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貴方に宛てたラブレター
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しおりを挟むその人を初めて見たときのことを、昨日のことのように今でも鮮明に思い出せる。周りから音がなくなって、聞こえるのは彼の紡ぎ出す音だけ。
一瞬で心を奪われた。彼以外、この世界には存在していないんじゃないかと錯覚するほど、その瞬間の僕は東雲律しか見えていなかった。
誰もが見蕩れる美しい容姿、一度聴いたら忘れられない歌声、人の心を惹き付けてしまう圧倒的オーラ……。
歳を重ねるごとに、その輝きは増していく。数え切れないほどの魅力で溢れた、生まれながらに持っているひと。
姿は見えるはずなのに、遙か遠い向こう側の存在。同じ人間のはずなのに、雲泥の差がある。彼にはあって、僕には無いものがたくさんある。
だけどないものねだりをしようとも思わなかった。望むだけ無駄だと理解していた僕は、根っからの敗北者。
神さまがもし本当にいるならば、彼のことをいうのだと思った。
手を伸ばしても届かない孤高の存在。彼の世界はどんな風に彩られているのだろう。
吉良紡という存在を認知しないでほしいけれど、東雲律の一部になりたい。日毎に、彼へ抱く感情はどんどん大きくなって、どろどろと重たいものになっていく。
――いつか、貴方と一緒に歌えたら。
それは、僕のようなちっぽけな人間が口に出すのも烏滸がましい夢。
だけど、心に小さな灯火がついてしまったんだ。叶うはずのない夢を抱いてしまったんだ。
彼の隣に立つということ。彼と想い合うこと。
あの頃は想像したことさえなかった現実が、今はある。
僕だって、夢に手を伸ばせるんじゃないかって。ほんの少しだけ希望を見い出せるところまで来れたんだ。
幾度となく背中を押してもらった。
卑下してばかりだった自分に少し自信を持てるようになった。
たくさんの愛情をもらった。
その存在の大きさに何度救われたことだろう。
これまでの僕とは違う。決心したんだ。
だって、一番の味方がこんな僕を信じてくれている。
だから、今度は僕が彼を孤独から守ってあげたい。隣に並んで、一緒に歩んでいきたい。
夢は叶えるためにあるのだから、最初から諦めるなんてもったいない。自分の手で未来を掴むんだ。運命も夢も、僕自身の力で手繰り寄せる。
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