。そして、翠は僕の手を取るとそのままベッドに縫い付けられる。
「んッ、ふ、」
「……陽」
馬乗りになった翠から次々と降ってくる甘い口付けに酔ってしまいそう。息継ぎの合間に名前を呼ばれると、僕は翠に愛されているのだと勘違いした心がときめいてしまう。まさか、そんなわけないのに。
家政夫だってのはただの建前、結局のところ性欲処理として雇っただけなんだ。我が強いアルファ同士は馬が合わない者が多いというし、ただの性欲処理にオメガなんて厄介すぎる。僕のような平凡なベータが一番扱いやすいだろう。
僕は運が良かった。偶然翠に出会って、今までの比じゃないぐらいの給料をもらいながら楽な仕事をして、好きな人に抱いてもらえるなんて。僕の人生の最高到達点はここだと、はっきり分かる。
「……何考えてるの」
「っ、え?」
「だめだよ、俺のことしか頭の中にいれないで」
「そ、こ……、だめ、ッ」
考え事をしている僕を叱るように、翠がシャツの上から胸の飾りを口に含んだ。新たな刺激に思わず漏れた声は高く媚びているようで、言葉とは裏腹に、微塵も拒否するつもりは無いということが丸分かりだった。
先端を齧られると、もう、駄目だった。快感を逃そうと仰け反ると、もっとしてと言いたげに胸を突き出す形になって、反対側も指先で苛められてしまう。
「……や、」
「ひもち、い?」
「んッ、そこで、しゃべんないで」
普段は性感帯として全く機能していないくせに、翠に触れられているだけでどうしてこんなにも気持ちよくなってしまうのだろう。そんなことを考えながら熱い息を漏らしていれば、口元を拭った翠が僕のシャツに手をかけてあっという間に脱がされた。
ぽってりと膨らんだそこは、目の前の男に散々苛められたのだと恥ずかしいほどに主張している。
「翠、おねがい」
「んー?」
「そこは、もうやだ」
自分が自分じゃなくなるみたい。涙の浮かぶ瞳で懇願すると、翠はにっこりと笑った。
「そこってどこ?」
「っ、……ひ、どい」
「ここかな」
そう言った翠が臍に唇を落とす。舌先で擽られると、喉奥から堪えきれない喘ぎ声が漏れた。
「っひ、……やぁッ、」
「いっぱい気持ちよくなれてえらいね」
いっぱいいっぱいになっている僕とは違って、冷静な翠によしよしと頭を撫でられる。内容がどうであれ、バカになった頭が褒められたと勘違いを起こして、素直に喜んでしまうのは惚れた弱みか。
「んッ、ふ、」
「……陽」
馬乗りになった翠から次々と降ってくる甘い口付けに酔ってしまいそう。息継ぎの合間に名前を呼ばれると、僕は翠に愛されているのだと勘違いした心がときめいてしまう。まさか、そんなわけないのに。
家政夫だってのはただの建前、結局のところ性欲処理として雇っただけなんだ。我が強いアルファ同士は馬が合わない者が多いというし、ただの性欲処理にオメガなんて厄介すぎる。僕のような平凡なベータが一番扱いやすいだろう。
僕は運が良かった。偶然翠に出会って、今までの比じゃないぐらいの給料をもらいながら楽な仕事をして、好きな人に抱いてもらえるなんて。僕の人生の最高到達点はここだと、はっきり分かる。
「……何考えてるの」
「っ、え?」
「だめだよ、俺のことしか頭の中にいれないで」
「そ、こ……、だめ、ッ」
考え事をしている僕を叱るように、翠がシャツの上から胸の飾りを口に含んだ。新たな刺激に思わず漏れた声は高く媚びているようで、言葉とは裏腹に、微塵も拒否するつもりは無いということが丸分かりだった。
先端を齧られると、もう、駄目だった。快感を逃そうと仰け反ると、もっとしてと言いたげに胸を突き出す形になって、反対側も指先で苛められてしまう。
「……や、」
「ひもち、い?」
「んッ、そこで、しゃべんないで」
普段は性感帯として全く機能していないくせに、翠に触れられているだけでどうしてこんなにも気持ちよくなってしまうのだろう。そんなことを考えながら熱い息を漏らしていれば、口元を拭った翠が僕のシャツに手をかけてあっという間に脱がされた。
ぽってりと膨らんだそこは、目の前の男に散々苛められたのだと恥ずかしいほどに主張している。
「翠、おねがい」
「んー?」
「そこは、もうやだ」
自分が自分じゃなくなるみたい。涙の浮かぶ瞳で懇願すると、翠はにっこりと笑った。
「そこってどこ?」
「っ、……ひ、どい」
「ここかな」
そう言った翠が臍に唇を落とす。舌先で擽られると、喉奥から堪えきれない喘ぎ声が漏れた。
「っひ、……やぁッ、」
「いっぱい気持ちよくなれてえらいね」
いっぱいいっぱいになっている僕とは違って、冷静な翠によしよしと頭を撫でられる。内容がどうであれ、バカになった頭が褒められたと勘違いを起こして、素直に喜んでしまうのは惚れた弱みか。
あなたにおすすめの小説
入社1ヶ月のワンコ系男子が、知らずのうちに射止めたのはイケメン社長!?
monteri
BL
CM制作会社の新入社員、藤白純太は入社1ヶ月で教育係の先輩が過労で倒れたため、特別なクライアントの担当を引き継ぐことになる。
そのクライアントは、女子禁制ミーハー厳禁の芸能事務所だった。
主人公の無知で純なところに、翻弄されたり、骨抜きにされるイケメン社長と、何も知らない純太がドキドキするお話です。
※今回の表紙はAI生成です
※小説家になろうにも公開してます
人気アイドルの俺、なぜかメンバー全員に好かれてます
七瀬
BL
デビュー4年目の人気アイドルグループ「ECLIPSE(エクリプス)」に所属する芹沢 美澄(せりざわみすみ)は、昔からどこか抜けていてマイペースな性格。
歌もダンスも決して一番ではないはずなのに、なぜかファンからもメンバーからも目を離されない存在だった。
世話焼きな幼なじみ、明るく距離の近い同い年、しっかり者で面倒見のいい年上、掴みどころのない自由人、そして無言で隣にいるリーダー——。
気づけば、美澄の周りにはいつも誰かがいて、当たり前のように甘やかされていく。
番を拒み続けるΩと、執着を隠しきれないαが同じ学園で再会したら逃げ場がなくなった話 ――優等生αの過保護な束縛は恋か支配か
雪兎
BL
第二性が存在する世界。
Ωであることを隠し、平穏な学園生活を送ろうと決めていた転校生・湊。
しかし入学初日、彼の前に現れたのは――
幼い頃に「番になろう」と言ってきた幼馴染のα・蓮だった。
成績優秀、容姿端麗、生徒から絶大な信頼を集める完璧なα。
だが湊だけが知っている。
彼が異常なほど執着深いことを。
「大丈夫、全部管理してあげる」
「君が困らないようにしてるだけだよ」
座席、時間割、交友関係、体調管理。
いつの間にか整えられていく環境。
逃げ場のない距離。
番を拒みたいΩと、手放す気のないα。
これは保護か、それとも束縛か。
閉じた学園の中で、二人の関係は静かに歪み始める――。
ウサギ獣人を毛嫌いしているオオカミ獣人後輩に、嘘をついたウサギ獣人オレ。大学時代後輩から逃げたのに、大人になって再会するなんて!?
灯璃
BL
ごく普通に大学に通う、宇佐木 寧(ねい)には、ひょんな事から懐いてくれる後輩がいた。
オオカミ獣人でアルファの、狼谷 凛旺(りおう)だ。
ーここは、普通に獣人が現代社会で暮らす世界ー
獣人の中でも、肉食と草食で格差があり、さらに男女以外の第二の性別、アルファ、ベータ、オメガがあった。オメガは男でもアルファの子が産めるのだが、そこそこ差別されていたのでベータだと言った方が楽だった。
そんな中で、肉食のオオカミ獣人の狼谷が、草食オメガのオレに懐いているのは、単にオレたちのオタク趣味が合ったからだった。
だが、こいつは、ウサギ獣人を毛嫌いしていて、よりにもよって、オレはウサギ獣人のオメガだった。
話が合うこいつと話をするのは楽しい。だから、学生生活の間だけ、なんとか隠しとおせば大丈夫だろう。
そんな風に簡単に思っていたからか、突然に発情期を迎えたオレは、自業自得の後悔をする羽目になるーー。
みたいな、大学篇と、その後の社会人編。
BL大賞ポイントいれて頂いた方々!ありがとうございました!!
※本編完結しました!お読みいただきありがとうございました!
※短編1本追加しました。これにて完結です!ありがとうございました!
旧題「ウサギ獣人が嫌いな、オオカミ獣人後輩を騙してしまった。ついでにオメガなのにベータと言ってしまったオレの、後悔」
【完結済】極上アルファを嵌めた俺の話
降魔 鬼灯
BL
ピアニスト志望の悠理は子供の頃、仲の良かったアルファの東郷司にコンクールで敗北した。
両親を早くに亡くしその借金の返済が迫っている悠理にとって未成年最後のこのコンクールの賞金を得る事がラストチャンスだった。
しかし、司に敗北した悠理ははオメガ専用の娼館にいくより他なくなってしまう。
コンサート入賞者を招いたパーティーで司に想い人がいることを知った悠理は地味な自分がオメガだとバレていない事を利用して司を嵌めて慰謝料を奪おうと計画するが……。
大学一軍イケメンにいちご狩りに誘われた陰キャの俺、なぜかいちごじゃなくて俺が喰われたんだが(?)
子犬一 はぁて
BL
大学一軍イケメン×大学九軍陰キャ
喰われるなんて聞いてないんだが(?)
俺はただ、
いちご狩りに誘われただけだが。
なのに──
誘ってきた大学一軍イケメンの海皇(21)に
なぜか俺が捕まって食われる展開に?
ちょっと待てい。
意味がわからないんだが!
いちご狩りから始まる
ケンカップルいちゃらぶBL
※大人描写のある話はタイトルに『※』あり
【完結】逃げた弟のかわりに溺愛アルファに差し出されました。抱かれたら身代わりがばれてしまうので初夜は断固拒否します!
雪代鞠絵/15分で萌えるBL小説
BL
隣国の国王キリアン(アルファ)に嫁がされたオメガの王子リュカ。
しかし実は、結婚から逃げ出した双子の弟セラの身代わりなのです…
本当の花嫁じゃないとばれたら大変!
だから何としても初夜は回避しなければと思うのですが、
だんだんキリアンに惹かれてしまい、苦しくなる…という
お話です。よろしくお願いします<(_ _)>