16 / 42
1章 モフモフの為に
16話 可愛い動物の森
しおりを挟む
私は、フォーミ・ポートス、ポートス子爵家の長女で次期領主です。
今日は、モブにすらなれなかった転生に、腐っていた私に希望の光が差し込んだ記念の日になったのよ。
「乙女ゲーム【ミルティー戦記】で、王都【ガランゴル】の学園【ガラール】が舞台なのに、ワタクシは通う事も無かったですが、こんな形で接点を持てるとか思いませんでしたわ」
学園と主人公を支えていた【グゥガ商会】は、ゲームでは名前だけの存在で、今の【ガルガンドロン公国】の情勢では、ありえない価格で商品を売っていました。
ゲームの設定と思っていたのだけど、収納鞄を用いた規格外の空輸を使っているのであれば納得で、早く会いたくてワクワクでした。
「でも、小さなワンコが番頭さんだったのに、その裏で動いていたのはワーキャット族って言う猫ちゃんなのね」
犬も猫も好きな私にとって、モフれる期待も持っていて、楽しみでなりません。
会う目的は商会の引き渡しと言う、ちょっと問題の案件だけど、空輸や生産力を考えれば私と同じ可能性があります。
「どんな人か分からないけど、頭の良い人だろうし、仲良くなれば王都に行く支援もしてくれますわよね」
専属メイドも決まるかもしれないし、ダメダメなイケメン王子にも会えると、未来が明るく光って見えてきます。
それと言うのも、ミルティー戦記は王子たちを主人公が育成するゲームで、主人公【ミルティー】の指揮の元【ジャオン帝国】を打ち倒せばハッピーエンドに繋がります。
「ダメダメな王子との恋愛もあって、ダメでも頑張るひたむきさが売りだったけど、現実になると頼りなさすぎで、滅ぶと思って落ち込んでしまいますわね」
唯一のハッピーエンドは、かなりの難易度だから特にそう思ってた私だけど、きっとこれで滅ばずに済むと思ったわ。
だからこそ、この交渉は絶対に成功させないといけないと、私は力が入ります。
「でも、勝てるのかな」
心の声が漏れる程、私は不安を抱いてて、それと言うのも問題の森はそれほど広くなく、遠くから見える範囲で心配になって来ます。
街は救われたけど、戦争に勝てるほどの生産力があるとか思えません。
「もしかして、ワタクシとは違ってチートスキルを所持してるのかしら?」
私が取得できなかったので、もしかしたら他の人が贔屓されているのかもと想像したわ。
その人がうらやましいけど、兎に角仲間にしないといけないので、森に着いて兵士に白狼族のハクさんを呼びに行って貰ったわ。
「それでササキさん、グゥガ殿とはどんな方ですか?」
「どうしてそんな事を聞くんですか?」
「これから会う方ですから、粗相の無い様にしなければなりません」
牢屋に入っているササキさんは、先祖が転生者なんでしょうが、ゲームには出てこないし説明も影響もなく、グゥガ商会が生まれる糧にある商会と理解しました。
話しの切り出しもしたいし、何でも良いから聞いたのだけど、白毛のネコとしか分からなかったの。
「なんですのそれ」
「仕方ないでしょう、俺もあの時初めてだったし、交渉しただけだ」
「それでも何かないのですか?」
そう聞いたら、膝に他の猫を抱えていたと教えて来ました。
それを早く教えなさいっと、私はツッコミを入れたかったけど、兵士が戻って来て私たちは森に入って行きました。
「白狼族って、白毛の狼じゃないの?」
「お嬢様?」
ハスキー犬が先頭にいるから、私は触りたくて仕方ないわ。
ゲームの番頭にも、白い毛の柴犬がいて、ゲームを知ってる人の中で「白柴」で有名だったの。
「獣人は種族が色々いますからね」
「そ、そうなの?」
「はい・・・ですが、普通は白銀なんです」
兵士の話では、素質が無いダメな子として見られるらしく、ハクさんはその中で商売と言う活躍の場を作り頑張っているみたいです。
あんなに小さくて可愛いのにっと、振られる尻尾を触りたくて仕方ない私は、周りの変化に気付かないでワーキャット族の集落に到着しました。
「な、何よあれ」
やっと周りが見える様になった私は、ワーキャット族の集落を見て何処のエルフの里ですかっとツッコミを入れました。
木々を繋ぐツタに、木の上にも家が建ち並び、らせん状の階段を子猫たちが駆け登ってます。
「可愛いんだけど、どうやったらあんなの作れるの」
「それはね、ドライアド様の力だよ」
「ふぇっ!?」
急に横から声がして、私は飛び上がってしまったけど、どうやら私が上に注目していたせいでした。
そこには、白銀の毛に包まれたニャンコがいて、膝には三毛猫ちゃんが寝ていたわ。
「どうも、僕はグゥガと言います、この子はミーケです」
「よろしくにゃ~」
「そ、それはご丁寧に、ワタクシはフォーミ・ポートスと言いますわ」
ミーケと言う膝の猫は、グゥガ殿のブラシを受けてウットリしてて、私はもう触りたい衝動が抑えられません。
本当なら、ササキに謝らせるのが先で、引き渡してお話をするものでしょうけど、私はもう我慢が出来ず、触って良いかを聞いてしまったわ。
「ミーケをですか?」
「だ、ダメだったら諦めます、でもとても綺麗で可愛いから、出来ましたら」
「うんうん、ミーケは可愛いよね」
同意してくれて、そんなグゥガ殿も可愛いと言いそうになった所で、ミーケちゃんが撫でて良いと言ってくれたの。
頭を撫でると、フワッフワでとても気持ち良かったわ。
「すごい、こんなに毛並みが良いと言う事は、手入れだけではありませんわね」
「そうなんだよ、君分かってるね」
「それはそうですわ、ワタクシ動物が大好きですの」
そこから、グゥガ殿とのお話が弾み、いつの間にか日が沈み始めていました。
楽しい時間はあっという間と言いますが、ほんとに楽しい時間でした。
「すみません、長居をしてしまいましたわグゥガ殿」
「殿は要らないよフォーミ、僕たちは思いを共にしてる同志だからね」
笑顔のグゥガも可愛くて、頭を撫でたんだけど、もうフワッフワで最高でした。
でも、昼食も食べてなかったからお腹が鳴ってしまい、私は真っ赤になってしまったわ。
「良ければ食事と宿を提供するよ」
「それは助かりますし、嬉しいのですけど、よろしいのですか?」
「うん、そっちの男の話もあるし、まずは旅の疲れを取ると良いよ」
とても優しく良い子で、ササキが恨むような獣人ではないのが良く分かったわ。
彼は、猫が大好きは優しい人なんです。
「感謝しますわ」
「協力者には優しくするのは当然だよ、これからもよろしくねフォーミ」
「はい」
ご厚意に甘えて、私たちはグゥガの案内してくれた家で一泊しましたが、オフロがあったのも驚きですが、シャンプーや石鹸もあって髪がツヤツヤになりましたよ。
ミーケちゃんたちの毛並みが良いわけねっと、納得しましたよ。
「おはようございますグゥガ」
「おはようフォーミ、よく眠れた?」
それはもうっと、夕食とベッドのすばらしさを語りました。
グゥガは、みんなが幸せになる様にと頑張っているそうですが、そこで私は聞いたんです。
「グゥガ、あなたは転生者ですわよね?」
「それを聞くって事は、フォーミもなのかな?」
「ええ、この世界がワタクシの知ってるゲームと同じで、このままでは大変な事になることも知っていますの」
こうして、私はこの世界の事をお話して、協力を求めたんです。
グゥガは、喜んで助けてくれると約束してくれました。
「良いんですの?」
「昨日も言ったけど、僕たちは同志だ、困ってる仲間がいたら助けるのが当然だよ」
これから頑張ろうと言ってくれるグゥガは、とても頼りになる人で、これなら生き残れると感じました。
今日は、モブにすらなれなかった転生に、腐っていた私に希望の光が差し込んだ記念の日になったのよ。
「乙女ゲーム【ミルティー戦記】で、王都【ガランゴル】の学園【ガラール】が舞台なのに、ワタクシは通う事も無かったですが、こんな形で接点を持てるとか思いませんでしたわ」
学園と主人公を支えていた【グゥガ商会】は、ゲームでは名前だけの存在で、今の【ガルガンドロン公国】の情勢では、ありえない価格で商品を売っていました。
ゲームの設定と思っていたのだけど、収納鞄を用いた規格外の空輸を使っているのであれば納得で、早く会いたくてワクワクでした。
「でも、小さなワンコが番頭さんだったのに、その裏で動いていたのはワーキャット族って言う猫ちゃんなのね」
犬も猫も好きな私にとって、モフれる期待も持っていて、楽しみでなりません。
会う目的は商会の引き渡しと言う、ちょっと問題の案件だけど、空輸や生産力を考えれば私と同じ可能性があります。
「どんな人か分からないけど、頭の良い人だろうし、仲良くなれば王都に行く支援もしてくれますわよね」
専属メイドも決まるかもしれないし、ダメダメなイケメン王子にも会えると、未来が明るく光って見えてきます。
それと言うのも、ミルティー戦記は王子たちを主人公が育成するゲームで、主人公【ミルティー】の指揮の元【ジャオン帝国】を打ち倒せばハッピーエンドに繋がります。
「ダメダメな王子との恋愛もあって、ダメでも頑張るひたむきさが売りだったけど、現実になると頼りなさすぎで、滅ぶと思って落ち込んでしまいますわね」
唯一のハッピーエンドは、かなりの難易度だから特にそう思ってた私だけど、きっとこれで滅ばずに済むと思ったわ。
だからこそ、この交渉は絶対に成功させないといけないと、私は力が入ります。
「でも、勝てるのかな」
心の声が漏れる程、私は不安を抱いてて、それと言うのも問題の森はそれほど広くなく、遠くから見える範囲で心配になって来ます。
街は救われたけど、戦争に勝てるほどの生産力があるとか思えません。
「もしかして、ワタクシとは違ってチートスキルを所持してるのかしら?」
私が取得できなかったので、もしかしたら他の人が贔屓されているのかもと想像したわ。
その人がうらやましいけど、兎に角仲間にしないといけないので、森に着いて兵士に白狼族のハクさんを呼びに行って貰ったわ。
「それでササキさん、グゥガ殿とはどんな方ですか?」
「どうしてそんな事を聞くんですか?」
「これから会う方ですから、粗相の無い様にしなければなりません」
牢屋に入っているササキさんは、先祖が転生者なんでしょうが、ゲームには出てこないし説明も影響もなく、グゥガ商会が生まれる糧にある商会と理解しました。
話しの切り出しもしたいし、何でも良いから聞いたのだけど、白毛のネコとしか分からなかったの。
「なんですのそれ」
「仕方ないでしょう、俺もあの時初めてだったし、交渉しただけだ」
「それでも何かないのですか?」
そう聞いたら、膝に他の猫を抱えていたと教えて来ました。
それを早く教えなさいっと、私はツッコミを入れたかったけど、兵士が戻って来て私たちは森に入って行きました。
「白狼族って、白毛の狼じゃないの?」
「お嬢様?」
ハスキー犬が先頭にいるから、私は触りたくて仕方ないわ。
ゲームの番頭にも、白い毛の柴犬がいて、ゲームを知ってる人の中で「白柴」で有名だったの。
「獣人は種族が色々いますからね」
「そ、そうなの?」
「はい・・・ですが、普通は白銀なんです」
兵士の話では、素質が無いダメな子として見られるらしく、ハクさんはその中で商売と言う活躍の場を作り頑張っているみたいです。
あんなに小さくて可愛いのにっと、振られる尻尾を触りたくて仕方ない私は、周りの変化に気付かないでワーキャット族の集落に到着しました。
「な、何よあれ」
やっと周りが見える様になった私は、ワーキャット族の集落を見て何処のエルフの里ですかっとツッコミを入れました。
木々を繋ぐツタに、木の上にも家が建ち並び、らせん状の階段を子猫たちが駆け登ってます。
「可愛いんだけど、どうやったらあんなの作れるの」
「それはね、ドライアド様の力だよ」
「ふぇっ!?」
急に横から声がして、私は飛び上がってしまったけど、どうやら私が上に注目していたせいでした。
そこには、白銀の毛に包まれたニャンコがいて、膝には三毛猫ちゃんが寝ていたわ。
「どうも、僕はグゥガと言います、この子はミーケです」
「よろしくにゃ~」
「そ、それはご丁寧に、ワタクシはフォーミ・ポートスと言いますわ」
ミーケと言う膝の猫は、グゥガ殿のブラシを受けてウットリしてて、私はもう触りたい衝動が抑えられません。
本当なら、ササキに謝らせるのが先で、引き渡してお話をするものでしょうけど、私はもう我慢が出来ず、触って良いかを聞いてしまったわ。
「ミーケをですか?」
「だ、ダメだったら諦めます、でもとても綺麗で可愛いから、出来ましたら」
「うんうん、ミーケは可愛いよね」
同意してくれて、そんなグゥガ殿も可愛いと言いそうになった所で、ミーケちゃんが撫でて良いと言ってくれたの。
頭を撫でると、フワッフワでとても気持ち良かったわ。
「すごい、こんなに毛並みが良いと言う事は、手入れだけではありませんわね」
「そうなんだよ、君分かってるね」
「それはそうですわ、ワタクシ動物が大好きですの」
そこから、グゥガ殿とのお話が弾み、いつの間にか日が沈み始めていました。
楽しい時間はあっという間と言いますが、ほんとに楽しい時間でした。
「すみません、長居をしてしまいましたわグゥガ殿」
「殿は要らないよフォーミ、僕たちは思いを共にしてる同志だからね」
笑顔のグゥガも可愛くて、頭を撫でたんだけど、もうフワッフワで最高でした。
でも、昼食も食べてなかったからお腹が鳴ってしまい、私は真っ赤になってしまったわ。
「良ければ食事と宿を提供するよ」
「それは助かりますし、嬉しいのですけど、よろしいのですか?」
「うん、そっちの男の話もあるし、まずは旅の疲れを取ると良いよ」
とても優しく良い子で、ササキが恨むような獣人ではないのが良く分かったわ。
彼は、猫が大好きは優しい人なんです。
「感謝しますわ」
「協力者には優しくするのは当然だよ、これからもよろしくねフォーミ」
「はい」
ご厚意に甘えて、私たちはグゥガの案内してくれた家で一泊しましたが、オフロがあったのも驚きですが、シャンプーや石鹸もあって髪がツヤツヤになりましたよ。
ミーケちゃんたちの毛並みが良いわけねっと、納得しましたよ。
「おはようございますグゥガ」
「おはようフォーミ、よく眠れた?」
それはもうっと、夕食とベッドのすばらしさを語りました。
グゥガは、みんなが幸せになる様にと頑張っているそうですが、そこで私は聞いたんです。
「グゥガ、あなたは転生者ですわよね?」
「それを聞くって事は、フォーミもなのかな?」
「ええ、この世界がワタクシの知ってるゲームと同じで、このままでは大変な事になることも知っていますの」
こうして、私はこの世界の事をお話して、協力を求めたんです。
グゥガは、喜んで助けてくれると約束してくれました。
「良いんですの?」
「昨日も言ったけど、僕たちは同志だ、困ってる仲間がいたら助けるのが当然だよ」
これから頑張ろうと言ってくれるグゥガは、とても頼りになる人で、これなら生き残れると感じました。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
69
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる