荷物持ちだけど最強です、空間魔法でラクラク発明

まったりー

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2章 クラン

34話 交渉

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「ウィーンさんじゃないですか、どうしてここに?」


既に分かっていますが念の為に聞きました、きっと僕が予想している事の話です。


「いや少しバイト君に話があってね、向こうで話さないか」


待合スペースを指差しています、僕は頷いて付いて行きました、待合スペースには僕たち以外もいて何やら話しをしています、でもきっとこの人たちもアサルトのメンバーなんでしょうね。


「それでどういった話ですか?」

「君の事だ、もうわかっているだろう?」


質問が質問で返ってきました、つまり隠す気はあまりないんですね、不思議に思ってたんですよ、年が変わってないのに成人したばかりの新人がここに来たってとこがね、他の村や街でポーターをしていたなら分かるんだ、だけどやったこともないって話だった。


「まぁ予想はしてました、でもまさかウィーンさんのクランが絡んでいるとは思いませんでしたよ」

「まぁそれだけバイト君を買ってるって事だよ、でも勘違いしないでほしい、俺たちは君の技術を盗むつもりはないよ」


そうなの?僕の予想ではサーチネルが商品の作り方を調べ、アサルトクランで作るんだと思ったけど、もしかしてこうやって接触したかっただけなのかな。


「サーチネルがポーターの仕事をしてくれれば僕としては問題ないです、でもそれだとどうしてサーチネルはうちに来たんですか?」


きっとサーチネルはそう言った理由でうちに来たんだと思う、そう言った行動をたまにしてるしね、ただ他の手も取っておく必要があるから接触してきたんじゃないかなって思うんだけど。


「それは簡単だよ、うちに冒険者の新人がいないから断ったんだ、でも普通に断ったら引き下がらないだろ、条件にポーターとして成長してきなさいって言って君のクランが当たっただけ、新人が入ったばかりなのは君の所だったから可能性は高かっただろうけどな」


なるほど、可能性は高いってとこを強調してる単なる偶然にしたいんだね、でもまぁ盗める物なら問題ないんだよ、それに今からその一手を塞いじゃうしね。


「じゃあ僕たちが欲しかったポーターを譲っていただいたと思って良いんですか?」

「まぁそうだね、でも彼が腕を上げて君たちのクランを辞めて、うちに来る可能性もあるんだよ」


ウィーンさんが少し警戒して保険を掛けてきたよ、でもそれは当然だよ誰にも辞めるのを止める権利はない、本人が実力を上げて有名なクランに入るんだ、それは仲間の門出だよ。


「そこは喜ばしいことなので良いです、何かこちらからお礼を渡したいのですが、何かありますか?出来る限りのことはしますよ僕」


借りを作って置くのは危険だと思うので今返してしまいます、そう言ったらすごく良い顔をしていますよ、それが欲しかったんだもんね、でもこっちもどうしても欲しかったポーターが来たんだ、それ位はするよ。


「そうだなぁ・・・まだ君が外に出してない物で良さそうな物は無いだろうか?」


断ることはしないんですね、まぁ良いですけど、それに今の言葉の裏にはカイさんも分からないようにって事も含まれてる、だから僕が今出している物とは全然違う方向の物を要求してるんだ。


「では新しい料理の仕方を教えます」


僕は本を取り出してウィーンさんに渡しました、主に揚げ物が載ってるものですね、問題としては油かな、あまり高くない物を使わないと利益にならないかもですね。


「ふむふむ、素材を泳がせるほどの油で焼く、この場合は揚げるというのか・・・有難く貰うとするよ」


そう言って椅子から立ちギルドを出ました、そして他に座ってた人達もです、やっぱり周りの人たちも仲間でしたね。


『良いのですかマスター!あんなに簡単に渡して』

「ハナ問題ないよ、それに結構大変だと思う、僕のように向こうの油を手に入れられないしさ」


そうさかなり大変だと思う油は劣化するからね、それさえ何とかすれば色々な料理が出来るけどほんとに大変だよ、サーチネルを遠回しにこっちに回したんだもんこっちも遠回しにしても文句はないよね、でもきっと何とかするだろうね、サーチネルも情報を流すだろうしさ。


「試行錯誤したほうが出来上がった時の達成感は味わえるよ、さぁ帰って明日に備えよう」

『何だか相手が可哀そうになってきました、これがマスターが前に言っていたチートなのですね』


そうさ、向こうの素材とかを簡単に手に入れられるから出来ること、ノームたちもかなり育ってきてこれからなんだ、その点ウィーンさんは分かってるよ、僕を敵に回すんじゃなくて味方にしようとしてるんだ。


「ただいまー」


僕は拠点の玄関でただいまと言いました、誰も返すことはないんだけどね、そこは宿に負けてて少し寂しいです。


『みなさんまだ食堂でしょうか?』


ハナがそう言ったけど食堂から話し声がするからそうかもね、でも少し口論してる様に聞こえる。


「どうしてもダメですか?」

「当然だぜ、なぁアンジェ」


僕が食堂に入るとかなり良い服を着た女性が二人立っていて、アンジェたちと対面する感じで椅子にも1人座っています、どうやらお客さんみたいだね。


「そうね、ダンジョン探索に協力するだけなら問題ないわ、でもあなた達聖剣の下に入るって言うのは容認できません」


どうやら聖剣クランがダンジョン探索をするのに他のクランに募集を募ってるんだね、でもそれ以外に下につけって言ってきたんだね。


「我々の下につけば塔に入ることもできますよ、それに人員不足も解決できます、今は足りているようですが不足することもありますよね、その時私たちが支援できます、よく考えてくれませんか?」

「お言葉ですけど僕たちはここが気に入ってます、塔には入りたいですけどそれは僕たちの力で行きます、人員だってみんなで話し合ってPTをローテーションしてもいい、ギルドの人にだって申請は出してますよ」


僕が後ろからそう言ったからか立ってる女性2人がこっちを睨んできたよ、この人たちは知らない人だからきっとそれほど上位の人じゃないね、座ってる人はかなり有名な人だよ、聖剣クランの右腕って言われている人だ、そんな人が来たって事はどうしても僕たちをクランに入れたいのかな。


「バイトの言う通りだ、俺たちは楽しくやってる誰かの下につかなくてもな」

「そうですか・・・分かりました、ではダンジョン探索の方だけでもご検討してください」


そう言って食堂を出て行ったよ、でも僕とすれ違う時に少し睨んできたね、邪魔をされたとか思ってるのかもしれないけど、アンジェたちの意見は変わらなかったでしょ。


「まったく・・・どうするよアンジェ」

「出発は10日後だし、クリプルたちは来れないにしても準備は出来るわ、60階から下の情報も欲しいから参加はするわよ」


アンジェは参加したいんだね、カッツェは少し嫌がってるようだけど情報は欲しそうだよ。


「まぁな、クリプルたちには留守を任せるとして遠征には5日くらいかかるか」


前に聖剣クランが同じように参加者を募り出発したのは話題になったんだ、その時は8日くらいだったかな、ボスまで行けずに帰って来たんだ、情報では失敗に終わったとか言われてるけどあまり表では言っちゃダメなんだ、だからきっと今回は60階から次のボスまでの遠征になると思う、そうなると80階まで行くことになるんだ、慎重に進むからかなり日数が掛かります。


「そうねカッツェ、出来るだけクリプルたちを訓練して私たちは出発しましょ、バイトお願いね」

「分かったよ、でもアンジェたちもダンジョン探索したいでしょ、この前60階のボスを倒したばかりなんだしさ」


今から3日前に60階のボス、キングリザードマンとミスリルリビングアーマーを倒したんだ、アンジェたちは2体のボス相手なら対応できるみたいです、キングリザードマンは動きが早く剣技もなかなかでした、ミスリルリビングアーマーは剣技はそれほどでもないんだけど堅いしコアを探すのに大変でしたね、でも40階のボスよりは余裕だったんじゃないかな。


「そこはバイトの腕次第だ、サーチネルの教育が終わっていれば行きてぇから頼むぜ」


カッツェが僕の首に腕を回して言ってきましたよ、10日以内で出来ればアンジェたちも探索をしたいだろうから、多くても7日で終わらせたいね。


「分かったよ出来る限りやってみる、カッツェたちはそれまで待機するの?」


カッツェが一番近かったから聞いたんだけど、アンジェの方を見て少し嫌そうだね。


「実はね、ダンジョンギルドに低ランクの教育指導を頼まれたのよ、訓練場を借りる代わりにね」

「なるほどね、訓練するって事なんだね・・・じゃあ新しい装備を渡すから慣れてよ、遠征に参加するならその方が良いでしょ」


みんなの実力を上げおく必要があるかもだからね、特にアンジェはまだ全力が出せない、僕が用意した次の装備なら耐えれるよ、どんなボスが待ち構えているか分からないからそれ位はあった方が良いと思っています。


「それは助かるわ、じゃあ私たちは別行動ね」


アンジェの賛成を貰って僕たちはその日の夕食時に話をしました、クリプルたちは少し不安がってましたが、しっかりと訓練はするしぜったいに無事に帰ってくるよ。
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