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3章 統一
43話 再会
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「き、君がケトン王か」
8歳と聞いていたが、ほんとに小さくて室井の面影はない。
ちょっと不安になっていた俺だったが、次に返って来た言葉「ラーメン旅行に行けなくてごめん」っと言う、あの時楽しみにしていた旅行の話題で、俺は気づいたらケトンを抱きしめていたよ。
「バカやろ~そんなの良いから、死ぬんじゃねぇよ」
「ああ、そうだったね、ごめん」
小さな手が俺の腰をポンポンと叩いて来るが、もうそんな事はどうでも良くて、姿が違くても室井にまた会えて嬉しかった。
今まで、集中していても両手で持つくらいしか出来なかったのに、その時は室井を抱きしめる事が出来たんだ。
「それにしても、小さくなったな室井」
「メンヤこそ半透明じゃん、なに幽霊みたいになってるのさ」
「俺の本体はダンジョン玉だからな、知ってるだろう」
「そうだけど、まさかラーメン屋をしてるとは思わなかったよ」
抱きしめたままで室井と話したんだが、そこでやっと座って話す流れにして、俺の店の椅子に座って貰った。
そして、夢を叶えたとか言われ、俺もそこで気付いたんだ。
「そう言えば、そんな事を言ってたな」
「何だよメンヤ、もしかして気付いてなかったのかい?」
「ああ、作るのに精いっぱいだったからな」
確かに店を開いていたが、オーロラたちの手伝いをしてもらい、スキルで出しているだけだったからそんな風には見れなかった。
しかし、今は自分でも作っていて、オリジナルとも言えるスープもある。
「そうか、俺の理想の店が出来ていたんだな」
「そんな親友に頼みがあるんだけど、聞いてくれるかい?」
「何だよ室井」
「お前のラーメン、食べさせてくれよ」
その言葉は、俺が店を作ったなら食べさせろと前に言っていた事の実現で、ほんとにこいつはっと思ったよ。
今さっきまで、上の建物で大変な話し合いをしていて、これからそれの為に俺と話さないといけないのに、俺のラーメン(約束)を優先するとか、もう嬉しくて仕方なかったよ。
「分かったよ、俺の自信作食べてくれ」
「やった、上の料理も美味かったけどさ、やっぱり王道が良いよね」
「お前は革命の味が好きだっただろう?」
「そうだけど、メンヤは王道派だから、そっち系でしょ?」
やっぱり室井は分かっていると、俺は塩ラーメンを作ってテーブルに置いた。
俺の王道は、さっぱりとした塩ラーメンで、透き通ったダシを作る為に試行錯誤した品だ。
「では、頂きます」
室井が箸を使って食べる仕草は、昔の姿をダブらせてきて俺は泣きそうだ。
だが、室井の美味いと言う言葉を貰い、俺の涙腺は崩壊した。
「泣き過ぎでしょメンヤ」
「うるさいぞ室井、嬉しいんだから仕方ないだろう」
「ははは、ボクも嬉しいよメンヤ、また君の料理を食べれるとは思わなかった・・・とっても、ほんとにとっても美味しい」
室井まで泣いてしまい、しばらく無言になってしまったが、食べ終わると本題の話に入り、俺の部隊が先行する事を聞いたんだ。
言葉が分かるのが俺のモンスターたちだから分かるが、問題は食料事情だ。
「魔族の食べてる品って、こちらとはちょっと違うんだよな?」
「そうなんだけど、どうやらあのラーメンならいけるみたいなんだ」
「あれって、どんなラーメンだ室井?」
「ほら、あの緑のだよメンヤ」
ああ~っと、俺は納得はしたんだが、スキルにあったかと調べてみるとしっかりと表示がされていて、作れるのが分かったよ。
魔族は、食料から栄養だけでなく命も摂取しているらしく、生き物が沢山入っているミドリムシラーメンはきっと評判になると室井は確信していたよ。
「あれもなかなか美味しかったね」
「そうだな、ご当地ラーメンや創作系も良いが、ああいうのはたまに食べたくなるな」
「ボクは野菜たっぷりなタンメンが良いなぁ」
室井に催促された感じを受けたので、俺はタンメンを作ったが、オーロラも食べたいと急に入って来たんだ。
俺の作る品だからかもしれないが、ちょっと室井を睨んでいる感じだったな。
「へぇ~」
「な、なんだよ室井」
「いや~綺麗な人だなぁ~っと」
ニヤニヤしている室井が気持ち悪いが、その理由は分かっている。
実はオーロラの容姿は、俺の好きなマンガのキャラにソックリで、内心ではとてもハラハラしていた。
「言うなよ室井」
「分かってるよメンヤ、君がムッツリとかなんて言わないよぉ~」
「だから、そういった事を言うなと言ってるんだ」
別にそんな風には見ていなかった、ただ好きだったんだ。
タンメンを食べるオーロラに見惚れている間に室井も食べていたが、遂に魔族領かと少し心配したんだ。
「いきなり襲って来る事は無いよな?」
「心配性だね、そこは平気だよ」
「それなら良いが、分かって貰えない奴らはいるかもしれないからな」
何処にでも腐った奴らはいるもので、言葉が分かっても注意しなくてはならない。
それはこちらでも同じことで、国が集まればそれだけ裏切る可能性のある者が出て来る、そこを注意したんだ。
「平気だよメンヤ、君のおかげで統一はされてる」
「そう言うがな室井、俺はとても心配だ」
昔の様にトラックが突っ込んで来ることはないが、それ以外がここでは起きると心配だ。
8歳でも王様になっているわけだし、良く思ってない奴はいるだろうと注意したよ。
「それがねぇ~いたんだけど、いなくなったんだよねぇ」
「そうなのか?だったら見つけないと集まって更に危険だろう」
「そう言う意味ではなくてね、君の食料のおかげで全て排除できたんだよ」
そういう事かっと、俺も納得して安心出来た。
最初の標的は室井だったが、その後に俺のモンスターたちが現れてちょっかいを掛け、そんな連中が勝てるわけもないから払われたんだ。
「だからねメンヤ、僕を救ってくれたのも君なんだよ」
「そう言ってくれるのは嬉しいが、俺は屋台を広めていただけだ」
「そんな無欲だから良いんだよ、この体になって人のどす黒い部分を沢山見たから・・・だから君を信じられたんだ」
色々あったんだなっと、室井を支えようと決めた。
オーロラたちが俺を支えてくれるように、俺の出来る事はそれだけだったよ。
8歳と聞いていたが、ほんとに小さくて室井の面影はない。
ちょっと不安になっていた俺だったが、次に返って来た言葉「ラーメン旅行に行けなくてごめん」っと言う、あの時楽しみにしていた旅行の話題で、俺は気づいたらケトンを抱きしめていたよ。
「バカやろ~そんなの良いから、死ぬんじゃねぇよ」
「ああ、そうだったね、ごめん」
小さな手が俺の腰をポンポンと叩いて来るが、もうそんな事はどうでも良くて、姿が違くても室井にまた会えて嬉しかった。
今まで、集中していても両手で持つくらいしか出来なかったのに、その時は室井を抱きしめる事が出来たんだ。
「それにしても、小さくなったな室井」
「メンヤこそ半透明じゃん、なに幽霊みたいになってるのさ」
「俺の本体はダンジョン玉だからな、知ってるだろう」
「そうだけど、まさかラーメン屋をしてるとは思わなかったよ」
抱きしめたままで室井と話したんだが、そこでやっと座って話す流れにして、俺の店の椅子に座って貰った。
そして、夢を叶えたとか言われ、俺もそこで気付いたんだ。
「そう言えば、そんな事を言ってたな」
「何だよメンヤ、もしかして気付いてなかったのかい?」
「ああ、作るのに精いっぱいだったからな」
確かに店を開いていたが、オーロラたちの手伝いをしてもらい、スキルで出しているだけだったからそんな風には見れなかった。
しかし、今は自分でも作っていて、オリジナルとも言えるスープもある。
「そうか、俺の理想の店が出来ていたんだな」
「そんな親友に頼みがあるんだけど、聞いてくれるかい?」
「何だよ室井」
「お前のラーメン、食べさせてくれよ」
その言葉は、俺が店を作ったなら食べさせろと前に言っていた事の実現で、ほんとにこいつはっと思ったよ。
今さっきまで、上の建物で大変な話し合いをしていて、これからそれの為に俺と話さないといけないのに、俺のラーメン(約束)を優先するとか、もう嬉しくて仕方なかったよ。
「分かったよ、俺の自信作食べてくれ」
「やった、上の料理も美味かったけどさ、やっぱり王道が良いよね」
「お前は革命の味が好きだっただろう?」
「そうだけど、メンヤは王道派だから、そっち系でしょ?」
やっぱり室井は分かっていると、俺は塩ラーメンを作ってテーブルに置いた。
俺の王道は、さっぱりとした塩ラーメンで、透き通ったダシを作る為に試行錯誤した品だ。
「では、頂きます」
室井が箸を使って食べる仕草は、昔の姿をダブらせてきて俺は泣きそうだ。
だが、室井の美味いと言う言葉を貰い、俺の涙腺は崩壊した。
「泣き過ぎでしょメンヤ」
「うるさいぞ室井、嬉しいんだから仕方ないだろう」
「ははは、ボクも嬉しいよメンヤ、また君の料理を食べれるとは思わなかった・・・とっても、ほんとにとっても美味しい」
室井まで泣いてしまい、しばらく無言になってしまったが、食べ終わると本題の話に入り、俺の部隊が先行する事を聞いたんだ。
言葉が分かるのが俺のモンスターたちだから分かるが、問題は食料事情だ。
「魔族の食べてる品って、こちらとはちょっと違うんだよな?」
「そうなんだけど、どうやらあのラーメンならいけるみたいなんだ」
「あれって、どんなラーメンだ室井?」
「ほら、あの緑のだよメンヤ」
ああ~っと、俺は納得はしたんだが、スキルにあったかと調べてみるとしっかりと表示がされていて、作れるのが分かったよ。
魔族は、食料から栄養だけでなく命も摂取しているらしく、生き物が沢山入っているミドリムシラーメンはきっと評判になると室井は確信していたよ。
「あれもなかなか美味しかったね」
「そうだな、ご当地ラーメンや創作系も良いが、ああいうのはたまに食べたくなるな」
「ボクは野菜たっぷりなタンメンが良いなぁ」
室井に催促された感じを受けたので、俺はタンメンを作ったが、オーロラも食べたいと急に入って来たんだ。
俺の作る品だからかもしれないが、ちょっと室井を睨んでいる感じだったな。
「へぇ~」
「な、なんだよ室井」
「いや~綺麗な人だなぁ~っと」
ニヤニヤしている室井が気持ち悪いが、その理由は分かっている。
実はオーロラの容姿は、俺の好きなマンガのキャラにソックリで、内心ではとてもハラハラしていた。
「言うなよ室井」
「分かってるよメンヤ、君がムッツリとかなんて言わないよぉ~」
「だから、そういった事を言うなと言ってるんだ」
別にそんな風には見ていなかった、ただ好きだったんだ。
タンメンを食べるオーロラに見惚れている間に室井も食べていたが、遂に魔族領かと少し心配したんだ。
「いきなり襲って来る事は無いよな?」
「心配性だね、そこは平気だよ」
「それなら良いが、分かって貰えない奴らはいるかもしれないからな」
何処にでも腐った奴らはいるもので、言葉が分かっても注意しなくてはならない。
それはこちらでも同じことで、国が集まればそれだけ裏切る可能性のある者が出て来る、そこを注意したんだ。
「平気だよメンヤ、君のおかげで統一はされてる」
「そう言うがな室井、俺はとても心配だ」
昔の様にトラックが突っ込んで来ることはないが、それ以外がここでは起きると心配だ。
8歳でも王様になっているわけだし、良く思ってない奴はいるだろうと注意したよ。
「それがねぇ~いたんだけど、いなくなったんだよねぇ」
「そうなのか?だったら見つけないと集まって更に危険だろう」
「そう言う意味ではなくてね、君の食料のおかげで全て排除できたんだよ」
そういう事かっと、俺も納得して安心出来た。
最初の標的は室井だったが、その後に俺のモンスターたちが現れてちょっかいを掛け、そんな連中が勝てるわけもないから払われたんだ。
「だからねメンヤ、僕を救ってくれたのも君なんだよ」
「そう言ってくれるのは嬉しいが、俺は屋台を広めていただけだ」
「そんな無欲だから良いんだよ、この体になって人のどす黒い部分を沢山見たから・・・だから君を信じられたんだ」
色々あったんだなっと、室井を支えようと決めた。
オーロラたちが俺を支えてくれるように、俺の出来る事はそれだけだったよ。
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