荷物持ちだけど最強です、空間魔法でラクラク発明

まったりー

文字の大きさ
45 / 90
2章 クラン

36話 秘密を話して

しおりを挟む
「って事です、今まで黙っていてすみません」


次の日、ダンジョンから帰ってきてアンジェの部屋でみんなに空間魔法の事を話しました、そしてそこで商品の製造と量産をして手に入れていたとも話したんです、みんな納得した顔をしてましたね。


「気にする事じゃねぇさバイト、でもまぁこれで分かったぜ、なぁアンジェ」

「そうね、でもそれだけでしょ、私たちの気持ちは変わらないわ」

「そうかもですが僕のけじめです、それにクリプルたちにも言っておきたいんです、仲間ってこうなのかなって教えて貰ったので」


誰でも秘密は持ってると思います、でも話しても良いと思っている物を話さないのは違うと思うんです。


「じゃあ今から行くの?丁度みんな帰ってきてさっぱりしたとこでしょ?」

「まだちょっと早いんじゃねぇかアンジェ、その前に俺たちもバイトに話そうぜ」


カッツェがそう言ってみんなのここに来るまでのお話を聞きました、みんな嫌なことがあって家出をしてきたそうです、まぁ貴族の人がいて驚きましたがラノベでもよくあるからね。


「あまり驚かないのねバイト」

「驚きましたよアンジェ、特にアンジェが村の村長の娘ってところです、容姿から貴族や王族だろうと思ってたんだ」

「な!?」


そう言ったらみんなが笑ってるよ、そうなんだアンジェ以外はみんな貴族でした、そしてファファナ何て王族です、この中で一番身分の低い人がアンジェだったんだ、そんな風に全然見えないのにさ。


「でも僕には変わらないです、みんな大切な仲間ですからね」

「バイトっち」

「そうね王族とか貴族とか村長の娘とか関係ないわ、私たちは仲間よ」


そうだよ、今ここにいる大切な仲間それが分かれば身分何て関係ないさ。


「そうだぞバイト俺たちは仲間だ、だから自分だけで仕事をするな、俺たちにも振ってくれ」

「そうにゃ、あたいたちは頼りにゃいかもしれないけど頼ってにゃ」


確かに僕はみんなの仕事を代わりにしています、各ギルドの申請や食料の買い出し、でもそれはついでだからと思っていました、でもみんなは違ったんだね。


「そんなつもりはなかったんだけど、分かったよ今度から誰かを誘って行きます、そして覚えて貰うね」

「おう!それでいい」

「良かったわ、これでギルドで怒られることはなさそう、じゃあクリプルたちの所に行きましょ」


アンジェが最後にそう言ってきたので頷きました、タタマさんに何か言われたのかなと気になりましたが、そこは聞かないようにしたよ。


「なるほど、だからバイトさんはこの拠点に色々置けたのですね」


僕たちの予想通りお風呂から上がって食堂にいました、そしてみんなに話したんだ、やっぱりみんな不思議に思っていたみたいで納得してました。


「そうなんだティーア、だからここの商品にはお金が掛かってない、みんな気にしないで使ってほしいんだ」


収入はもう働かなくても手に入ります、それに次もありますしノームたちもついにダンジョンの先に進むようです、これからもっと増えるんですよ。


「だがお前ら無駄遣いとは違うからな、そこら辺を間違うんじゃねぇぞ」

「そうよみんな、それとバイトがクランの用事で外に出るときは誰か一緒に行くこと、クランの仕事を皆でやって行きましょ」


アンジェがそうしめて解散しました、簡単な話だったけど僕としてはかなり緊張したよ、一歩踏み出すって怖いよね。


「さて、この後暇になったからノームたちを見ようか」

『はいマスターついに進みましたからね、既に報告書が出来ています』


ハナが少し興奮してます、そしてスキルを使おうとしたら部屋のドアが叩かれたんです。


「ウクスルトたちって事はないよね」


妖精の3人はこの部屋を一緒に使っているのでノックはしません、となると違う人だ、そう思ってドアを開けるとクリプルとクーラプスでした。


「珍しいねふたりとも、どうしたの?」

「少しお話がありまして・・・いいでしょうか」


何か深刻そうなので僕は二人を部屋に入れました、いったいどんな話ですかね。


「じゃあそこに座ってこれでも飲んでよ」


ふたりを丸いテーブルを囲んでいる椅子に進めて紅茶を出しました、ミルクティーなのでまだ食堂には出してません、少し不思議そうだね、でも空間魔法の中であると説明して飲み出しました。


「美味しい」

「それは良かった、それでどういう話かな」


紅茶を飲んでいる二人に聞いてやっと本題です、でもすごくモジモジと言うか話すのをためらってますね。


「例えばですが、僕たちが人種でないって言ったらバイトさんどうしますか」


クリプルがそう切り出してきたよ、要は種族が違うって事?どう見ても人種に見えるんだけど、もしかして変化でもしてるのかな。


「どうもしないね、2人がそうした方が良いって判断したんでしょ、自分たちの身の安全を考えたんならそれでいいと思う、仕事もしっかりと出来てるしね」


戦闘が不利になって戦えないっていうなら、出来るだけ元の姿で戦ってほしいけど、それがないなら関係ないししっかりと戦えてるんだ、何の問題もないよ。


「でもバイトさんは今日僕たちを信用して秘密を教えてくれたじゃないですか、それなら僕たちも」

「そうっす、でもみんなに言うのが少し不安で・・・だから最初にバイトさんに言いたいっす」


どうやらふたりが覚悟を決めたんですね、でも隠すほどの種族って事は相当希少な種族だよね、有翼人にフェアリーがいるここで更にとなるとどんな種族がいたかな。


「僕たちは天使族です」


クリプルがそう言うと体が光って天使の輪と翼が出現しました、そして光が収まり普通に見える様になったんだけど、ほんとに天使ですね。


「どうっすかバイトさん」

「まさか天使族とはね・・・うんこれは隠した方が良いね」


正直有翼人とかフェアリー以上なんてものじゃない、天使が現れるのは数百年に一度とされていてその場所は伝説になるんだよ、というのもそう言った出来事が起きるからです、勇者が召喚されたとか、魔王が復活したとかね。


「バイトさんがどこまで知っているか分かりませんが、僕たちが地上に来たのは事故なんです」

「事故・・・なるほど、だから隠してるんだね」


僕が推測してそう言ったら二人が頷いていました、天使が来たとなるとここで何かが起きると言っていい状態です、しかし事故でここにいるのであればそれが起きない可能性がある、でも伝説ではそうじゃないので騒ぎになるって事です。


「だから俺たちは黙っているっす、でもバイトさんの覚悟を聞いて打ち明ける事にしたっす」

「話は分かったよ、でも何も起きないって言うのは確定なの?いつもとはほんとに違うのかな」


僕はそこが心配だよ、事故っていうけどそれが運命のいたずらって可能性もあるとおもうんだ、僕が記憶を取り戻したタイミングでクリプルたちが来たのも少し気になるしね。


「事故であることは確定です、でも何かが起きないとは言えません」

「まぁ何かが起きたら二人が来たからだって思われるかもしれないしね、でもそれが姿を隠してる理由ならしっかりと説明して言っても問題ないかな」


種族なんて結局どれでも問題ないんだ、2人がみんなに黙っているのがつらいなら、しっかりと説明して話す方がいい、もしそうでないなら僕の心の中だけにとどめておくよ。


「そうっすかね?」

「うん、しっかりと説明すればみんななら分かってくれるよ、まぁ外では隠したほうがいいと思うけどね」


さすがに外で天使を見たとかなったら収拾がつかなくなるよね、それさえなければ問題ないと思う。


「ですよね・・・分かりました」

「うん・・・でも二人は天使だったんだね、だからお風呂に誘っても一緒に入らなかったんだね」


きっとその時は元の姿に戻って羽とかを洗ってたんだ、毎回誘ってたんだけど悪いことしたね。


「そ、それもあるのですけど・・・その僕たちは両性なんです」


クリプルが少し声を下げて言ってきました、両性ですか。


「そうなんす、なので恥ずかしいっす」


ふたりがすごく顔を赤くしてしまいました、なるほどね色々あるんだね。


「分かったよ、次からは気を付けるね」

「す、すみませんお願いします」


クリプルが下を向いて言ってきたけど、両性の人もいるんだねこの世界、次にお風呂を作る時はそこら辺も考えないとだね。


「やっぱりバイトさんに相談して良かったっす」


相談が終わったのでお茶を進めてひと段落していると、クーラプスが嬉しそうに言ってきたよ、ちょっと照れるね。


「ほんとです、やっぱり頼りになります」


クリプルも賛成してるみたいなんだけど、ジッと見てきている顔が少し乙女の顔に見えます、顔がきれいすぎるよ二人とも、それに空気が変な感じです、これってまずいんじゃないかな。


「そ、それじゃ僕はお風呂に行って来るよ、飲み終わったらそのままでいいから、じゃあね」


僕は二人の視線を避けるために部屋から逃げてきました、別にクランでそう言ったことを禁止してるわけじゃないんだけど、何かまずいと思ったので逃げました。


『まったくマスターはヘタレですね』

「僕はヘタレじゃないよハナ・・・良いんだよ今はこれで、優しくされたからってそう言った関係に簡単になっちゃダメだよ、もっとしっかりお互いを知らないとね」


僕は言い訳のように言いました、こういった関係になるならほんとによく考えた方が良いと思うんだ、だってPTも違うんだしふたりは天使なんだ、もしかしたら天界に帰るかもなんだよ。


『そんなこと言っていると、そのうちみんなに一気に迫られて大変な事になりますよ』


ハナが怖い事を言ってきました、ただでさえ最近アンジェたちのボディータッチが増えてきて困ってるのに、変な事言わないでよね。


「そんな事よりもノームたちだよ、お風呂で確認しなくちゃね」

『そうですねぇ~そうしましょうマスタ~』


すごく棒読みに聞こえました、でもハナの言う事が正しいならもう少しで訪れる繁殖期は大変かもです、どうしましょうね。
しおりを挟む
感想 140

あなたにおすすめの小説

生活魔法は万能です

浜柔
ファンタジー
 生活魔法は万能だ。何でもできる。だけど何にもできない。  それは何も特別なものではないから。人が歩いたり走ったりしても誰も不思議に思わないだろう。そんな魔法。  ――そしてそんな魔法が人より少し上手く使えるだけのぼくは今日、旅に出る。

没落貴族と拾われ娘の成り上がり生活

アイアイ式パイルドライバー
ファンタジー
 名家の生まれなうえに将来を有望視され、若くして領主となったカイエン・ガリエンド。彼は飢饉の際に王侯貴族よりも民衆を優先したために田舎の開拓村へ左遷されてしまう。  妻は彼の元を去り、一族からは勘当も同然の扱いを受け、王からは見捨てられ、生きる希望を失ったカイエンはある日、浅黒い肌の赤ん坊を拾った。  貴族の彼は赤子など育てた事などなく、しかも左遷された彼に乳母を雇う余裕もない。  しかし、心優しい村人たちの協力で何とか子育てと領主仕事をこなす事にカイエンは成功し、おまけにカイエンは開拓村にて子育てを手伝ってくれた村娘のリーリルと結婚までしてしまう。  小さな開拓村で幸せな生活を手に入れたカイエンであるが、この幸せはカイエンに迫る困難と成り上がりの始まりに過ぎなかった。

知識スキルで異世界らいふ

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
他の異世界の神様のやらかしで死んだ俺は、その神様の紹介で別の異世界に転生する事になった。地球の神様からもらった知識スキルを駆使して、異世界ライフ

【幸せスキル】は蜜の味 ハイハイしてたらレベルアップ

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕の名前はアーリー 不慮な事故で死んでしまった僕は転生することになりました 今度は幸せになってほしいという事でチートな能力を神様から授った まさかの転生という事でチートを駆使して暮らしていきたいと思います ーーーー 間違い召喚3巻発売記念として投稿いたします アーリーは間違い召喚と同じ時期に生まれた作品です 読んでいただけると嬉しいです 23話で一時終了となります

ダンジョンでオーブを拾って『』を手に入れた。代償は体で払います

とみっしぇる
ファンタジー
スキルなし、魔力なし、1000人に1人の劣等人。 食っていくのがギリギリの冒険者ユリナは同じ境遇の友達3人と、先輩冒険者ジュリアから率のいい仕事に誘われる。それが罠と気づいたときには、絶対絶命のピンチに陥っていた。 もうあとがない。そのとき起死回生のスキルオーブを手に入れたはずなのにオーブは無反応。『』の中には何が入るのだ。 ギリギリの状況でユリアは瀕死の仲間のために叫ぶ。 ユリナはスキルを手に入れ、ささやかな幸せを手に入れられるのだろうか。

ダンジョンに捨てられた私 奇跡的に不老不死になれたので村を捨てます

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
私の名前はファム 前世は日本人、とても幸せな最期を迎えてこの世界に転生した 記憶を持っていた私はいいように使われて5歳を迎えた 村の代表だった私を拾ったおじさんはダンジョンが枯渇していることに気が付く ダンジョンには栄養、マナが必要。人もそのマナを持っていた そう、おじさんは私を栄養としてダンジョンに捨てた 私は捨てられたので村をすてる

念願の異世界転生できましたが、滅亡寸前の辺境伯家の長男、魔力なしでした。

克全
ファンタジー
アルファポリスオンリーです。

『ミッドナイトマート 〜異世界コンビニ、ただいま営業中〜』

KAORUwithAI
ファンタジー
深夜0時——街角の小さなコンビニ「ミッドナイトマート」は、異世界と繋がる扉を開く。 日中は普通の客でにぎわう店も、深夜を回ると鎧を着た騎士、魔族の姫、ドラゴンの化身、空飛ぶ商人など、“この世界の住人ではない者たち”が静かにレジへと並び始める。 アルバイト店員・斉藤レンは、バイト先が異世界と繋がっていることに戸惑いながらも、今日もレジに立つ。 「袋いりますか?」「ポイントカードお持ちですか?」——そう、それは異世界相手でも変わらない日常業務。 貯まるのは「ミッドナイトポイントカード(通称ナイポ)」。 集まるのは、どこか訳ありで、ちょっと不器用な異世界の住人たち。 そして、商品一つひとつに込められる、ささやかで温かな物語。 これは、世界の境界を越えて心を繋ぐ、コンビニ接客ファンタジー。 今夜は、どんなお客様が来店されるのでしょう? ※異世界食堂や異世界居酒屋「のぶ」とは 似て非なる物として見て下さい

処理中です...