荷物持ちだけど最強です、空間魔法でラクラク発明

まったりー

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2章 クラン

36話 秘密を話して

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「って事です、今まで黙っていてすみません」


次の日、ダンジョンから帰ってきてアンジェの部屋でみんなに空間魔法の事を話しました、そしてそこで商品の製造と量産をして手に入れていたとも話したんです、みんな納得した顔をしてましたね。


「気にする事じゃねぇさバイト、でもまぁこれで分かったぜ、なぁアンジェ」

「そうね、でもそれだけでしょ、私たちの気持ちは変わらないわ」

「そうかもですが僕のけじめです、それにクリプルたちにも言っておきたいんです、仲間ってこうなのかなって教えて貰ったので」


誰でも秘密は持ってると思います、でも話しても良いと思っている物を話さないのは違うと思うんです。


「じゃあ今から行くの?丁度みんな帰ってきてさっぱりしたとこでしょ?」

「まだちょっと早いんじゃねぇかアンジェ、その前に俺たちもバイトに話そうぜ」


カッツェがそう言ってみんなのここに来るまでのお話を聞きました、みんな嫌なことがあって家出をしてきたそうです、まぁ貴族の人がいて驚きましたがラノベでもよくあるからね。


「あまり驚かないのねバイト」

「驚きましたよアンジェ、特にアンジェが村の村長の娘ってところです、容姿から貴族や王族だろうと思ってたんだ」

「な!?」


そう言ったらみんなが笑ってるよ、そうなんだアンジェ以外はみんな貴族でした、そしてファファナ何て王族です、この中で一番身分の低い人がアンジェだったんだ、そんな風に全然見えないのにさ。


「でも僕には変わらないです、みんな大切な仲間ですからね」

「バイトっち」

「そうね王族とか貴族とか村長の娘とか関係ないわ、私たちは仲間よ」


そうだよ、今ここにいる大切な仲間それが分かれば身分何て関係ないさ。


「そうだぞバイト俺たちは仲間だ、だから自分だけで仕事をするな、俺たちにも振ってくれ」

「そうにゃ、あたいたちは頼りにゃいかもしれないけど頼ってにゃ」


確かに僕はみんなの仕事を代わりにしています、各ギルドの申請や食料の買い出し、でもそれはついでだからと思っていました、でもみんなは違ったんだね。


「そんなつもりはなかったんだけど、分かったよ今度から誰かを誘って行きます、そして覚えて貰うね」

「おう!それでいい」

「良かったわ、これでギルドで怒られることはなさそう、じゃあクリプルたちの所に行きましょ」


アンジェが最後にそう言ってきたので頷きました、タタマさんに何か言われたのかなと気になりましたが、そこは聞かないようにしたよ。


「なるほど、だからバイトさんはこの拠点に色々置けたのですね」


僕たちの予想通りお風呂から上がって食堂にいました、そしてみんなに話したんだ、やっぱりみんな不思議に思っていたみたいで納得してました。


「そうなんだティーア、だからここの商品にはお金が掛かってない、みんな気にしないで使ってほしいんだ」


収入はもう働かなくても手に入ります、それに次もありますしノームたちもついにダンジョンの先に進むようです、これからもっと増えるんですよ。


「だがお前ら無駄遣いとは違うからな、そこら辺を間違うんじゃねぇぞ」

「そうよみんな、それとバイトがクランの用事で外に出るときは誰か一緒に行くこと、クランの仕事を皆でやって行きましょ」


アンジェがそうしめて解散しました、簡単な話だったけど僕としてはかなり緊張したよ、一歩踏み出すって怖いよね。


「さて、この後暇になったからノームたちを見ようか」

『はいマスターついに進みましたからね、既に報告書が出来ています』


ハナが少し興奮してます、そしてスキルを使おうとしたら部屋のドアが叩かれたんです。


「ウクスルトたちって事はないよね」


妖精の3人はこの部屋を一緒に使っているのでノックはしません、となると違う人だ、そう思ってドアを開けるとクリプルとクーラプスでした。


「珍しいねふたりとも、どうしたの?」

「少しお話がありまして・・・いいでしょうか」


何か深刻そうなので僕は二人を部屋に入れました、いったいどんな話ですかね。


「じゃあそこに座ってこれでも飲んでよ」


ふたりを丸いテーブルを囲んでいる椅子に進めて紅茶を出しました、ミルクティーなのでまだ食堂には出してません、少し不思議そうだね、でも空間魔法の中であると説明して飲み出しました。


「美味しい」

「それは良かった、それでどういう話かな」


紅茶を飲んでいる二人に聞いてやっと本題です、でもすごくモジモジと言うか話すのをためらってますね。


「例えばですが、僕たちが人種でないって言ったらバイトさんどうしますか」


クリプルがそう切り出してきたよ、要は種族が違うって事?どう見ても人種に見えるんだけど、もしかして変化でもしてるのかな。


「どうもしないね、2人がそうした方が良いって判断したんでしょ、自分たちの身の安全を考えたんならそれでいいと思う、仕事もしっかりと出来てるしね」


戦闘が不利になって戦えないっていうなら、出来るだけ元の姿で戦ってほしいけど、それがないなら関係ないししっかりと戦えてるんだ、何の問題もないよ。


「でもバイトさんは今日僕たちを信用して秘密を教えてくれたじゃないですか、それなら僕たちも」

「そうっす、でもみんなに言うのが少し不安で・・・だから最初にバイトさんに言いたいっす」


どうやらふたりが覚悟を決めたんですね、でも隠すほどの種族って事は相当希少な種族だよね、有翼人にフェアリーがいるここで更にとなるとどんな種族がいたかな。


「僕たちは天使族です」


クリプルがそう言うと体が光って天使の輪と翼が出現しました、そして光が収まり普通に見える様になったんだけど、ほんとに天使ですね。


「どうっすかバイトさん」

「まさか天使族とはね・・・うんこれは隠した方が良いね」


正直有翼人とかフェアリー以上なんてものじゃない、天使が現れるのは数百年に一度とされていてその場所は伝説になるんだよ、というのもそう言った出来事が起きるからです、勇者が召喚されたとか、魔王が復活したとかね。


「バイトさんがどこまで知っているか分かりませんが、僕たちが地上に来たのは事故なんです」

「事故・・・なるほど、だから隠してるんだね」


僕が推測してそう言ったら二人が頷いていました、天使が来たとなるとここで何かが起きると言っていい状態です、しかし事故でここにいるのであればそれが起きない可能性がある、でも伝説ではそうじゃないので騒ぎになるって事です。


「だから俺たちは黙っているっす、でもバイトさんの覚悟を聞いて打ち明ける事にしたっす」

「話は分かったよ、でも何も起きないって言うのは確定なの?いつもとはほんとに違うのかな」


僕はそこが心配だよ、事故っていうけどそれが運命のいたずらって可能性もあるとおもうんだ、僕が記憶を取り戻したタイミングでクリプルたちが来たのも少し気になるしね。


「事故であることは確定です、でも何かが起きないとは言えません」

「まぁ何かが起きたら二人が来たからだって思われるかもしれないしね、でもそれが姿を隠してる理由ならしっかりと説明して言っても問題ないかな」


種族なんて結局どれでも問題ないんだ、2人がみんなに黙っているのがつらいなら、しっかりと説明して話す方がいい、もしそうでないなら僕の心の中だけにとどめておくよ。


「そうっすかね?」

「うん、しっかりと説明すればみんななら分かってくれるよ、まぁ外では隠したほうがいいと思うけどね」


さすがに外で天使を見たとかなったら収拾がつかなくなるよね、それさえなければ問題ないと思う。


「ですよね・・・分かりました」

「うん・・・でも二人は天使だったんだね、だからお風呂に誘っても一緒に入らなかったんだね」


きっとその時は元の姿に戻って羽とかを洗ってたんだ、毎回誘ってたんだけど悪いことしたね。


「そ、それもあるのですけど・・・その僕たちは両性なんです」


クリプルが少し声を下げて言ってきました、両性ですか。


「そうなんす、なので恥ずかしいっす」


ふたりがすごく顔を赤くしてしまいました、なるほどね色々あるんだね。


「分かったよ、次からは気を付けるね」

「す、すみませんお願いします」


クリプルが下を向いて言ってきたけど、両性の人もいるんだねこの世界、次にお風呂を作る時はそこら辺も考えないとだね。


「やっぱりバイトさんに相談して良かったっす」


相談が終わったのでお茶を進めてひと段落していると、クーラプスが嬉しそうに言ってきたよ、ちょっと照れるね。


「ほんとです、やっぱり頼りになります」


クリプルも賛成してるみたいなんだけど、ジッと見てきている顔が少し乙女の顔に見えます、顔がきれいすぎるよ二人とも、それに空気が変な感じです、これってまずいんじゃないかな。


「そ、それじゃ僕はお風呂に行って来るよ、飲み終わったらそのままでいいから、じゃあね」


僕は二人の視線を避けるために部屋から逃げてきました、別にクランでそう言ったことを禁止してるわけじゃないんだけど、何かまずいと思ったので逃げました。


『まったくマスターはヘタレですね』

「僕はヘタレじゃないよハナ・・・良いんだよ今はこれで、優しくされたからってそう言った関係に簡単になっちゃダメだよ、もっとしっかりお互いを知らないとね」


僕は言い訳のように言いました、こういった関係になるならほんとによく考えた方が良いと思うんだ、だってPTも違うんだしふたりは天使なんだ、もしかしたら天界に帰るかもなんだよ。


『そんなこと言っていると、そのうちみんなに一気に迫られて大変な事になりますよ』


ハナが怖い事を言ってきました、ただでさえ最近アンジェたちのボディータッチが増えてきて困ってるのに、変な事言わないでよね。


「そんな事よりもノームたちだよ、お風呂で確認しなくちゃね」

『そうですねぇ~そうしましょうマスタ~』


すごく棒読みに聞こえました、でもハナの言う事が正しいならもう少しで訪れる繁殖期は大変かもです、どうしましょうね。
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