荷物持ちだけど最強です、空間魔法でラクラク発明

まったりー

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3章 戦争

55話 領主に呼ばれた

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「お待ちしておりました誓いの炎の皆さま」


執事さんを先頭に、メイドさんたち大多数がお辞儀をしています、それは何故か、僕たちがダンジョンから帰った日、いつものようにギルドに向かうと、領主に呼ばれているとタタマさんに言われたんです、そして一日休んで領主の館に来ました。


「お招き有難うございます、それで私たちはどうして招かれたのでしょうか?まさかとは思いますけど、ギルドであったことが原因、ではないでしょうね」


アンジェが、ちょっと棘のある言い方で聞きましたね、領主の息子がそれをした張本人だもんね、試験の結果もこちらで発表するって話だから、きっとまた嫌がらせがあるって、アンジェたちが怒ってるんだ。


「それは旦那様にお願いいたします、どうぞこちらです」


執事さんに濁され、僕たちは大きな部屋に案内されました、そこには丸いテーブルが幾つも用意されていて、まるでパーティーを開くような状態だよ。


「これってもしかして」


僕が独り言を言っていると、部屋の奥にあった扉が開き、ここの領主様が入ってきました、他にもダンジョンギルドのマスターと、小さい男の子がいます、年齢は10歳いってるかどうかかな、どうしてあんな子も一緒なんだろう。


「よく来てくれた、まずは我が息子がそなたらに不快な思いをさせた事、謝らせてくれ」


領主様が最初に頭を下げてきました、僕たちは驚きましたよ、でも大声を出すわけにはいかないし、近くにいけなかったので、どうすることも出来ませんでした、そして頭を上げた領主様が話し始めたんです。


「そなたらは我が領で、多大な功績を上げてきた、これからもそうしてほしい、謝って済むものでないかもしれないが、私の気持ちとして受け取ってくれ」


執事さんたちが、僕たち試験を受けたメンバーに紙をくれました、それにはBランクに昇格って書いてあります。


「これって!?」

「そうだ、特例としてそなたらをBランクに昇格した、そなたらはそれにふさわしい実力がある、本来ならAランクと言いたいが、私の力不足で出来なかった、すまないと思っている、そして今日は特別な方をお招きしている」


領主様がそう言うと、さっきと同じ扉から僕の知ってる人が、ピンクのドレスを着て現れました。


「アリステア・ブリリアン・バーバルス様だ!」


領主様が紹介して、僕たちは跪きました、そしてそう言われる前に見たんだけど、メイドさんたちもいましたよ。


「ありがとうみなさま、面を上げて楽にしてくださいまし」


王女様に言われて僕たちは立ち上がり、もう一度しっかりとお姫様を見ました、笑顔で僕を見たので、王妃様は平気だったんだろうね。


「王女様はある報告と、政策をする為に参られた、みな心して聞け」


領主様がそう言ったから王女様が、少し前に出てきて口を開いたんだ、でも僕の方を見てる、一体何を言うのかな、少し嫌な予感がするよ。


「皆様も知っての事でしょうが、北の国と我が国は戦争状態です、そして昨日大規模な進軍をしたのです、それはある人の助言と、発明した品々無しでは不可能でした、そこで国王がその者に褒美を与えるそうです、バイト殿前に来てくれますか」


王女様に言われてみんなが僕を見ました、みんなには話してあるから、知ってるんだけど、まさか褒美を貰えるほどになるとは思わなかったよね。


「バイト殿、あなたの魔道具と新たな武器、素晴らしい物でした、これからも精進してくださいまし」

「ありがたき幸せです姫様」


王女様から紙と革袋を受け取りました、革袋には白金貨が入ってるんでしょうね、そして紙を少し読みましたけど、どうやら僕は貴族になるみたいです。


「それは良かったですわ、でももう一つありますのよ」


王女様がそう言うと、領主様が頷いて次に行きました、王妃様はニヤニヤしてますよ。


「バイト殿の新しく作った武器、銃を我が領で量産するよう、国王陛下から命を受けた、アリステア様の指揮のもとで始めたいと思う、そこでバイト殿の協力を頼みたい、協力してはもらえないか」


僕に注目が集まったけど、これって断ることできないよね?それに量産だけなら、僕はあまり関わらなくて済みそうだから、頷いておきました。


「ありがとう、我が息子トールダも若輩者だがそなたの元に着ける、こき使ってくれ」


領主様が少年の背中を押して、その子がお辞儀をしました、だからあの子はここにいたんだね、つまり国からは王女様が来て、ここの領からはあの子が入るって訳だ、それだけ戦争が大きくなるって事なんだろうね。


「私の詫びの気持ちもあるのだが、今日はささやかな宴を開こうと思う、どうか楽しんでくれ」


こうして僕たちの昇格祝いと、新しい政策と来訪者の歓迎をまとめて、パーティーが開かれました、料理は僕の作ってる物が主流だったから、きっとアサルトクランもこれに絡んでるね、つまり領主様は全部知ってるんだ、副ギルドマスターだった領主の長男は、遠くに左遷したと、執事さんが僕の耳元で話てくれたよ、それだけ僕の機嫌を取りたいんだろうね、分かるけどさ。


「アサルトクランの人達頑張ってるなぁ、街で食べた時よりもかなり味が良くなってる」


揚げ物以外も、僕が遠征で作った物もあります、そして味がすごく良いです、ほんと研究してるんですね。


「お久しぶりですわバイトさん」

「どうもお姫様、まさかこんな形で再会するとは思いませんでした」


僕が料理に称賛を上げていると、メイドさんたちと一緒にアリステア様が来ました、すごく良い笑顔ですよ。


「そうでもありませんわ、あなたは色々助けてくれましたもの、これは当然の事ですわよ」


王妃様の方は言わないようにしてるね、となるとそこは伏せておくのが良いんだね。


「そうでしたか、でも武器の生産に、アリステア様が来る必要はなかったのではないですか?軍事顧問とかを寄こすべきでしょう」


そう言ったら僕を手招きして呼びました、つまり秘密の話ですか。


「それだけあなたをお父様は買っているのですわ、先ほど渡した褒美にも書かれていますわよ」


そう言われて僕はしっかりと読んでみました、そうしたら最後の方に驚きの文章があったんです。


「アリステアさまと僕が婚約?」

「そうですわよ、この生産業務は二人の共同作業ですわ、そして成果を上げ伯爵か侯爵に昇爵してもらい、わたくしと一緒になるのですわ」


すでにそこまで道が出来てるんですかと言いたくなりました、でも銃の量産はそれだけの功績を納めるんでしょうね。


「その言い方は変ですよ、共同作業では無くて、共同政策でしょ、それも僕でなく領主様との」

「良いのですわよ、これからそう言う事になるのです、何せお父様が許したのですからね」

「いや、そう言う事ではなくてですね、僕たちだけでなく領主の次男さんがいるんだよ」


その子もこの話に入りたいようだけど、タイミングを計って隣のテーブルにいるんだ、ちょっと可哀そうだね。


「あんなの付録ですわ、おまけなのですわよ」

「そ、そんなハッキリと、ほらトールダ様がいじけてしまったじゃないですか」


アリステアさまもワザとなのか、結構な音量言ってしまいました、そしてトールダ様がしゃがんで、床に何か書いてますよ。


「お、大人げなかったですわ、ごめんなさいねトールダ」

「い、いえ・・・僕なんてどうせ兄さんの代わりなんです、今回だって急に呼び出されて、良く分からないままここに来ました、皆さんのご迷惑になるだけなんです」


トールダ様が更にいじけてしまったね、でもこれを見てると昔の僕を思い出すよ、冒険者に裏切られダンジョンをさまよってた時の僕みたいだ。


「トールダ様、分からないことをそのままにしていると、あなたはそのままダメな人になってしまいますよ、僕たちが手伝います、一緒に頑張りましょう」

「バイトさん」


トールダ様が涙目で僕を見ました、僕の時も誰かに助けてもらいたかったよ。


「誰でも最初は分からないものです、僕がしっかり指導しますから頑張りましょう」


トールダ様の肩をたたいて励ましました、分からなければ覚えればいいんです、分からないと腐っているから、そのままになってしまうんですよね。


「分かりましたバイトさん!よろしくお願いします」

「はいトールダ様、ではまず学園に通っていますか?勉強はどこまで出来ますか」


僕はまず、トールダ様の実力を確認しました、だってどう見ても学園に入ったばかりのはずです、それなのに呼び戻された、つまり全然勉強が出来てないはずです。


「計算と読み書きを少し、学園に通い始めたばかりだったんです」

「なるほど、ではまずそこら辺のお勉強から始めましょうね、分からないところは僕か、アリステア様が教えます、そうですよね」


アリステアさまも巻き込まないと、今度はアリステアさまがいじけてしまいますからね、正直銃の生産は、僕たちが頑張らなくても領主様が何とかします、それなら勉強を優先する方が良いよね。


「そ、そうですわね」


そう思っていたんですが、アリステアさまが変な返事を返してきたよ、もしかして勉強苦手なの。


「まさかとは思いますがアリステアさま」

「な、なんのことです?わたくしは何もしていませんわ」


そう言って領主様の方に急ぎ足で向かったよ、僕はメイドさんに目を向けたら、頷いていたのでそう言う事です。


「これは両方の勉強をさせないとね・・・これは忙しくなりそうだよ」


こうしてトールダ様と、アリステアさまは僕たちの拠点で暮らすことになりました、そして僕の忙しい日々が始まったんです。
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