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2章 戦争の第一歩

31話 屋敷に殺到

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「これってなんの騒ぎ?」


次の日の朝、私たちが起きると屋敷の門に他種族の人たちが行列を作っていました。窓からのぞいてるんだけど、予想以上よ、門番に言っておいて正解だったわ。


「ラリーファが言ってたやつでしょ、みんな王都から出たかったけどお金はないし、その後やっていけないからあきらめてたんだ、それなのに、あれを傭兵ギルドに出したから見て駆けつけたんだよ」


ペルーロがそう言って、私をジト目で見てきたわ、何もかも私の予想通りなんだから、そんなに誉めないでよね。

でも、これはお約束よね。


「これだけじゃないわよペルーロ、まだ次があるわ」


私は窓を開け、門の柵に乗りました、そして集まってる他種族を見渡して言ったのよ。


「みんなよく聞いて!まず全員を雇います」

「「「「「おおー!?」」」」」


私は開発しておいたメガホンを構え言いました、門番に雇賃のお金を配ってもらい始めるとすごい声が響きました、角銅貨だけど集まるだけで貰えたから驚いてるのね、これは前金と宣言したわよもちろんね。私たちが依頼したのは、護衛及び簡単な雑用仕事です、それも子供でも出来るから家族も可と追加要請もしたわ。そしてそれはあの村の少し離れた場所に行って貰う事が主な依頼、そこには砦が建っていて今は誰も見えないのよ。


「今いるのは他種族800人、これでもまだ足りないわ、だから知り合いをもっと誘ってちょうだい!動けなくても構わないわ他種族ならだれでも良いの、だから可能な限り集めて来て!集合は4日後、その日の朝東門に集まってちょうだい、そこには大きくて変わった馬車があるからそれに乗って待ってて、私たちが合流したら出発よ」


私が言っているのを静かに聞いてみんなが帰り始めたわ、これでほとんどの他種族が来ることを願ってるわ、そして私の作戦が始まるの、その砦を中心に傭兵部隊を作りメリーナに雇ってもらう、これが一番最速で最適よ。


「さて、砦はシールドたちが作ってるし、バスも用意できてるから・・・今日はお買い物かしらね」


私は門番にお金を配るのを任せ部屋に戻りました、もちろん門番には別料金を渡してあるわよ、2人じゃ大変だもの。そして朝食時にメリーナに聞かれ、私の作戦を説明しました。


「なるほど・・・でもそれなら自分の軍に入ると言う話しはどうなるっすか?」

「何言ってるのよメリーナ、入る為の準備を今してるんじゃない、私の作っているのは傭兵たちが暮らす街よ、そこから出発して戦争に参加するの」


今集まった中で戦いに参加できるのは200人いれば良いわ、それだけじゃ足りないのよ、でも最初はそれだけいれば十分、しっかりと指導して部隊を作れば、きっと良い仕事をしてくれるわ。


「そうなんすね、ラリーファは参謀に向いてるっす」

「あら!言ってなかったかしら?私の職業って軍師なのよ」


それを言ったらペルーロたちまで驚いていたわ、本来軍師は戦いに出ないで指示を出すだけだものね。私はみんなを無視して食事を食べたわ、今日はこの後、服とか魔道具を見たいのよ。


「ほらっ早く行くわよペルーロ」


食事を済ませ、私は直ぐに部屋に戻って出掛ける準備をしました、洋服は私服よ、飛んでるからスカートはやめてズボンだけど、フリルを付けたスカートを上に着たの。


「分かってるよラリーファ、でも僕は行かなくても良いんだけど」

「何を言ってるの!ミサーラの私服姿を見ないで何をするっていうのよ、あんなに可愛いのに勿体ない!」


着替えているペルーロを急かして私は怒っています、ミサーラも洋服を買って可愛くするの、それでペルーロともっと仲良くなってもらう予定なのに、このワンコは、だからまだ子供っていうんですよ。


「準備出来たよ」

「え!?・・・ちょっとペルーロさん、それはギャグかしら?」


ペルーロの着た服は、いつも下に着ている布のシャツです、それにズボンもいつものボロボロの物で王都を歩く格好ではないわ。この後上に何か着ると思っていたから何も言わなかったけど、ズボンを履いた時点で私、思考が止まってしまったのよ。


「何か変かな?」

「何かというか・・・全部が変よペルーロ!ここは王都よ、そんな恰好じゃダメ」


そう言って私はベッドの横にあるペルーロのバックパックに飛んで行き、中を覗きました、中には日用品が入っています。でも服が全然ダメだったわ、ボロボロだったり鎧の下から着るシャツばかりよ。


「もしかしてペルーロ君、オシャレして出かけた事ない?」

「そんなのあるわけないじゃないか、王都に来たのだってこれが初めてなんだよ」


そう言われミサーラもそうなんじゃないかと心配になりました、そして扉がノックされ、入ってきたミサーラの服を見て、私は床に墜落したのよ。


「ペルーロと同じなんて、あり得ないわ」


床で私がピクピクしていると、2人が私を手に乗せてくれたわ、でもこれじゃダメよね。


「良いあなた達、オシャレは必要よ、今の私みたいに可愛いのを着るの、ペルーロはカッコいい方ね」


私は収納から二人に似合いそうな服を選びだしました、そして着てもらったのよ。


「何だか綺麗すぎて困るんだけど」

「ペルーロ、それ位が最低基準よ、だから執事さんたちにあんな顔されるの、もっと良い物を着ても良いはずよ」


私が出したのは普通の布ズボンにシャツです、本当は良い革を使ったズボンやシャツを着てもらいたいけど、それはここで買いましょ。ここの人気とか流行りを知らないものね。


「ミサーラはピンクのワンピースね、わたしと違ってスカートの下にズボンは履いてないから、動く時気を付けるのよ」

「わ、分かったウサ」


ミサーラがすごく恥ずかしそうにしています、スカートなんて履いたことないんでしょうね、これはメリーナに頼んでドレスとかも用意した方が良いかもだわ、戦争で功績を上げたらきっと呼ばれるものね。


「じゃあ行きましょ、少し遅くなっちゃったから食事が先かしら」


こうして私たちの王都観光が始まりました、お洋服とかにあまりカラフルな物がなかったのは、ちょっと物足りなかったけど、楽しめたわよ。
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