荷物持ちだけど最強です、空間魔法でラクラク発明

まったりー

文字の大きさ
2 / 90
1章 覚醒

2話 記憶を戻して

「お願いしますユージュさん!お金を払ってください」


僕は椅子に座っているユージュさんの足を縋りつくように掴みました、したくないけどこうでもしないとほんとに貰えないんです、今はまだ貯金がありますけど、このまま引き下がったら他の冒険者もそう言ってくるんだ、そうなったらもう僕は死ぬしかなくなっちゃうよ。


「んなこと知るかよ、この!」

「がは!・・・ど、どうかお願いします!」


ユージュさんが僕を蹴ってきました、お腹は痛いし足を放してしまったよ、ユージュさんが椅子から立ち帰ろうとしています、それでも僕は出来るだけ大きな声で言ったんだ、そうすれば他の冒険者も分かってくれるからね。


「何ですか騒々しいですね!言い争いならギルドが処理しますよ」


タタマさんが受付から大声で言ってくれました、ユージュさんも周りを見て困ってます、良かったこれなら貰えそうだよ。


「っち、分かったよ・・・ほら」


ユージュさんが銀貨を2枚リングから出して放ってきました、僕はそれをすぐに拾ってリングに入れたんだ、悔しさを抑えてね。


「それとバイトお前は今日で首だ!他の冒険者を探しな、じゃあ行くぞお前ら」


ユージュさんがそう言ってギルドを出て行きました・・・首ですか。


「どうせそうだと思ってましたよ・・・良いさ僕は何とかなる、今までだってそうだったもん」


そう自分に言い聞かせて僕は自分の鞄の方にヨロヨロと歩いて行ったんだ、お腹も痛いけど心の方がもっと痛いよ、なんてみじめなんだろう僕は。


「バイトくん、これ少しだけどもらって」

「え!?・・・アラナさん?」


鞄に手を掛ける時に後ろから声がして振り向くと魔法使いのアラナさんがいたんだ、それも大銅貨を片手にいっぱい持って。


「そ、そんな貰えません」

「良いのよバイトくん、あなたはちゃんと仕事をしていたわ、これはその報酬よ」


そう言って僕の手に大銅貨を乗せてくれたんだ、その顔はとても優しくて僕は嬉しさのあまり涙をこぼしてしまいました。


「あ、ありがとうございます」

「ふふ良いのよ、次の仕事を頑張って見つけてね、応援してるわ」


僕の頭を撫でアラナさんがギルドを出て行きました、ほんとにありがとうアラナさん。


「大銅貨10枚ねぇ~・・・バイトくん騙されてるわよ」

「た、タタマさん!?」


僕が手の中の大銅貨を見てしんみりしていると、受付のテーブルから少し身を乗り出してタタマさんが僕を見てきました、その顔はジト目です。


「君はほんとならポーターの報酬額分をちゃんと貰えるはずよ」


普通のポーターの報酬額は冒険者1人につき1割です、だからさっきも本当だったら7500ククリから1割ずつ貰えて3000ククリになるはずでした、だから蹴られてもらった額を足せば丁度です。


「でもタタマさん、それはちゃんとしたクランに入っているポーターの話です、僕は何処にも入ってませんからこれが普通ですよ」

「まぁ君はフリーでどこにも入ってないから分かるけど・・・あの女には注意しなさい!」


あの女ってアラナさんの事?僕に優しくしてくれてるんだけど、どうして注意しないといけないのかな?


「でもタタマさん、アラナさんは僕に優しくしてくれましたよ、余分でこんなにお金を払ってくれましたし」

「そこよ!噂で聞いたんだけど・・・いえこれは言わない方が良いわね、兎に角注意して!」


すごく真剣に言ってくれました、タタマさんは僕にすごく良くしてくれています、クランにだって紹介してくれているんですが、僕は収納魔法を持って無いのでどうしても雇って貰えないんですよ。

そう、ポーターは収納と言う魔法を必ず習得しています、これは他の職業では覚えられない特殊な魔法で、ポーターの強みです。だから冒険者はポーターを雇います、それなのに僕はその魔法を持ってない、だからフリーで使えないって言われています。


「分かりましたタタマさん、じゃあ僕はこれで」

「ほんとに気を付けるのよバイトくん」


タタマさんが手を振って僕を見送ってくれました、僕も手を振り返しましたけどその姿をほかの冒険者たちが笑って見ています。


「少し恥かしいけど良い人なんだよね・・・さて宿に戻って状況整理だ」


僕はあることが気になって宿に急ぎ足で向かいました、それは自分のステータスに書かれていたスキルが気がかりだからです。

この世界はそれほど勉強をしません簡単な読み書きだけです、貴族様とか大きな商会の子供だとちゃんと指導者を雇いますが僕は孤児だったのでしてないんです。そしてステータスの中身は誰にも言わないのが普通です、シスターだったナナトさんは知ってますがナナトさんもそれほど詳しいわけではないんです、そしてそれは僕が収納魔法を持ってなかったことに繋がるんです。


「あらおかえりバイト、食事はするかい?」

「ただいまおかみさん、ちょっと部屋で調べものがあるから後にするよ、降りて来なければ明日食べるから残しておいて」


宿屋のおかみさんはローリンさんっていいます、この人は恰幅が良いおばさんでとても元気のいい人なんですよ、そして一人で宿屋を経営しています、まぁ10歳の女の子が頑張ってお手伝いしてますけどね。


「あいよ、じゃあそうなったらリーリンに運ばせるよ」

「それは助かります、じゃあ僕は部屋に行きますね」


働き者の女の子はリーリンって言います、この宿屋では有名なんだよ、凄く頑張り屋なんだけど見てるとソワソワするって言われてます、主に失敗しそうでってほうだね。


「よし!まずは確認だ、僕の記憶が確かならあれは確実に武器になる」


大きなリュックをタンスの横に置き僕はベッドに座ってステータスと唱えたんだ。
感想 140

あなたにおすすめの小説

生活魔法は万能です

浜柔
ファンタジー
 生活魔法は万能だ。何でもできる。だけど何にもできない。  それは何も特別なものではないから。人が歩いたり走ったりしても誰も不思議に思わないだろう。そんな魔法。  ――そしてそんな魔法が人より少し上手く使えるだけのぼくは今日、旅に出る。

没落貴族と拾われ娘の成り上がり生活

アイアイ式パイルドライバー
ファンタジー
 名家の生まれなうえに将来を有望視され、若くして領主となったカイエン・ガリエンド。彼は飢饉の際に王侯貴族よりも民衆を優先したために田舎の開拓村へ左遷されてしまう。  妻は彼の元を去り、一族からは勘当も同然の扱いを受け、王からは見捨てられ、生きる希望を失ったカイエンはある日、浅黒い肌の赤ん坊を拾った。  貴族の彼は赤子など育てた事などなく、しかも左遷された彼に乳母を雇う余裕もない。  しかし、心優しい村人たちの協力で何とか子育てと領主仕事をこなす事にカイエンは成功し、おまけにカイエンは開拓村にて子育てを手伝ってくれた村娘のリーリルと結婚までしてしまう。  小さな開拓村で幸せな生活を手に入れたカイエンであるが、この幸せはカイエンに迫る困難と成り上がりの始まりに過ぎなかった。

第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。

黒ハット
ファンタジー
 前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。  

能力値カンストで異世界転生したので…のんびり生きちゃダメですか?

火産霊神
ファンタジー
私の異世界転生、思ってたのとちょっと違う…? 24歳OLの立花由芽は、ある日異世界転生し「ユメ」という名前の16歳の魔女として生きることに。その世界は魔王の脅威に怯え…ているわけでもなく、レベルアップは…能力値がカンストしているのでする必要もなく、能力を持て余した彼女はスローライフをおくることに。そう決めた矢先から何やらイベントが発生し…!?

コストカットだ!と追放された王宮道化師は、無数のスキルで冒険者として成り上がる。

あけちともあき
ファンタジー
「宮廷道化師オーギュスト、お前はクビだ」  長い間、マールイ王国に仕え、平和を維持するために尽力してきた道化師オーギュスト。  だが、彼はその活躍を妬んだ大臣ガルフスの陰謀によって職を解かれ、追放されてしまう。  困ったオーギュストは、手っ取り早く金を手に入れて生活を安定させるべく、冒険者になろうとする。  長い道化師生活で身につけた、数々の技術系スキル、知識系スキル、そしてコネクション。  それはどんな難関も突破し、どんな謎も明らかにする。  その活躍は、まさに万能!  死神と呼ばれた凄腕の女戦士を相棒に、オーギュストはあっという間に、冒険者たちの中から頭角を現し、成り上がっていく。  一方、国の要であったオーギュストを失ったマールイ王国。  大臣一派は次々と問題を起こし、あるいは起こる事態に対応ができない。  その方法も、人脈も、全てオーギュストが担当していたのだ。  かくしてマールイ王国は傾き、転げ落ちていく。 目次 連載中 全21話 2021年2月17日 23:39 更新

ゲームコインをザクザク現金化。還暦オジ、田舎で世界を攻略中

あ、まん。
ファンタジー
仕事一筋40年。 結婚もせずに会社に尽くしてきた二瓶豆丸。 定年を迎え、静かな余生を求めて山奥へ移住する。 だが、突如世界が“数値化”され、現実がゲームのように変貌。 唯一の趣味だった15年続けた積みゲー「モリモリ」が、 なぜか現実世界とリンクし始める。 化け物が徘徊する世界で出会ったひとりの少女、滝川歩茶。 彼女を守るため、豆丸は“積みゲー”スキルを駆使して立ち上がる。 現金化されるコイン、召喚されるゲームキャラたち、 そして迫りくる謎の敵――。 これは、還暦オジが挑む、〝人生最後の積みゲー〟であり〝世界最後の攻略戦〟である。

公爵家次男はちょっと変わりモノ? ~ここは乙女ゲームの世界だから、デブなら婚約破棄されると思っていました~

松原 透
ファンタジー
異世界に転生した俺は、婚約破棄をされるため誰も成し得なかったデブに進化する。 なぜそんな事になったのか……目が覚めると、ローバン公爵家次男のアレスという少年の姿に変わっていた。 生まれ変わったことで、異世界を満喫していた俺は冒険者に憧れる。訓練中に、魔獣に襲われていたミーアを助けることになったが……。 しかし俺は、失敗をしてしまう。責任を取らされる形で、ミーアを婚約者として迎え入れることになった。その婚約者に奇妙な違和感を感じていた。 二人である場所へと行ったことで、この異世界が乙女ゲームだったことを理解した。 婚約破棄されるためのデブとなり、陰ながらミーアを守るため奮闘する日々が始まる……はずだった。 カクヨム様 小説家になろう様でも掲載してます。

異世界に転生したら?(改)

まさ
ファンタジー
事故で死んでしまった主人公のマサムネ(奥田 政宗)は41歳、独身、彼女無し、最近の楽しみと言えば、従兄弟から借りて読んだラノベにハマり、今ではアパートの部屋に数十冊の『転生』系小説、通称『ラノベ』がところ狭しと重なっていた。 そして今日も残業の帰り道、脳内で転生したら、あーしよ、こーしよと現実逃避よろしくで想像しながら歩いていた。 物語はまさに、その時に起きる! 横断歩道を歩き目的他のアパートまで、もうすぐ、、、だったのに居眠り運転のトラックに轢かれ、意識を失った。 そして再び意識を取り戻した時、目の前に女神がいた。 ◇ 5年前の作品の改稿板になります。 少し(?)年数があって文章がおかしい所があるかもですが、素人の作品。 生暖かい目で見て下されば幸いです。